茸丼(その1)
滅多に有りつける食べ物ではないが、何時食べても溜息が出るほど美味しくて、
ついお腹に搔き込んでしまうように食べてしまうものが有る。
それは我が家では「茸丼」と言う代物。秋が旬と言うか採り時期になるアマンダレ、別名ナラ茸を具にした丼だ。
他にもタマネギを使ったりもするが、アマンダレの分量が多いほど勿論美味しくそして贅沢な一品だ。
アマンダレを中心とする材料を甘辛く煮付け、溶き卵を絡ませて丼に盛ったご飯に掛ける。
書いてしまえば自分でも何だと思うほどあっけないが、これが絶妙な味、秋の味なのである。
山菜の連載の中でもアマンダレには触れたが、アマンダレの本当の名前は「楢茸」で、
地方によってさまざまな呼び方がされていると言うことは、それだけポピュラーな茸だと言うことだろう。
南魚沼、それも湯沢に行くと「クズレ」とも呼ばれ、この辺りでも「ラッコウ茸」と呼ぶ地域も有るようだ。
ポピュラーだとは言え、そこは山菜自然の恵み。
収穫量は運任せ、天任せ。それが多少賭けごとの様な雰囲気も味あわせてくれる山菜ってものだ。
でもね、慣れて来ると結構出ている場所も想像が出来てくるもので、
私など秋になって出掛けてもそれが知らない土地で有ってもアマンダレや山芋が気になって仕方ないのだ。
(続く)