上映中の映画「コットンテール」を映画館で観た。
【解説】リリー・フランキー演じる妻を亡くした男の家族再生を描いた日英合作映画。兼三郎は妻・明子の葬式でしばらく疎遠となっていた一人息子の慧(トシ)とその妻さつき、孫のエミに久しぶりに会う。酒に酔い、だらしない態度をとる喪主の兼三郎に、トシは苛立ちつつも気にかけていた。開封された明子の遺言状には、明子が子どもの頃に好きだった「ピーターラビット」の発祥地であり、夫婦で行きたいと思っていたイギリスのウィンダミア湖に散骨して欲しいという内容が描かれていた。兼三郎とトシ一家は、明子の願いをかなえるため、イギリス北部の湖水地方にあるウィンダミア湖へ旅立つ。兼三郎役のリリーのほか、錦戸亮、木村多江、高梨臨らが顔をそろえる。監督・脚本は、英国アカデミー賞US学生映画賞とヨーロッパ人として初めて学生エミー賞をドラマ部門で受賞したパトリック・ディキンソン。
言うことを聞かず勝手な行動をする父親とそれに焦れる息子。わだかまりを払拭したい息子に歩み寄れない父親、双方の気持ちもとてもよく分かり、さらに失禁した母親の姿を息子に見せたくない父親の行動にもやたら納得出来る。ゆったりとした展開が終盤の「とある行動」で一変するのだが、愛情だけでは越えられない介護家族のあり方についても問い掛けている気がした。これまで最期に向けてエンディングノートや終活などをそれなりに考えて準備してきたつもりだったが、「その手前」についても当事者として、また介護側として色々と決める必要があると思わせてくれたのは、本作品で登場するのが決して高齢者ではなく私に近い年齢だったからだろう。鞄の中の探し物が見つからないシーンはなかなか深くて重い・・・薄幸女性を演じたら木村多江はやはりピカイチで、若かりし頃の明子を演じた映画「Gメン」の恒松祐里が好演。
冒頭共同住宅で挨拶を交わさない・片田舎での一宿一飯の恩義が薄い主人公にはこれからたくさん苦労するだろう。またラストシーンは3人で行って欲しかった。