映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2019年公開)」を観た。
【解説】2019年1月1日に生誕100周年を迎える小説家J・D・サリンジャーの半生を描いたドラマ。1939年、作家を志しコロンビア大学の創作学科に編入した20歳のサリンジャーは、大学教授ウィット・バーネットのアドバイスで短編小説を書き始める。出版社への売り込みを断られ続ける中、ようやく掲載が決定するが、太平洋戦争のぼっ発によって、その掲載は見送られてしまう。召集により戦地に赴いたサリンジャーは戦争の最前線で地獄を経験し、終戦後もそのトラウマに悩まされながら、初長編「ライ麦畑でつかまえて」を完成させる。この作品の成功により、突如として名声を手に入れたサリンジャーだったが……。サリンジャー役を「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルト、バーネット役をケビン・スペイシーがそれぞれ演じる。監督は「大統領の執事の涙」の脚本を手がけ、本作が長編監督デビュー作となったダニー・ストロング。
ダンスホールで流れる音楽、ケビン・スペイシーとの(序盤の)師弟関係が良く、間延びすることなく鑑賞。苦悩する作家をニコラス・ホルトが好演。出版がすべてという業界において、いつも疑問に思っていた編集者からの書き直しの指示。売れてナンボというのも頷けるが、作家の本ではなく編集者の本になってしまうジレンマを勝手に感じてしまう。ちなみに劇中みなさんよく煙草を吸う。
「ライ麦畑でつかまえて」は今も若者に絶大な支持を得る図書ながら、アメリカでは学校の図書室から追放・禁書扱いとなり、ジョン・レノンを殺害犯やレーガン大統領殺害未遂事件、女優のレベッカ・シェイファーを殺害した人物が愛読書にしていたなどの話題もあるいわくつきの作品でもある。映画「陰謀のセオリー」、浜田省吾「僕と彼女と週末に」、渡辺美里「BOYS CRIED(あの時からかもしれない)」の歌詞にも登場するものの、私自身のタイトルだけしか知らなかったので、鑑賞後本屋さんで購入した。今度じっくりと読もうと思う、