晴れ姿のはずが、ちょっと浮かない顔に
大好きな兄ちゃんの前では、緊張もほどけて
満4歳7か月の悠雅君。数え年5歳、七五三のお祝いに晴れ姿で神社へお参り。
ちょっと変わっている4歳児。新しいことをさせようとするときや、新調した洋服を着させようとするとき、どういうわけか、厳しい抵抗を示す。普段と変わったことをするのに「このまんまでいい」などとうそぶく。なんでじゃろう。
そんなわけで、このたびの七五三衣装の裾上げや、寸法合わせも散々手を焼いた。
お父さんが、この三男坊のために自ら購入してきた紋付羽織袴。お宮参りの晴れ姿を期待したというのに。
我が家での寸法あわせさえ大変だったのだから、自分の家で、母親から着せられるのには相当の抵抗と、涙の反発もあったようだ。そんな普段にない衣装でお宮参りすることが、彼の常識の中にはないのだろう。
「七五三といってね、悠雅君が元気ですくすく育ってくれるよう、神様にお祈りするんよ」と、分かりにくい説明をしてみる。
お宮に着いた頃はまだ不機嫌が残っていて、目も腫れぼったく、普段の彼の顔ではないような。
記念の写真を撮ろうとしてもなかなか素直に目線をよこさない。じいちゃんの一生懸命さも伝わりそうにない。
それでも孫ニュースのネタにするには十分な枚数を撮った。
三人三様、まさに一人ひとり違うものだな~ と今更ながら驚く。
こういった強情っ張りを「個性」と呼ぶのかどうか分からないが、自分の意志を持ち、自分の気持ちを中心に周囲を動かそうとする強い意志はうかがえる。いいとか悪いとかは今は別な話として・・・。
ただし、会社の部下や交友関係では、何とも扱いにくいタイプではある。
まあいい、 ♪♪ ・・・ ・・・ いいか~男は 生意気くらいがちょうどいい~ ・・・ ・・・ ♪
と、親父が息子に言って聞かせる歌もある。
まして、ジジのしゃっちょこばった考え、世間体や体面を優先して自らを抑える考え、を押し付けてはいけないのだろう。
これから始まる長い長いみちのり。思ったようにやってみればいい。
宮司さんの打ち鳴らす太鼓を、自分でも叩きたそうな顔で眺めている。
そのころからようやく普段の笑顔が戻り、新調の羽織袴もヨレヨレにして兄ちゃんにまとわりつく三男坊。
この子らに “ 幸へ給え ” と、二礼二拍手一礼。神前に額づくジジである。