由緒ある古い神社境内の「黄落」 大きな岩がゴロゴロ。秘境の奥地へ
1週間後の11月30日日曜日は、第3回岩国検定試験を予定している。
その問題の一つに取り上げられている秘境の紅葉を、今一度この目で確かめたくて訪ねてみた。
本当の名前とは別に「もみじ峡」とも呼ばれるほど紅葉が美しい峡谷。
かつて平家の一族が、難を逃れて住み着いたという数々の伝説が残されている、まさに山深い秘境である。
紅葉を求めて、というかたわらで一番の目標は、高さ40mに及ぶ「鹿落ちの滝」という滝を見たかったというのが本音。
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説明板にこのように記されている滝。見事である。と言いたいところだが、実は今日は、写真で紹介できないほどの、ほっそりした滝が木の間隠れにチラッと見える程度であった。
というのも、このところ雨らしい雨が降らず、滝の水もふんだんにあふれるほどなかったのだろう。
そして今一つは、雑木が生い茂り過ぎて、せっかくの「鹿落ちの滝」の雄姿を覆い隠してしまっていることである。
ウ~ン残念!!でも、ここで写真をご披露できないだけで、肉眼では確かに、高さ40mの滝のさわりは見届けてきた。
他にも、平家落人の若者と、源氏方の高貴な姫との恋の成就の「姫岩のいわれ」も見させてもらった。
そして何より、秘境地域の長い歴史を見守ってきた「香椎神社」境内にある大イチョウの黄落を楽しめたのはもっけの幸いであった。
紅葉の美しさという点では、出かける時期が遅すぎた。つまり、もみじのほとんどは散り終わった後だった。
こちら街中と違って、中国山地の高地の秘境。紅葉の時期が早いということ。足元にうずたかく吹き寄せられたイロハかえでが、「次の機会にはもう少し早めに来て、私のきれいな姿を見てね」とささやいているようであった。
いずれにしても、人里離れた山奥ながら、かつては学校もあったのだ。
廃校となった建物は、今にも崩れ落ちそうではあったが、校舎の玄関すぐわきに「職員室」と書かれた黒の横長表示板が、如何にもリアルで、どうかすると子どもの声が聞こえてきそうな錯覚をおぼえる光景にも出くわした。
やはりこの足を運んで、実際にこの目で確かめる。そこには色んな人々の生きた証が、異様な迫力で迫ってくるのが心地いい。
その一方で、ここにも完全な限界集落を目の当たりにし、あちこちに残された住む人の無い廃屋を見ると、何ともやりきれない心苦しさもつきまとう。 そんな晩秋の一日。やはりいい日だった・・・ということにしておこう。