春休み最後の日曜日。これ以上ない絶好の花見日和に恵まれた。
長年勤めた会社0B会による春のイベント「歩こう会」。134人の参加。
桜満開の吉香公園で、8時45分に受付を済ませ、思い思いにお城山に登る。うっすら春のかすみがかかっている錦帯橋を見下ろす。大好きな景色である。
昨年は東日本大震災で自粛した歩こう会。2年ぶりとなることもあってか城山に登る人の少ないことに驚く。4・5年前は参加者の大半が登っていたと思う。それが今年は参加者の半分くらいしか山登りをしない。年々歳を重ねるわけで、いつまでもみんな登れるわけではないことは分っている。その反面、毎年退職する若い人たちが入会してくればその人たちの活躍で、山登りが極端に減ることはないはずである。
この会はもちろん任意の希望者による会員で成り立っている。10年前に入会した小生の目から見ても、後輩は非常に少ない。しかも山登りの人数が少いということは、最近の定年退職者がOB会に入会してこないのではなかろうかと考える。つまり、「退職した後まで会社につながっていたくない」などという意識が働いているとすれば、そこに大きな問題が潜んでいる気がしないでもない。
経済状態や景気の動向に敏感に左右される企業の中にあって、歳を取ることは罪悪であるかのように、職場配転や出向命令など、本人にとっては不本意な人事が行われているから、会社に対する感謝の念や、誇りに思う気持ちが損なわれているのかな・・・などと、1人のOBとして心配する。「そんなことはないよ」という声が聞こえてくれば嬉しいのだが。
城山に登った人も登らなかった人も全員が揃って11時から、134人の会員と、お世話をする現役組合員や事務方など総勢160人に及ぶ盛大な花見の宴が始まる。
それにしても、現役の時にはあまり発言もせず、存在そのものも定かでなかった男が、花見などのOB会の席では大きな声で我が物顔にしゃべるのを耳にすると「成長したな~」と思うのか「現役時代何を考えていたのだろう」と思うのか、戸惑うこともしばしば。それでも彼は彼なりに今を愉しんでいるのだと思って納得している。