「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「よこがお」

2011年10月25日 | つれづれ噺

        

あの著名な彫刻家「澄川喜一先生」。
生まれは島根県だが、岩国工業高校卒業ということもあって、岩国に何度もお越しになる。とっても気さくな、隣のおじさん的な優しい横顔をお持ちでいらっしゃる。

ご存じの通り、東京芸術大学を卒業、そのまま助手として芸大に残り、やがて助教授・教授そして学長へと順風満帆の芸術の道を歩まれた。
岩国錦帯橋などの伝統的建造物や日本刀から着想した連作「そりのあるかたち」で知られている。(中国新聞)
来年5月の営業開始に向けて工事が進む、東京の新名所「東京スカイツリー」のデザイン監修も手がけられていることも有名な話。
そんな澄川先生が、新聞の教育欄で「私の師」と題した談話を発表されていた。

澄川先生の「師」とは、芸大入学で出会った平櫛田中教授である。
「芸大というのは、芸術を教えたり、教えられたりする場所じゃない。探せ、自分を探せ」といわれた、当時80歳であった平櫛田中教授の言葉が、その後の人生で何かにつけて思い出されると言われている。

「芸術の本質は、名品や優れた作品を、手にとって、触って感じられるもの。インターネットで調べれば見た気にはなるけど感じていない」と。また、「80歳を迎え、芸大で初めて出会った平櫛先生の年齢になった。今でも仕事を続けているのは、次の作品が前より絶対に良くなるはずだと思うから。若い人には負けられない」と意気軒昂である。

短い言葉ながらいくつも参考になる基本が隠されている気がするために、柄にもなく、超一流人物の言葉を敢えて引用させて頂いた。
一度だけ、近くで肉声を聞き、簡単な紹介をされて控えめに挨拶したこともある。
そんなご縁もあって、澄川喜一デザインによる、岩国シロヘビをモチーフにしたタイピンを大切にしている。
時には胸に付けて『次の作品が前より絶対に良くなるはずだ』と自らに暗示をかけてみようかな。それでも実力以上のものは出ないのであろうが。

コメント (7)
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