夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

鷺沢萠著「私の話」河出文庫

2007-01-20 21:11:02 | 本と雑誌

鷺沢萠著「私の話」河出文庫
鷺沢萠著「私の話」河出文庫
三十代半ばにして世を去った作家がいる 19歳での作家デビュー 若くしての結婚 離婚 鷺沢萠(さぎさわ めぐむ)

真摯に自分のルーツと向き合い 逃げることがなかった・・・

けれど常に{死}を見ていたのだろうか

この作者自身を振り返りつつ綴られた物語にドン度焼きなる食べ物が出てくる 日本のお好み焼きにも似た素朴な食べ物である

面白く思ったのは 我が家にも父が作ってくれた焼きだこなるおやつがある

溶いた小麦粉に卵を割り入れ さっと混ぜて焼き 砂糖醤油につけて食べるのだ

どの家にも伝わる味はあるのだなと

著者の振り返る 推察する どんど焼きへの考察は悲しい

彼女は寂しさと哀しさ 孤独感と罪悪感を絶えず抱え続けていたのだろうか

もし近くにいたら できたら 言ってあげたかったと思う

人間どうしようもない事こそ多いのだと

あがいて苦しんでいる最中でも笑えるのも人間なのだと

真面目に 読んでほしい本です


剣持鷹士著「あきらめのよい相談者」創元推理文庫

2007-01-20 00:51:47 | 本と雑誌

剣持鷹士著「あきらめのよい相談者」創元推理文庫
解説の巽昌章氏によれば 作者は弁護士とのこと

「あきらめのよい相談者」 イソ弁の主人公が断った客は 同じビルの他の法律事務所にも同じ相談をしていた

諦めが良いのか悪いのか その客の隠された真の目的とは?!

「規則正しいエレベーター」 作者と同じ名のイソ弁が今回も奇妙な謎と遭遇 友人コーキの明快な推理

「詳し過ぎる陳述書」離婚したい依頼人の女性 別れたくない夫の言分は 変に詳しかったが―

友人コーキの力を借り勝ちをもぎとる主人公 「あきらめの悪い相談者」 客の言動は何かひっかかるものがある

それは実は―

杉田比呂美さんの表紙もいい感じです