恐怖のヒグマOSO18 ネット拝借
ここ4年ばかりの間に、北海道の標茶町や厚岸町で牛66頭が集中的に襲われ、北海道庁が特別対策班を設置するほど世間を騒がせた最凶ヒグマ「OSO18」がついにその生涯を閉じた。凶悪と言われるほど住人や飼育動物の敵となったのだから、最終的には駆除という形の殺処分であった。
そもそもOSO18とは、最初に目撃されたのが標茶町の町内「オソツベツ」という地名と、前足の幅が「18センチ」だったことから名づけられたコードネームである。 これまで雄ヒグマが滅多に狙わなかった乳牛を獲物にしていることや朝夕待ち伏せるハンターの目をかいくぐる用心深さから、脅威の存在とされていた。 そんな「OSO18」を捕獲したのは猟友会のハンターではなく、釧路役場の有害鳥獣駆除対応を担当する部署に所属する男性中堅職員で、役場に勤務しながら鉄砲撃ちとしての顔も持つ珍しい役人ハンターだったという。
体長は尻尾から頭まで2メートル10センチで、体重は330キロ、手の平は20センチと大型のまさしく肉食の味を覚えた狂暴野生である。
こんなどデカイ野生が徘徊する地域の住民の恐怖は如何ばかりであったろうか。
東北地方の急峻な雪山を舞台に狩猟で生活を立てる「マタギ」の厳しい生活を追った、熊谷達也著の「邂逅の森」という一冊に出会った。マタギと追いつ追われつするヒグマの闘いを描き、人間マタギと野生のヒグマの意地と意地とのぶつかり合いで、最後はマタギもクマも命絶える物語であったと記憶する。
そう云えば数年前、私の住む町でもクマの出没騒動があり、小学校の登下校は保護者責任となった。その時の孫君のセリフを今もはっきり覚えている。「母さん、何かあったら大変じゃけぇ迎えに来んでええよ。その代わりじいちゃん迎えに来てヨ」と。
その時は何事もなく笑い話で一件落着であったが、野生の恐怖に地域を上げて怖れたことは確かである。
その一方で、野生と人間の共存に方策はないかという議論がある。森も林もないコンクリートジャングルで野生の入り込めない位置に住んでいる人は、野生の本当の恐ろしさを知っているのか、疑問に思うこともある。
取り敢えずOSO18は処分で来たが、第2第3の出現を止められるのかどうか。人的被害は何としても避けたい。それでなくても、自然災害や森林火災など人類の恐怖は至る所にあふれている時代。人間の命の重さをもっと考えてみたい。
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