夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「黒い靴」

2013-09-01 23:18:57 | 自作の小説

道路の中央線近くに黒いハイヒールが落ちていた いったい誰のモノなのかもわからないけれど

-1-

それはまるで誰かが履いてでもいるように道路にまっすぐ立っていた 片方だけ

何時間も何時間も

交通量も多い場所なのに ずっとある

何かの執念が宿ってでもいるかのように

曇り気味の日だった 激しく雨が降ってきても靴の中には水が溜まらない

やがて日も暮れる 時間が流れていく

深夜近く 靴にうっすらと白い足首が生えた

まるで誰かを待っているように

何かがいるのか

誰かがいるのか

一台の車が近づいてくる

と靴が動いた

運転席の男の頭の中に声が響いた

「遅い! 待ちかねたわ!」

次の瞬間 飛んできた靴は車を突き破り 運転席の男の後頭部に突き刺さった

事故発生の知らせにやってきた警察官は頭をひねる

靴が刺さっている

どうしてこんなことができたのか?

死んだ男は思っていたー死体は遠くへ捨てたのに なんて執念深い女なんだー

前日の同じ時間 仕事帰りで疲れていた男はつい信号無視をしてしまい 横断歩道を渡っていた女性を轢いた

遅い時間 誰も見ていなかったのをいいことに 男は轢いた女性をトランクに入れ 山へ捨てに行った

男にはそれで済んだことだったが 脱げたハイヒールが残っていた

死んだ男の前に今度は全身を見せた女性は言った

ーただ死んでたまるものですかー

このぶんでは 死んだ男は 轢き殺した女性に当分つきまとわれそうだ

ー2-

予約した店の入り口で青年は頭を抱えたくなった

彼女の誕生日 欲しがっていた靴を注文して取り寄せたのに・・・・・

ああ 袋が破れている 片方の靴を落としてしまっている

花束も買った それからもう一つ 心をこめて選んだ品も

でも 遅い 彼女はー来た

来てくれた なのに俺のドジ

日頃スカートをはかないのに今日はお洒落してきてくれている

薄化粧まで

化粧品の匂いが嫌いとめったにしないのに

俺のためって己惚れてもいいのだろうか

係りに予約した席へ案内される

注文を済ませ 青年は彼女に言う「お誕生日おめでとう 来てくれて有難う」

花束を渡した

彼女をイメージしたピンクの蘭と小さな可愛い黄色の蘭の組み合わせ

「ありがとー」

「あと謝らないといけないことがある」

青年の言葉に彼女は不思議そうな表情になる「?」

黙って紙袋を見せる 袋は破れていた 青年は箱を開ける

靴は片方しか入ってない

「落としちゃったんだ ごめん また注文しなおすから 誕生日には間に合わないけど」

「これ 前にわたしがショーウインドー外から眺めて 欲しいなーって言った

あれ覚えていてくれたんだ」

「君が言ったことは忘れない」

「有難う 食事おごってくれるのと 花束だけでも もう十分嬉しいのに」

青年は彼女を誕生祝いをするからと呼び出したのだ

時々一緒に映画を観る ドライブに行く

だけど青年は「それ以上の存在」になりたかった ずっと

切れない縁を結びたかった

注文した料理が届く

彼女は目を輝かせおいしそうに食べていた

言い出すのを食事が終るまで青年は待った

デザート

食後のコーヒーが運ばれてくる

「唐突かもしれないけど 君にとっては 

僕は君が好きなんだ 好きでたまらないんだ 

結婚してくれないか」

もう一つの小さなプレゼント 小さな箱をテーブルの上に青年は置いた

「見ていいの 開けていいの」

おずおずと彼女は青年に尋ねる

青年は黙って頷いた

小さなダイヤモンドを組み合わせたデザインのー指輪

「なんで どうしてサイズわかったの?」

「祭の出店で指輪買ったでしょ それぞれ自分が気にいったの あの時に君が買ったのと同じサイズの指輪を買っておいた

その指輪を店に持っていって これと同じサイズにって」

「あんな前から わたしと」

「僕はずっと付き合っているつもりだった 友達じゃない」

「いいの わたしなんかでいいの」

「君が 僕なんかーでいいのなら」

彼女はしばらく声が出せず ただじっと青年を見つめていた

それから 冷めたコーヒーを飲んで 小さな声で「はい」

片方の靴はどこへいったか分からないけれど

片方だけの黒い靴は彼女の宝物になった

-3-

半日 道路に忘れられていた黒い靴はボランテイアで道路を掃除する道路に面した店の女性に拾われた

新しいその片方だけの靴を捨てるのも何故かためらわれて その女性は中にビーズを詰めて貝殻を飾って店の床に置いた

道路に忘れられていた靴は 新しい居場所を見つけた

道路の中央線近くで見つけた黒い靴から思いついたお話です↓

黒いハイヒールが落ちていた

いったい どういう理由からだろうと不思議に思ったものだから^^;

あの黒い靴は結局どうなるのでしょう

誰かが掃除してゴミとして片づけられるのでしょうか 結局は


黒いハイヒールが落ちていた

2013-09-01 19:05:11 | 子供のこと身辺雑記

黒いハイヒールが落ちていた
姑の家へ行く途中 信号待ちから車が動き出してすぐ 道路の真ん中にそれは落ちていました

何かしら黒い塊が中央線の上にあって 通りすぎてからサイドミラーで確認したら それは黒いハイヒールでした 片方だけ まるで人が履いているように

奇妙に思いつつ 姑の家に行き 主人の用事での来客があったので それを済ませてからだから 二時間ばかし経った帰り道 黒いハイヒールは そのままの形でまだ同じ場所にありました

一体どういう理由からだろうと ついつい妄想してしまいます

片方だけの黒いハイヒール 何故そこにあったのでしょうか


BSプレミアムで「コントの劇場」

2013-09-01 11:12:30 | テレビ番組

昨夜は三宅裕司さん 田中直樹さん 小倉久寛さん 水野美紀さん 伊東四朗さんという出演者でした

融資打ち切りを伝えにきた銀行の上司(三宅裕司)と担当(小倉久寛)が町工場の社長(伊東四朗)や妙な日本語を話す外国から働きにきた従業員(田中直樹) 産気づく社長の娘(水野美紀)らの言動から 融資打ち切りを撤回するー「町工場」

妻(水野美紀)から離婚を言い渡され自分だけお引越しの男(田中直樹)

依頼した引っ越しの運送屋は一時間遅れてやってきたと思ったら 作業はしたことがない社長(伊東四朗)と部長(三宅裕司)でー「お荷物」

ホテルの一室に入ってきた女は殺し屋(水野美紀)が依頼された仕事を片付けようと窓を開けたらーそこには窓拭き二人(三宅裕司と田中直樹)

彼等は食事をしたり読書したりと何故か窓の前に居座る

コンシェルジェ(小倉久寛)を呼ぶ女だがー「プロフエッショナル」

大型量販店の電気屋さんの体験コーナーでバスローブ姿でくつろぐ男(伊東四朗)

注意する店員(三宅裕司)

男は生き別れの娘(水野美紀)とここで会う約束をしたーと 娘に会うまでここを自分の家ということでーそう頼み込む

呆れるもう一人の店員(田中直樹)ー「リビング」

ベッドに病気で横たわる父親(小倉久寛)

看病する姉娘(水野美紀)と弟(田中直樹)

そこへ現れる坊さん(伊東四朗)

まだ誰も死んでないのにー

答えて坊さん 病気の父親をさして「いるじゃないですか そこに(今にも死にそうな)金の卵が」

さらにもう一人坊さん(三宅裕司)登場

この業界も不景気風が吹いていてーと有望な顧客獲得で坊さん達は競っていると

姉弟の前でどちらの寺に葬儀を依頼したほうがお得かを宣伝するー「骨肉の争い」

伊東四朗さん さすがです

小倉久寛さんも達者

三宅裕司さんも芸達者で 田中直樹さん 水野美紀さんも良かったです

長男も大笑いしていました

こういう芸のある「本当のコント」は いいですね


NHKの番組から「SONGS」

2013-09-01 10:52:35 | テレビ番組

昨夜はベンチャーズでした

私が子供の頃 渚ゆう子さんの「京都慕情」は好きな歌だったのですが 歌の本には作曲がベンチャーズとありました

私はその頃 そういうグループがあるのかな グループサウンズの一つかなーというくらい全く知識がありませんでした

ちょっと知ったのは少し大きくなってからです

では 彼らはどういうグループなのか

ギタリストのChar(チャー)さんはインタビューにこう答えています

「ギターを始めたのは100%ベンチャーズのおかげ 」

ルールがないところがよかったと

ドン ウイルソンとボブ ボーグルは建築現場で働いていて 「ギターが弾けるようになりたかった」(ドンの言葉)

そして二人は1958年にベンチャーズを結成します

1959年にデビュー

カバー曲「WALK DONT RUN」が注目され 番組のテーマソングに起用されたりしてヒットします

彼等の人気は世界中に広がり 日本では1965年に「勝ち抜きエレキ合戦」という番組が制作されます

テケテケと呼ばれる演奏方法

これまでは考えられなかった自由なー

これが若者の心をゆさぶりました エレキギター

加山雄三さんの若大将シリーズの1作に「エレキの若大将」という作品があります

かほどの影響与えるエレキギター これは教育関係から「エレキ禁止令」が出るほどだったとか

理由は若者の不良化を案じてのこととか

ベンチャーズは2008年ロックの殿堂入りを果たしました

最初のメンバーのボブ ボーグルは1993年に日本女性と結婚 その後2009年6月14日に病死しています

ドラムスのメル テイラーは1996年8月11日に肺がんのために62歳で亡くなっています

そして音楽活動をしていた長男のリオンがメルの代わりに 追悼公演からベンチャーズに参加しました

メンバーの出入りにもドラマがあります

長く続いているバンドですから

主にインタビューに答えるのはドン ウイルソン

彼は日本が大好きだそうです

第二の故郷のように日本を訪れているとか

この夏も「サマーソニック」に出演しました

ボブ スプルデイング(ベース リードギター)

リオン テイラー(ドラムス)

ジェリー マギー(リードギター ベース)

ドン ウイルソン(リズムギター)

彼等の演奏曲は

「ダイヤモンド ヘッド」ハワイの火山ダイヤモンドヘッドを題材にした曲なのだそうです

「パイプライン」

シャンデイズの曲をカバー サーフイン 波のうねりなどを表現

ここで父親や祖父がベンチャーズが好きで一緒に演奏を聴きに連れていってもらっていた十代の少女たちが ベンチャーズのような演奏をしたいとバンドを結成したことが紹介されます

「ストロベリー パフエ」という名前で活動していると

少女の父親は少年時代からベンチャーズに憧れて憧れてー

バンドを結成したお嬢さんを熱心に指導しています

そこへなんとベンチャーズが入ってきました

優しくドン ウイルソンが言います「どうぞ 続けて」

少女の一人「どうしよう」

少女たちが(男性も交じってはおりますが)演奏を始めると ベンチャーズのメンバー達はとても優しい見守るような表情で聴いています

そしてドンは 本物の演奏が聴きたいという少女の願いにこたえて 演奏してくれます

「10番街の殺人」ではセッション 一緒に演奏してくれるのでした

子供の頃からベンチャーズのフアンだった少女の父親は言います

「こんな嬉しいことはないです (ベンチャーズと演奏したい)僕の子供の頃からの夢を (ベンチャーズのコピーバンドを結成した)娘が叶えてくれました」

と感涙にむせんでいました

ドンは言います「君たちのような若い子たちが ロックンロールやギターのルーツを学ぶことは 素晴らしいことだと思うよ」

さらに「本当に楽しかったよ」と

そして場面はスタジオに戻り

「10番街の殺人」の演奏

ミュージカル「オン ユア トアーズ」からのカバー

そしてベンチャーズが日本の歌謡曲へどんな影響を与えたかの紹介

和泉雅子と山内賢共演の「二人の銀座」のデユエットソング

奥村チヨの「北国の青い空」

渚ゆう子「京都慕情」

大ヒットした「雨の御堂筋」などはドン ウイルソンが御堂筋を歩いていたら雨が落ちてきて「雨の御堂筋」というタイトルいいなーと曲が浮かんだのだとか

ベンチャーズは様々な楽曲を日本の歌謡曲に提供しています

そのどれもがヒットしているのです

そんなベンチャーズがカバーアルバムを出しました

ユーミンの曲です

ドン ウイルソンは言います「ユーミンの曲はどれも華やかで魅力的な音楽だと思う」

そしてユーミンの「ルージュの伝言」を演奏します

昔発売した曲のレコードジャケット撮影に使われた神社さんはドンのお気に入り

すごく好きな場所だそうです

そこで絵馬を奉納していました

絵馬には健康を願う言葉が書かれています

「今80歳で100歳まで長生きしたいから 」

インストウメンタルともサーフロックとも

ああ 懐かしかったです

繰り返し見よう聴こうとビデオに保存中ーです