北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

ベニヒカゲの本がでました。高山蝶に恋して Mr.ベニヒカゲ転戦記。

2016-04-04 21:31:22 | キタベニヒカゲ
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ベニヒカゲの本がでました。 高山蝶に恋して Mr.ベニヒカゲ転戦記。

2016-4-4 北海道新聞朝刊によれば Mr.ベニヒカゲとして有名な 長岡久人氏が2冊目のベニヒカゲの本を自費出版しました。





北海道新聞の記事を 本ブログにも記録させていただきました。





道昆会員各位

 今年の北海道は昨年同様に雪解けが早く、本日はヒメギフチョウが飛び始めたと思われる陽気でした。
 仕事がなければ採集できたのに残念です。誰か採集していればご連絡下さい。
 シーズン突入の中、道昆会員が昆虫関係のすばらしい本を出版されていますので、皆様にご連絡します。
 ご希望の方は、南陽堂にて取り扱いしますので下記のメールへ返信下さい。
 宜しくお願い致します。

会員番号52 長岡久人さんの本が出版されました。1977年に山形県の蝶類、2015年にベニヒカゲ百名山を出版、今回は第3弾です。
高山蝶に恋してMr.ベニヒカゲ転戦記
体裁 ハードカバー・A5・262頁・カバー
定価 3,000円+税(送料別)
著者は、小学校に入る前から捕虫網を持って山に行くことが大好きな昆虫少年でした。「私の65年余にわたる人生は、蝶、特に、ベニヒカゲの観察と共にあった。この世を渡世するには、生活の糧を得るための仕事を得なければならないが、それもベニヒカゲの観察が中心にあった。決して仕事を疎かにした訳ではないが、仕事のみの人生ではなかった。ユーラシア大陸の東側の諸島(本州、北海道、利尻島、礼文島、国後島、サハリン島、モネロン島)にベニヒカゲは点状に生息している。国後島を除いて全ての諸島の主要なベニヒカゲの生息地を自らの足で観察して回り終わったのが2014 年である。1972年、山形県月山でベニヒカゲの観察を開始してから約40年の彷徨である」(本書「はじめに」より) その彷徨の中で、仲間からMr.ベニヒカゲと呼ばれ、自称もする著者が折にふれて「うすばき」「蝶研サロン」「ゆずりは」などの会報、専門誌に記した「ベニヒカゲ紀行」を1冊にまとめたのが本書です。執筆の年代が違うため文体や表現は統一されていませんが、むしろそのことが著者の人生や、生活臭を感じさせます。ベニヒカゲ愛好者には、より具体的な観察を可能にさせ、また、一般の読者にも楽しく読んでいただける1冊です。

〒060-0808
札幌市北区北8条西5丁目
北海道昆虫同好会事務局 高木秀了
Tel 011-716-7537 Fax011-716-5562
メール nanyodo@rio.odn.ne.jp




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2015年、キタベニヒカゲの新産地発見

2015-12-01 22:05:43 | キタベニヒカゲ
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2015年、キタベニヒカゲの新産地発見


2015-8-29 (土)  晴れ

蝶の新産地の発見は楽しい。

他人様の採集地を教えてもらって蝶を採るよりは、私の場合自分自身で開拓した産地のほうが圧倒的に多い。

本気で探せば新産地は、もしあるのなら必ず見つかる。

その方法には色々あるが発生の盛期をやや過ぎた時期、つまりその個体群の個体数が最も多い時期に、いかにもいそうな地域を探すのが効率的だ。

ベニヒカゲの新産地発見はまさに今、この時期が効率よい。

今日はきっといるぞの予測どおりに、多数のベニヒカゲ♀がアキノキリンソウの黄色い花で吸蜜していた。

おおかた汚損個体だが、このあたりがベニヒカゲの大発生地であることを教えてくれた。











キタベニヒカゲの新産地、発見。

来年、時期を合わせて撮影にきてみようとおもう。



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ベニヒカゲ♂の♀探索飛翔     終戦の日のキタベニヒカゲ  その弐

2015-11-13 09:36:23 | キタベニヒカゲ
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2015-8-15 (土)  晴れ 23℃

 ベニヒカゲ♂の♀探索飛翔   
 終戦の日のキタベニヒカゲ  その弐



       

今度は左沢をつめた。

かってベニヒカゲ(キタベニヒカゲ)の多かった小沢は樹木や草木がうっそうと生い茂って環境がすっかり変わっていた。

土がけ、岩がけには食草のリシリスゲが多い。




左沢も、もう車では無理といった林道終点間際の付近まで登って、そこでやっとベニヒカゲが出てきた。

鬱蒼とした森の林道にところどころポッカリと開けて日が射し込む日溜まりがある。




そこはヨツバヒヨドリやアキノキリンソウの群落があり、ベニヒカゲはどこからともなくやってきて密やかに吸蜜する。







ベニヒカゲを採集して三角紙に入れて花をみるとまたどこからかやってきた別のベニヒカゲが目の前で吸蜜しているといったパターンになってきた。

よく見るとベニヒカゲ♂たちは薄暗い木漏れ日の樹林内を日溜まりから日溜まりへと、結構な早さで飛び交っている。

低く飛んでいた♂が一気に10m ほど高く舞い上がったり、またひゆーっと低く降りてきたり実にダイナミックに飛んでいる。

恐らくエゾヒメギフチョウとまったく同じで、森のなかで懸命の♀探索飛翔をやっているのに違いない。

普通サイズの♂はオレンジ紋、その1/3ほどの超小型♂は濃い暗色調の紅紋で別種かと思われるほどだ。



♂前翅表の性標、黒っぽいところ、なんとなくおわかりでしょうか。ここに発香鱗が発達しているのがキタベニヒカゲの特徴です。
後翅表には赤色斑がほとんど現れないのもキタベニヒカゲの特徴です。



♀は3頭採集。


キタベニヒカゲ♀裏面。


キタベニヒカゲ♀表面。




♂は18頭採集。ほぼ新鮮。 























これらと同じくらいの個体数を採集せずに観察し、撮影したりしたので、私の目にとまった本日のベニヒカゲ総数はこの森では50頭くらいかと思う。

本気のネットマンなら全部ネットしてしまうに違いない。

最近の私はネットマン半分、カメラマン半分といったところです。

この日は午後3:30頃が最もベニヒカゲの飛来が多かったが、その後まもなく 3:45 ついに林道に日が射し込まなくなると、きっちりパッタリと消えてしまった。



こんなことをする♂もいます。手乗りベニヒカゲ。

文中、ベニヒカゲと言ったりキタベニヒカゲと言ったりして申し訳ありませんが、基本的には同一のものと思います。ただ、世界的視野でみると実は本州のベニヒカゲは、本州のツマジロウラジャノメと同様に本当に特異な個体群とおもいます。




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終戦の日のキタベニヒカゲ  その壱  ベニヒカゲの撮影、苦戦。

2015-11-12 20:47:36 | キタベニヒカゲ
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2015-8-15 (土)  晴れ 23℃
 
ベニヒカゲの撮影、苦戦。
終戦の日のキタベニヒカゲ  その壱

 

今日は終戦記念日だ。敗戦記念日と言わないのは負けた国のせめてもの意地であろうか。

戦勝国たちは誇らしげに戦勝記念日と言い、たいそうなパレードなど行って祝う。

道東では 蝶愛好家にとっては お盆、終戦記念日、というと一般的にベニヒカゲの最盛期を意味する。

AM11:20 我が家から車で30分ほどの北見市郊外の産地へベニヒカゲ(キタベニヒカゲ)を見に出発。時々曇るがおおむね晴れている。 

途中、川をみると先日の大雨による大増水はほぼ治まっていてヤマベ釣りによさそうだ。 

一方、大雨や集中豪雨のあとは倒木とうせんぼや、林道が荒れたり崩壊していることが多くちょっと気がかりではある。ワレモコウの見える草地にゴマシジミがあちこちに飛んでいた。

ほどなく、今から20年ほど昔、おびただしい数のベニヒカゲが見られたとある林道に到達。

ここにきたのは本当に久しぶりで自然景観はずいぶん変わり、まさにうっそうとした森に変身していた。

最初、林道の右沢をつめていったが蝶は少ない。ウラギンスジヒヨウモン、ミドリヒョウモン、ギンボシヒョウモンなど撮影しながら進む。 

蝶は少ないがメスグロヒョウモンだけはよく目につく。この蝶は従来北海道東部では稀種であったが、この20年ほどのあいだにどんどん増え続け、いまや北見の森には、いたるところ普通に見られる。





かわりにクモガタヒョウモンが完全に消えた。地球温暖化によるメスグロヒョウモンの北上であろうか。

いよいよ林道終点付近までえんえんと山を登ってやっと最初のベニヒカゲ1♂発見、しかし、かなり素早く、早く高く飛び、たちまち見失う。

もう一頭現れたが、車や人の動き、物音に敏感で同様にたちまち見失ってしまった。

その後いくら待っても次のベニヒカゲがこないので林道を下り始めた。日溜まりでヨツバヒヨドリに吸蜜中のベニヒカゲ1♂をやっと発見、ネットした。

一般的にこの時間帯のベニヒカゲはとても敏感。

発見しても撮影最適距離までの接近困難、物の気配に敏感ですぐ逃げる。

仕方なく最初は手のひら写真にならざるを得なかった。

しかし、少ないながら、ときどき良いモデルになってくれるのもいた。 














アリさんがちょっかいをかけにきた。



アブがひどくうるさい。油断するとじくっとやられたりする。みなさんご存じのとおりアブに二種類いて黄色いのがしつこい。






  この項、続く。



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キタベニヒカゲ撮影苦戦。

2015-10-29 20:27:06 | キタベニヒカゲ
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2011-8-5  (金)  晴れ 夕方 ゲリラ豪雨

キタベニヒカゲ撮影苦戦

この日、北見市近郊のとある渓流で、30匹ほどオショロコマを釣って撮影し全て丁寧にリリースした。アブが猛烈に多い。 

川岸は大きなフキが多い川だ。釣りのあと、林道を車で奥へ奥へと進んでゆくと ベニヒカゲ5♂♂ 発見。

元気いっぱいせわしなく飛び回るのみでなかなか止まらない。吸蜜も滅多にしない。

ほんの一瞬、フキの葉などに止まったところをなんとか撮影できたが構図を決めるまもなく飛び立ってしまう。











せっかくのベニヒカゲ出現だが写真撮影には本当に非協力的な蝶たちだ。

ここのベニヒカゲは本州産 Erebia neriene niphonica Janson とはとても異なる。

どちらかというと地味な色調・斑紋で♂性標がよく発達した、いわゆるキタベニヒカゲの一群 Erebia neriene scoporia Butler(北海道亜種) である。

モンゴル産キタベニヒカゲ Erebia neriene ssp. は♂性標がよく発達する点、北海道産に似るが後翅表面の赤色斑列がよく発達するので北海道産と区別できる。( モンゴルの蝶類 Vol.3 ジャノメチョウ科 pp.74-77)



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