庭先の紫陽花「墨田の花火」が見事に花開いた。これほどの咲きっぷりは珍しい。東京都調布市から我が家にやって来て、かれこれ17・8年はたつというのに、目をみはるほどの艶やかさは初めてである。柄にもなく「咲いて嬉しい花いちもんめ・・・」などと口ずさんでみたくなるほどである。
紫陽花は七変化すると言われるとおり、 小さな水色から澄んだ青色に。 やがて深い青に落ち着いて、もっと沈んだ紫にたどりつけば、もう終焉。 これが普通の大輪を誇る大ぶりな紫陽花。この墨田の花火も、額に咲く白い花弁が真っ白から薄い紫を帯び、やがて淡いピンク色に変わる。額の中の小花も薄緑から青みを帯びた薄紫に。と言う具合にやはり七変化して楽しませてくれる。こうなるとつい紫陽花の花言葉ってなに?と興味が湧く。
「移り気」「高慢」「辛抱強い愛情」「あなたは美しいが冷淡だ」「無情」「変節」などと、梅雨時の鬱陶しさの中で楽しませてくれる花のイメージとは相容れない感じだねー。と思ったら、これは西洋での印象みたいである。七変化だの墨田の花火だの、梅雨の雨が似合う花、などと表現されることが多いので日本の花だとばかり思っていたら、西洋にも紫陽花はあるのだそうな。あちらはあちら、花言葉にも少し情緒が欠けるねー。
そこで今一度、和名紫陽花の花言葉を探してみた。あったよ~。「団結」「仲良し」「家族」「和気あいあい」「平和」「七変化」などなど。随分多い気もするが、いずれもイメージ通りの、優しさのある言葉が連なっている。これでこそ紫陽花の花言葉である。
同じ紫陽花をみても、日本人と西洋人との間には感受性にかなりの開きがあるのかな。
もっとも、日本の四季の中であまり好まれない梅雨という季節に咲いて、カビを生やす雨ではあるがその雨と微妙にマッチングするところに良さを見つける。この奥ゆかしい日本人の感性。あの世まで持って行きたい一つの財産ではある。柄にもないと笑わんといてな。