相変わらずお年玉は上げる相手はいっぱいいる。早く減らしたいと思うのに、なかなか減りそうもない。
逆にこちらがお年玉をもらうことは無いといってもいいくらい。せいぜい、幼い孫姫が母親に手伝ってもらって描いたジジの似顔絵を手渡してくれるくらいが相場であろう。もちろんこれはこれで嬉しいし頬は緩む。
昨日は別なところから、季節外れのお年玉にも似た思いがけないプレゼントを頂いた。思わず頬ゆるむ出来事ではある。
といっても、渡し主からこの手に直接乗せてもらうというような、笑顔の交換が伴う形式のものではない。
公の紙面に名前を出してもらって、「昨年はがんばりましたね」というご褒美のようなもの。
プレゼントを直接この手に乗せてもらって、笑顔を交換するのは1か月先のことである。
趣味として書いている252字の「はがき随筆」の世界のお話。
割と素直に書けるときもあるが、多くはあずりにあずって、まさしく「綴り方」が「あずり方」となって、のしかかってくるときもある。
今回お褒めを頂いたのは、テーマとしてはありきたりの家族模様に少し思い入れを添えた感じで、肩に力が入らなかったことを憶えている。
つまり、大きな欲もなく淡々と書いた。そんな印象がある。
これからも、これをヒントに肩に力を入れないように・・・と思う。が、すぐに忘れて肩がこるほど力が入っている。
そんな哀れの繰り返しを、今年もせっせと、エッセッセイと取り組んで行くのだろう。その意味ではいい励みとして背中を押してくれる。
優秀作品などには遠く及ばない、その他大勢の中の一人としてではあるが、年間賞の仲間入りしたものを、恥ずかしながらお披露目を。
『まーるいこたつ』
ホームこたつといえば四角いものだと思い込んでいた私は、円形ホームこたつを見つけた時「おっ、これはいける」と直感した。
でも値段は四角いものの2倍以上。ウーンどうする?しばし迷う。
家族8人が板の間で、まーるいちゃぶ台を囲んでいた遠い昔の夕飯の情景が目に浮かぶ。
食べ物など決して満足ではなかったが、寄り添う家族のぬくもりがあった。
そんな思い出が、円形こたつを奮発させた。
大きい足、小さい足、温かい足、冷たい足があちこちから入ってくる。
気持ちまでまーるくなった冬が行く。春はすぐそこに。
2014.3.29 毎日新聞「はがき随筆」掲載。