江戸城、松の大廊下模型 (ネット拝借)
大風、大雨、突風、洪水、土砂崩れ。 まさに何でもありの台風18号。
大きな大きな爪痕を残しつつ、近畿、東海、北陸、東北、北海道、と日本列島を縦断した。
これまでの集中豪雨や竜巻被害など、傷跡も修復さないうちにさらに追い打ちをかける天災。
テレビ画面に映し出される、日本を代表する観光地京都の、嵐山公園や渡月橋の惨状は目を覆いたくなる。
被災された方々へ心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
そう思いながら、こればかりはいつ我が身に降り掛かるか全く予測がつかない怖さがる。
特に最近、あちこちで発生する竜巻や突風被害は、なんとも逃れようがなく、せめてとっさの判断で自分の命を守る行動に走る以外に方法がないのはなんとも恐ろしい。
そんな気象の変化をもたらす天には「三つの廊下」があるという話を耳にした。
「照ろうか」「降ろうか」「曇ろうか」。この三つのろうかが、いつもせめぎ合いをしながら、地球を晴れさせたり曇らせたりしているのだという。ちょっとマユツバな話ではあるが、一つの耳学問としては面白い、かな。
同じように考えると、人間にも三つの廊下はあるようだ。
さしずめ、「知ろうか」「やろうか」「作ろうか」といったところだろうか。
新聞に目を通すのも、テレビのニュースに注目するのも、まずは「知ろうか」に始まるようである。
出来ることからやってみよう「やろうか」・・・などとつながっていく。
天の持つ三廊下は、我々人間では如何ともし難い領域である。しかし人間の持つ三廊下は生涯持ち続けることが可能であり、持ち続けたい大切な生き甲斐であろう。
ところが、人間の持つ4つ目の廊下、つまり「老化」という名の廊下によって、そんな生き甲斐を阻害されることはある。抗ってみたいのだが、これもまた、人間の力の遠く及ばぬ現象ではある。
写真に使わせていただいたのは、江戸城内にあった大廊下のひとつ。本丸御殿の大広間から将軍との対面所である白書院に至る全長約50m、幅4mほどの畳敷の廊下。 廊下に沿った襖に松と千鳥の絵が描かれていたことから松之大廊下と称された(ネット拝借) この大廊下を舞台に繰り広げられた一大歴史物語は、江戸庶民にもてはやされ、歌に残され、歌舞伎十八番として受け継がれている、きれいでかっこいい結末。だが、プロセスでは何百人もの武士や町民を路頭に迷わせた哀しい事実も秘めている。
照ろうか、降ろうかに始まった三ろうかの話も、老化や松の廊下にまで及ぶと面白い話などではなくなるね~。
それでも「知ろうか」だけは懐に抱いて生きていきたいものですね~。