
少し前までは、この辺りを専門に採る逞しいオバーちゃんがいた。
でも、女性で本格的に急斜面で活躍する人もお亡くなりになったり、高齢化で止めたりで居なくなってしまった。
村全体を見渡しても、ゼンマイ採りをする人は少なくなってしまいましたね。
その結果として、こんなに立派なゼンマイが林立する事になっている。

これは「カモシカ」の足跡ですが、今では人の跡よりも多く見られるほど。
言い方、見方を変えたらスベルべが「カモシカ」に同化しているのかもしれないなー。

さて、背中にした「ゼンマイブートー」か一杯になり、一旦斜面を登りきって軽トラに辿り着く。
次の行動を迷ったけれども、軽トラに可燃物用のゴミ袋が載せてある事を思い出し、それにゼンマイを移して再アタック。

山は雑木が手入れされる事も無く伸び放題で荒れてしまった。
中越地震で崩れ、一昨年の豪雨で崩れ、そして豪雪に拠って伸び過ぎた雑木が根こそぎ崩れて荒れてしまった。

雪国の植物、雑木の逞しさで根元は雪に押されて下に曲がっても先端は上を向いて伸びる。
この45度を越える斜度の急斜面の下には雪渓が見えます。
こんな場所に大きな危険が潜んでいます。
滑落して、雪と斜面の間に落ち込んで、命を失った人が過去にも何人もいるのです。

でも、ほぼ収穫を終え尾根を登る際にこんな大株に出会う幸運も有ります。
少し伸び過ぎた「ゼンマイ」の綿毛が風に吹かれて揺れている。

尾根伝いに登って、手懸りに掴んだ木がヤマザクラだった。
はらはらと落ちる花びらで、ヤマザクラに気付いたのです。
今年の春は雪の少なかった冬のため、里の桜も山のヤマザクラも一緒に花盛りを迎えたのです。

さて、奥が一回目の収穫で「ゼンマイブートー」の中は二回目の収穫。
気持ちは、満足感に満ち汗ばんだ身体に吹きつける風も心地よい。
奥のゴミ袋の中が少なく見えるのは遠近の関係からで、一杯に入ったゼンマイの量は少なくありません。
(続く)