きのう、ねる前に本を読んでいた。昼間、「近衛は弱いね」と言った昭和天皇の言葉が気になってしょうがなかった。
この話には前段がある。先日読んだ藤田尚徳の『侍従長の回想』に「近衛は自分にだけ都合の良いことを言っているね」といった天皇の言葉が、実は近現代史の近衛評価の始まりだった気がしている。
とすると、この本の初版が昭和36年(1961年)だから、近衛はこの年から「自分都合の男」と評価されるようになった訳である。
さすれば、「近衛は弱い」は、何時から、誰の口から云われたのかというのが頭を離れなかった。どうも、この言葉の出何処は『昭和天皇発言記録集成』という本らしいことが解かった。
そうこう調べている中で、次の一節が出て来た。
「細川日記」の引用文が出て来た。【工藤美代子『われ巣鴨に出頭せず』中公文庫より】
「東條の眼中に国家の命運なく、国民の生活なく、否、皇室なく唯政権への執着あるのみ」との一節。
これはそのまま、今の「菅義偉の眼中に・・・~」と置き換えられる
夜中に、ゾッとした気がした。二人とも実に立派な名だ。