昆虫博士は講演も多くされているらしく、人を惹き付けるお話し。
昆虫を研究する人も、色々な分野の専門家もいるらしい。今回のテーマです。
そして、色々な分野で昆虫の研究は進み、工業製品にも反映されているとか。
例えば、新幹線の先頭車両など鳥の「カワセミ」の嘴の形状を模したものさえあるという。
シャープ電機では、蝶類の羽の形状を扇風機に取り入れているとか。
しかも、アサギマダラとアゲハの二種類の形状を取り入れて、静粛性、風の効率性を追求しているとも。
正倉院の「玉虫厨子」はご存知だと思います。
あの、玉虫の見事な羽の色は、色素によるのではなくて、微妙な光の反射なのだとか。
その仕組みを利用して、燕市の会社がステンレスの発色に利用しているそうです。
ステンレスが美しい色を見せるが、これも着色ではなく、光の反射の利用です。
昆虫博士のお話しは次々と展開します。
スベルべが驚いたのは、このアキアカネというトンボの個体数を調べたグラフ。
昆虫博士と言うだけに、アキアカネ以外のトンボについては調べられていないという。
しかし、アキアカネを調べた結果のグラフを見て慄然としたスベルべでした。
宍道湖のワカサギとウナギの絶滅に近い状況の研究をしたのは東大大学院の山室真澄教授です。
宍道湖の周囲の環境変化、天候変化の推移などをすべて調べて出た結果は餌の減少でした。
このグラフは宍道湖の動物ブラントン、ミジンコなどを調べたグラフです。
これからわかることは、今回提示されたアキアカネの個体数のグラフとほぼ一致すること。
1993年を境として、宍道湖のプランクトンもアキアカネも急激な変化が起きている。
この1993年という年は、日本の生物学上の一つの分岐点になっていると考えられる。
理由は何でしょうか?それは農薬なのです。プランクトンはネオニコチノイド系農薬により壊滅状態に。
そして、アキアカネは稲の苗箱消毒に使う「フィプロニル」などの農薬で死滅した。皆さんの目に見えないところで大変化が起きています。