昭和32年3月、川下中学校卒業の仲間を集めた「古稀同窓会」いよいよ明日本番を迎える。恩師が4人、仲間が67人総勢71人の、それはそれは楽しい会が始まる。
古稀70歳を記念して行う同窓会の出席者が71人というこの数字、なにか仕組まれた様な奇縁を感じる。それもこれも9カ月も前から準備委員会を発足させ、よりよい同窓会に向けて数回の会合を重ねた委員各位の熱意の賜物かもしれない。
本番を明日に控えた今日から、趣味のコーナー展示品の集荷に奔走する幹事さんもいる。卒業アルバムを頼りに、1人1人の顔写真を切り抜き、中学3年生の顔写真入りネームプレートも作った。参加者全員に渡すレジュメも出来た。あれこれ遺漏なく周到な準備を整えた。と思うのに、なんかまだ忘れ物があるような、これで本当に大丈夫か?という不安が頭をよぎる。終わってしまうまでこんな調子なのだろう。
振り返れば、たったこの9ヶ月間という準備期間ではあるが、費やしたエネルギーたるやすごいものがあることに気付く。多くの人間が多くのことを相談し、折衝し、結論を出して今日までやってきた。そしてやっと明日を迎える。感慨ひとしお。
これ以上語ると、自慢話や苦労話になっては本意ではないのでやめる。が、苦しくも楽しい日々を過ごした。幹事だからこそ体験出来ることや、新たな発見もあったのだ。
いずれにしても明日の本番は、皆の記念すべき歳をお互いがお互いをお祝いする会である。祝杯を上げよう、普段合わすことのない顔に話しかけよう。
今夜は心おきなく眠りに就こう。明日の成功を信じて。眠れるといいのだが。