お食い初めのフルコース
せがれの長子、女の初孫が生まれて早くも103日目を迎えた。
格別大きな希を抱くわけではないが、生涯を通して食べることに困らないように、旺盛な食欲で健康な日々を過ごせるように、というごく自然な家族の祈りを込めて、古式にのっとり「お食い初め」の祝いを執り行った。
主役の当人は全く何もわかってはいないが、育てる親、見守る親族などが祈りを捧げることで、気持ちを安らげる一つの儀式みたいなものである。
このお食い初めの儀式は、遠く平安時代から伝統的に受け継がれてきたといわれている。
元々、一汁三菜のご馳走をそろえるのが通例であったようだが、あれこれ調べていくうちに、定番と思われるフルコースに到達した。
お赤飯、鯛の尾頭付き、吸い物、煮物などなど。それぞれにいわく因縁のある食べ物が並ぶ。
そんな中の一つに「梅干し」がある。エッ、こんな小さな赤ちゃんにいきなり梅干し・・・と思われる向きもあろうが、ちゃんとした理屈がつけられているから面白い。「梅干し」のように、しわが出来るまで末永く生きられるように、という長寿の願いが込められているのである。今一つは黒豆の煮豆。これは石に見立てて、どんな固いものでも噛み砕く丈夫な歯を持てるよう願いが込められているという。
取って付けたような屁理屈にも聞こえるが、よく考えると、ウ~~ンなるほど・・・。先人の深い配慮に納得がいく。
我が子のときにも同じように、色んな願いを込めて儀式は行ってきたのだが、その時は今ほど深い意味にまで思いが至らず、ただただ人並みに儀式をこなしておけばいい、という考えだったような。
お箸初め。お口に入れる真似事を・・・
今、孫の成長を願い、我が子が親としての役目を果たすよう厳しく見守る中で、自分たちが知らずに生きてきたことを反省しつつ、伝統の儀式とか、先人が作り上げてきた風習といったものを、若い親に少しでも分かりやすく教えておけたらいいと思ってみたりする。それはいつやるの?子育てに必死な今でしょ!今しかない!!。
鉄は熱いうちに・・・という言葉がふと浮かんできた。それにしても、自分たちのことは棚に上げて、よく言うよ!