![]() | 銀漢の賦 (文春文庫) |
葉室 麟 | |
文藝春秋 |
父親が斬り殺されて家督を相続した小弥太 母親の自害 庇ってくれた藤森の叔父も切腹 かれらの死を背負い いつしか生れついた性格とは違う生き方をし非情の選択もしてきたー養子に入り現在の名前を松浦将監
付き合いも途絶えて久しい若き日の親友の日下部源五
源五には将監斬るべしーとの話も娘婿からもたらされる
将監は余命一年 その命を藩の為に「使い切る」のだと話す
一揆で将監が浮かび上がる契機をつくりながら その命を将監のために取らした十蔵
将監を応援する源五
天の川を銀漢とも言う
自分たちは銀漢だとも思う源五
自分には友がいたーと源五に告げる将監
事を成し遂げて 将監は死んだ
若き日の友 十蔵と将監と死に 一人残った源五
この源五に思いよせる若い女の存在が 物語に明るさとユーモラスな雰囲気も加えている
良質な時代小説 剣戟あり 友情あり 源五の周辺はちょっとー家族誰も死なずーほっとさせてくれます
安心して読めて俗っぽく落ちない小説ーと言うかな
良さは 面白さは「読んで感じて」ほしいと思う一冊です