この季節は、「秋の〇〇展」とか「秋を楽しむ」といったイベント案内が舞い込む。
可能な限り出掛けていって、来場者名簿に住所氏名を書き残して来る。そうすることが、主催者を応援することになるし、一つの励みになるであろうと思っている。
もちろん、自分には出来ない分野の芸術を、少しでも判ろうと努力する気持ちは失ってはいない。
三連休で里帰りした姫孫に、じいちゃんの趣味を押しつける気持ちなどさらさらないが、紙さえあれば色鉛筆やボールペンで絵を描きたがる感性を、少しでも助長
出来ればジジの本望である。あっちこっち連れて歩いた。
先ずは市民文化会館で開かれている「秋の盆栽展」。手のひらサイズの小さな鉢に植えられた高さ15cmほどの盆栽でも15年20年たっているという。
こちらは、いくら何でも姫孫には興味なし。「次に行こう」と手を引っ張るの少し待たせて、作者の努力の経緯とうんちくを聴いてあげる。
次は、市内で最も大きなイベント会場の一角でやっているパステル画展へ。
さすがこちらには、6歳の姫孫も相応の興味を示すパステル画がずらり。シメシメ、とジジの知る限りの説明と解説を分かりやすく付け加える。
そしてメインは、画展の鑑賞者に「アルバ」という南米楽器の生演奏を提供するコラボレーション。
ハープという聞き慣れた楽器に似た、大きさはハープの約半分ほどで弦は32本。まるでピアノの音を聞くほどに迫力のある楽器に初めての遭遇。
奏者も素敵な中年女性で「おぼろ月夜」「コンドルは飛んでいく」「コーヒールンバ」などの演奏を目の前で堪能。
犬も歩けば棒に当たるではないが、無精も歩けば素敵な芸術に当たる式で、孫姫共々素敵な文化の日を過ごした。
アルバ奏者の女性は、さるところで初めて出会ったこの楽器に魅了され、自分が始めて17年になるとのことであった。
実際にペルーなどで現地演奏も聴いて参考にしたという。その演奏技術もさることながら、「これは」と感じたことに徹底して興味を示し、学び、努力を重ねて人前で演奏できる腕前になるプロセスを思うと、そんなまねをしてこなかった自分の生き方とのギャップを感じる、そんな芸術の秋でもある。