電車の中で①(その1)
何年も勤めて、そのうちの大半は電車通勤だった。
長岡、六日町、五日町、浦佐へと通勤場所は変わったが、長岡と六日町の30分近い通勤時間は、
読書タイムとして貴重な時間だった。
電車通勤でも色々な経験、思い出がある。ある駅で、特急の通過待ちで停車中に異変を感じて視線を上げた。
私の視野の先に目に入ったのは、ドアの横の二人掛けの椅子に、一人を押し込めて、蹴飛ばしている場面だった。
読みかけの本を投げ捨てて、そこに走った。
「何をしているっ」と大声を上げると、「電車の中でいざこざが有って」なんて、
グループの一人が返事を返している間に、暴行を受けていた少年は、電車を飛び降り走り去ったのだった。
持ち前の小さな正義感から、こんなことは珍しくも無く、結構頻繁にあったなぁと思い出す。
六日町への通勤途上に、進学校として知られた高校が出来た。ここの生徒が結構傍若無人に騒ぐ。
しばらくは、目を瞑ってやり過ごしていたのだったが、私が読んでいる本の上を越して物のやり取りを始めたので、
堪忍袋の緒もそこまで。
「何をしている、人の迷惑も考えろ」と一喝。
さすがに優等生の集団です。記憶力は良いようで、その一件以来、
電車の乗ってきても私の姿を見つけると目配せを交わし近寄らなくなりましたから。
(続く)