電車の中で②(その3)
一泊での忘年会で、したたかに飲み、午前中の電車に乗ったのは良いけれど、
吊革につかまりかろうじて、立っていると言う哀れな状態だった。
すると、「あなた、くるしそうですねー、どうぞ座って下さい」と年配の女性に席を譲られかけた。
「すみません、実は病気でも何でもなく二日酔いなんですよ」なんて白状しましたが。
車中以外でも駅構内では色々な事が有りました。正月三ヶ日の内の一日でした。
階段の前の方で聞こえた異音に気付き見ると、ご老人が転び、額から血を流していらっしゃいます。
でも、誰も立ち止まらないのです。
その方は正月の挨拶に出かける途中だったらしく、一升瓶を2本風呂敷で縛ってお持ちでしたが、
その重い荷物でバランスを崩して階段につまずき、瓶をわり、そして怪我をされていたのです。
私と、もう一人の女性だけが、助け合ってその方を抱え起こしました。
声を掛けたり怪我の状態を見ているところに、誰かの通報で駆けつけてくれた駅員に後事を託したのでした。
(続く)