北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

ブータン・インド国境の街、プンツオリン。

2024-10-30 13:26:33 | Bhutan

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ブータン・インド国境の街、プンツオリン。

 

 

ブータンへ入国するには現在はバンコックからブータン国営ドルックエアの直行ジエット機がパロ空港 ( 標高2200m ) まで飛んでいます。

 

 

 

しかし長年の鎖国の後にブータンが1978年に開国したころ、私たちははインドのカルカッタまで飛行機でゆき、そこからインナーラインパミットを取得して、アッサムの大平原をひたすら車で走りに走って、ブータン・インド国境の町プンツォリンへたどり着き、有名な大門を通ってブータンへ入国していました。

 

プンツォリンは、ブータンとしては異質の都市。ブータン南端国境にあり、インド領のジャイガオンの町と隣接しており、国境貿易によって繁栄してきたようです。一見、あまり大した町には見えませんが、毎日たくさんのインド人が国境の大門をフリーパス状態で通過してブータンに出稼ぎ ? に来ていました。これらの人々は夕方には一斉にインド側へ帰って行きます。

ヒマラヤの高地帯の王国の印象が強いブータンですが、ここプンツォリンは標高293m、郊外には熱帯雨林を思わせるジャングルもあり普通種ばかりですが ヘレナキシタアゲハなど蝶は多かった。ブータン産ヘクトールベニモンアゲハは、ここプンツォリンでのみ記録があります。

 

 

町外れで見られたウスイロキチョウ Eurema andersoni Moore .  Eurema属の蝶は近くのシッキムには6種、ネパールには4種が知られており、私はブータン で3種 (ウスイロキチョウ、キチョウ、ツマグロキチョウ) を確認していますが、入念に探すとさらに種類がいるかもしれません。

 

 

プンツォリンでもタイワンモンシロチョウ Pieria canidia  Sparrman はやや山地性の蝶でした。

日本では、かって対馬ではごく普通に見られましたが、近年突然消えてしまいました。爆発的に増えたシカによる食草食害や気候変動など原因が取りざたされていますがブータンでは普通の蝶でした。

 

 

クロテンシロチョウ Leptosia nina  Fabricius.

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攻撃的外来植物マルガリータの美しい花園とヒメシジミの衰退。

2024-10-15 22:01:21 | ヒメシジミ

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攻撃的外来植物マルガリータの美しい花園とヒメシジミの衰退。

 

 

初夏の晴れた日。温暖化のせいか猛暑。今日は気温が32.7℃。

 

 

 

近年、気候変動のせいか、とにかく暑い。こんなに暑い日が続いても外来種植物のマルガリータは、ますます元気でどんどん勢力を広げ、空き地や林道沿いはどこに行ってもこの花が大きな群落を作って在来の植物たちを圧倒している。

 

 

 

 

外来種として大繁殖し駆除など到底無理になった外来植物には、すでに帰化植物という折衷案みたいな名称が用意されていて、マルガリータはもはや帰化植物として、今後の推移を見てゆくしかないと思われます。

 

 

 

 

 

我が家から車で10分ほどのところに、ヒメシジミがとても多い場所がありました。しかし、この10年ほどの間にこの蝶はどんどん発生数が減って、最近では行けばいないことはないのだが、かっての多産地としての面影はありません。

 

 

 

 

代わりに初夏から夏場にかけては、ここはマルガリータの白い花で一色のまさに美しい花園になってしまいました。かって、種々雑多な植物が微妙な生態系をなして繁殖していた頃の光景 ( いわゆる雑草がいっぱい の草地 )はありません。

 

 

 

 

 

 

近年、広大な土地を切り開いて、チューリップだの、ラベンダーだの、ノボリフジ(ルピナス)だの、コスモスだの、芝桜だの、リリーだの、etc, etc…….. 単一な外来のきれいな花たちの大群落を観光地風に人工的に作り上げ大勢の人を呼び寄せる花公園みたいなものが日本中で人気です。

 

花の綺麗さからいうとジャガイモの花はとても美しく似たようなものに見えますが、今のところ広大なジャガイモ畑を巡るバスツアーなどはないようですが。

 

 

 

 

 

そういった視点からすると、私がとても気にしているマルガリータの大繁殖 (在来の植物生態系を完全破壊)は多くの方々に美しい花園としてすんなりと認知されてゆくのかも知れません。

 

 

 

かってヒメシジミの大発生地だった草原は姿を消してマルガリータの花園になってしまい、おそらくヒメシジミはもうすぐ完全に消えてしまいます。ここに示したヒメシジミオスは、この日、やっと目にしたただ1匹の個体ですが、その大敵マルガリータの花でせっせと吸蜜に余念がありません。

 

 

 

さて、マルガリータの花が終わり秋の始まりには、このあたりは攻撃的外来種筆頭のセイタカアワダチソウの大群落に変身し、おびただしい数のクジャクチョウが吸蜜している姿が壮観です。

 

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ホウジャク Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758)を初めて撮影。

2024-10-07 17:33:05 | 昼飛性蛾

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ホウジャク Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758)を初めて撮影。

 

2024-10-3 (木)  晴れ 18℃。

 

この日の朝、7時45分。北海道北見市の自宅二階の窓から広い庭を見下ろすと、ものすごい速さで飛ぶものがいた。

 

目測ではおよそ秒速20m。単純計算すると時速72Km。 

 

庭に出てみると写真などでよく見るホウジャクの仲間がハイピッチで羽根を震わせてホバリングしながらコスモスの花から花へと移動しながら吸蜜している。

 

 

恥ずかしながら私は蝶が専門であるせいか、ホウジャクなる生き物の実物をこの年になって初めて見た。

 

 

ホバリングしながらやたらと長い口吻(ストロー)を伸ばして数秒間吸蜜し、すぐに隣の花へと移動する。

 

 

初めて見るホウジャクの仲間に感激して、接近してオリンパスTough でせっせと撮影したが、ブーンという羽音とかすかな、しかしけっこう強い小さな風をはっきり指に感じた。重そうな虫体を猛烈ハイピッチな羽ばたきで浮かせているのがよくわかる。

 

 

 

しつこく撮影していると突然、私の耳元あたりに体当たりすれすれに超接近、もしかして威嚇行動だろうか。ブーンッという羽音がすごかった。

 

 

 

そのあと目にも止まらない速度でどこかへ飛んで行ってしまった。 

 

 

 

さて、このホウジャクの仲間、種名は何だろう。図鑑などでは展翅標本での分類法しか述べられておらず、飛翔中の同定法につき述べているものがなかった。

 

 

 

 

たまたま後翅のオレンジと辺縁の弱い縁取りが写っている写真があり、ホウジャク Macroglossum stellatarum と同定してみたが、違っていたらご教示いただけるとありがたいです。

 

 

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イタリアンパセリにキアゲハ幼虫

2024-10-02 16:45:12 | ヒメシジミ

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イタリアンパセリにキアゲハ幼虫

 

 

 

イタリアンパセリ ( Petroselinum crispum var. neapolitanum ) は地中海沿岸の原産でパセリ(オランダゼリ) の一品種 。いわゆるハーブの一種で 風味と香りが好まれ スープやサラダ、カルパッチョ など種々料理に使われています。

 

病害虫としてアブラムシ、ハダニ、そしてキアゲハの幼虫が挙げられています。イタリアンパセリにキアゲハの幼虫を発見したら取り除くようにするとの記載があることから、結構キアゲハには好まれているのかもしれません。

 

 

 

 

私たち蝶愛好家からすればキアゲハ幼虫はただ可愛いだけの存在ですが、そうでない人もいることを知らなければなりません。私の孫たちがキアゲハ幼虫を教室に持ってゆき女の先生に見せたら卒倒しそうになったそうです。

 

 

 

 

わが家の庭の片隅にはイタリアンパセリが群落を作っていて、昨日( 2024-9-30)、かみさんが葉の上に偶然キアゲハ終令幼虫を見つけて私に報告してきました。きっと、先日わが家のコスモスに飛来していたキアゲハが産卵したものでしょうか。

 

 

 

 

早速、今日朝早く撮影しました。私自身はイタリアンパセリについたキアゲハ幼虫は初めてみました。2令幼虫もいて、これは指を近づけると肉柱をニョキッとだして例の柑橘系の強い臭いを発散。可愛いものです。 このまま放置して様子を見たいと思います。

 

 

 

 

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