きぬえと巴弥都真太郎(はやと しんたろう)の共通した結論
呼び方は違ったけれども 真太郎は隠れた術者がいると言い きぬえは裏巫女がいると言った
坂浦実保子に力があるように見せかけて「闇」と名乗って 実保子を利用する者がいる
ソレは自分の存在をまだ知られていないと思っている
加佐矢優希が実保子を抑え込んだら ソレは真らが油断していると思いはすまいか
そこにソレの隙が出来はすまいか
竹丘真の住む場所を陽子の陽秀の用事の為に離れて 敵側に誘い込みのスキを作った優希は急いで戻ろうとしていた
闇を作ってしまったのは もともとは人の欲
自分たちの一族が 自分が繁栄するために 犠牲となる者を多く作った
犠牲は恨みを呼ぶ
その犠牲であるはずのきぬの姉妹や きぬえはそれでも自分たちの姉妹や家族 他人を守ろうとして生きた
そんなふうに闇側へついた人間ももとは優しい人間だったのだろうか
故なき犠牲 踏みつけにされて 同じ一族を巴弥都(はやと)本家を呪った
もとは同じ血を引く者達を
いわば巴弥都の影の一族となった者達
巴弥都の血を引く人間を根絶やしにすることを生きがいとし目標とする者達
闇だけでなく彼等は「実体」としても生きた人間としても存在する者がいるはずだった
手段は分からないが きぬえと優希 それから真も もう終わりにしてみせると決めたのだ
奇特にも華守姉弟は未知数の自分たちの力を使ってくれると申し出た
心にのしかかる闇
人に付けこみ 人を取り込もうとする闇
その闇の向う側には生きている人間がいる
その人間を引きずり出すのだ
そして どう戦えばいいのか
そんな闇を操る者と
闇は その向うにいる者は歯ぎしりしている
先祖代々の悲願 恨み 怨み
好きでこんな体に生まれたわけではないのに 断じてないのに
力が足りない 化け物として捨てられた
力が無くなると
まるで忌むべき者のように
存在価値がないと
化け物なら化け物らしくなってやろう
化け物とした相手を滅ぼしてやる
それが彼等の生きる目標となった
この世に存在する
自分たちが何をした
好きでこのように生まれついたのではないのに
化け物らしく より化け物らしくなってやろう
化け物らしく生きてやる
振舞ってやる
怨みは 積み重なった
これまでのお話はこちら↓です 読んでいただけたら嬉しいです
有働由美子さんと井ノ原快彦さんの「あまちゃん」感想が聞けないのがちょっと残念です(笑)
最後のユイちゃんの[やる気スイッチ]が入りかかったような表情も良かった♪
水口さんの琥珀掘り道具を小屋に置いてたベンさん いい笑顔でした
明日も楽しみな「あまちゃん」なのでした
兄として妹を全面的に応援するーと小池徹平さん演じるヒロシさん
先日の兄妹ゲンカの場面のあと 我が家の長男がツイッターで「妹から学生のうちに彼女ぐらい作れよと言われたのを思い出した」と入れていたのを思い出しました(笑)
ユイ「イケメン枠から脱落?」
ヒロシ「うるせえ 元ヤンのくせに!」
なんて場面がありましたよね
舞台となっている東北を直撃しそうな台風 被害が心配です 早くコースが変わってくれますように
今朝早くに 宮城県に住む友人がこちらを案じたメールをくれました
そんな優しい人間が多く住む東北を神様が守って下さいますようにー
「お前 まだ何か隠してないか」胡散臭げにデレクがクリステイーネ デイアンを見る
ブラックリバータウンの人々は 頭が狼の怪物の襲撃にショックを受けていた
彼等は最初{同族}かと思ったのだ
だがー狼怪物達は獰猛で非常識にもブラックリバータウンの住人を襲ってむしゃむしゃと食べたのだ
首引きちぎり 内臓を引き出し ずるずると食らった
男達すら歯が立たず食われた なすすべがなくー
「ありゃあ いったいなんなのだ」
当然の疑問だった
呉坤達(ウークンダー)はしゃべらない
逃げようともせず じっとしている
強気のデレクの妹は小さな女の子を連れて行き檻越しに捕えられた男に言った
「あなた達の仲間がしたことを見て この子は声を言葉を失った
あなた達はこの町をどうしたかったの 何故襲ってきたの」
坤達はじっと話せなくなった女の子を見た
「感情はあるの? あなたには?」
坤達は黙ったままだった
そこでデレクは呉坤達という名前だけでも知っていたデイアンがもっと情報を持っているのではないかとーカマをかけている
八つ当たりと言ってもいい
「昔のあなたは もっと気が長かったのだけれど 前とは人種も違うからー仕方ないか」
「デイアン?」
問われてデイアンは軽く首を振る「なんでもないの ただの感傷よ」
豊かな金色の髪が揺れる カーテンのようにデイアンの表情を隠す
「確かな話ではないのよ 裏がとれた話じゃあない」-と語り始めた
ライアンがパトロールに出て キャスリーンが食事休憩に出た保安官事務所
束の間の二人きり
それでも恋は語れない
女吸血鬼のデイアンと一族を守らないといけないデレクとでは
「少ない成功例の一つが呉坤達
最強軍隊 兵士を創る為におぞましい実験がされた ある国の密命受けた高官がいてね
その男は ただ訓練で強い兵士をつくることに限界を感じていたの
強い獣の動物の遺伝子を人間に組み込めないか また死なない人間 ゾンビを人工的につくろうとした
映画に影響受けてかしら
ところがゾンビは丈夫なだけの劣悪なモノしかできず
それは人間の命令はきかなかった
命令には服従 命令には疑問を持たない
命令にだけ忠実な
自分で考えることはしない使い捨ての兵士 そうしたものと
命令に従うし 自分でもその命令を遂行することだけは考えられる士官をつくろうと
その結果がアレ
人間とゾンビと何かわからないもののいっぱい組み合わさった人食い
しかも性欲もあるー」
「変態だな」
「悪趣味なーね」そうデイアンはうなずく
デレクに話しながら デイアンは全く違うことを考えていた
彼女が考えていたのは
ー時々 泣いて縋ることができれば それができるのならどんなに楽かと考える
あの時も あの時も 泣けないままだ
泣きそうになれば他のことを考えてしまう
泣くことから 逃げる
黙り込んでしまう
縋ればいいのだろうか
甘えればいいのだろうか
ねえ 来てよ 会いたいの
そう言ったら あなたは来てくれる 本当に?
問いかけようとして 自分は吸血鬼なのだと思いだす
生きていくには血が必要
それも自分を愛してくれる相手の血なら極上の味
最高のごちそうになる 自分が愛する者の血が
そんなーことは言えない
一緒に来て 一緒に生きて
そんな弱音は吐けないし 甘えられない
だから 気がついて!と思ってしまう
自分の呪われた身を忘れて
あなたの傍にいたなら
早くこのことを片付けて あなたの傍から離れなくては
わたしは 弱くなるー
取り澄ましたクールビューテイ 超然と立つデイアンの外見からは そんな内心の動揺は窺えない
しかもデレクは ある種の問題には ひどく鈍感になる
察しが 悪い
「それで俺たちの一部をさらうのか たとえば子供達とか 実験材料にするために?」
「ええ たぶん」
「襲ってくる相手をやっつけるだけでは いつまでもイタチごっこ 終わらないということか」
「立て直し ここのガードを固めたら もしできるならこちらから攻めるか もしくは もっともっと遠くへ逃げるか」
デイアンの言葉を聞きながら デレクは眉を寄せる
たぶん敵の本拠地は化け物の巣だ
自分ひとりで勝てるとは思えない
だがーやらなければ
こちらは いつか全滅させられる
自分たちにだって 生きる権利はあるはずだ
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