荒れる日本列島。またまた台風21号が巨大な勢力のまま接近。ついに徳島県南部に上陸。次いで紀伊半島、近畿一円に甚大な被害をもたらした。全くあり難くない話であるが、今年は台風の当たり年ということらしい。9月4日現在ですでに21号を数える。
特に8月は、1か月の台風発生数としてはこの20年で最高の9件に上るという。
もっと過去にさかのぼっても、10件が最高と言うから、9件は歴史上でも2番目に多い数字である。
そんな荒れ狂う台風の大雨や大風が来る前に、近くのハス田で頂戴して来た、直径1mにもなる大きな葉っぱが二階に置いてある。
月夜の晩に頂いて帰り翌日1日だけ直射日光に当てる。後は大切に陰干しを重ねる。かなりシワが増えて、一見像の皮膚を思わせる状態のハスの葉っぱが、見かけによらず何とも名状しがたい季節の香りを二階中に放っている。階段の途中からその佳き香りが鼻をくすぐる。
やがてこの葉っぱが岩国寿司の名わき役として、5段重ねの仕切りとして活躍し、食べる人の鼻をくすぐり、食欲をそそるのである。
このハスの葉っぱが我が家の秋を彩る香りなら、今ひとつの季節の香りが我が家にはある。
6月の終わり、もぎ取った青梅の実を取り敢えず二階の一室に広げておく。二日もすると、それはそれは甘酸っぱいような、まさに芳香を二階中に行きわたらせる。この芳香はやがて来る夏を予感させる。
夏の夜感と深みゆく秋を、香りが教えてくれるというのも、ちょっと贅沢をしている気分ではある。
その昔の高貴な人々は、宮中で四季折々の香を焚き香りを楽しんだという。また香りの香木名を当てっこするゲームを楽しむ「香筵(こうえん)」を開いたりしたという。
我が家にそこまでの風流心はないが、このように季節に合わせた自然の植物から得られる生の香りを楽しめたらいいだろうな~などと思う。
面白いかも。そんなおいしいネタがどこかに転がっていないかな~。