ブートーを方言辞典で引くと、ぼろ布を縫い合わせた山着とある。
ぼろ布でも無く、ネルの夜着の袖を取り仕立てたものをいう。ある言い方では陣羽織に似ているとも。
これが、山菜採りには至極便利な物。裏返しにして裾をお腹の前で縛り合わせる。
そして、細紐でその上からしっかりと縛り、後ろから引き揚げて袖を通す。分かるかな?
前掛け式とか、リュック式とか山菜取りに使う入れ物は色々あるようです。
しかし、このブートーが両手を使えて、しかも沢山の山菜を背負って歩ける便利な物なのです。
という事で、ブートーをしっかりと身に着けていざ出陣。
「山笑う」という季語がありますが、今はまさにそんな山の色。さて何処を目指そうか。
木々はあんなに芽吹き初夏の雰囲気さえ感じるのに山裾には残雪。
急斜面の山は雪が留まらずに雪崩落ち、下、山裾に積もっていつまでも消え残る。
冬の運動不足がたたり、息を切らせつつ目的の場所にたどり着く。
毎年雪崩を繰り返す斜面で、雑木さえ生えないのに独活の根は残っているのです。
でも、この斜面が曲者でなかなか上ることが出来ない。
土を削って足場を作ろうにも砂岩であったり、泥岩であったりで歯が立たない。
(続く)