![]() | 夜鳴きめし屋 (光文社時代小説文庫) |
宇江佐 真理 | |
光文社 |
「ひょうたん」の本所五間堀の古道具屋・鳳来堂を営む音松とお鈴夫婦の一人息子の長五郎を主人公とした物語
夜鳴きめし屋
五間堀の雨
深川贔屓
鰯三昧
秋の花
鐘が鳴る
音松が死んで抜け殻みたいになった母親お鈴が心配で伯父の質屋の手代をしていた長五郎は戻ってくる
古道具屋は無理で 食べていく仕事を 父親の友人に相談
お鈴が料理上手なものだから居酒見世を勧められる
長五郎が煮炊きを覚えた頃 お鈴が死んで
それからひとり商いをする長五郎
客の芸者の駒奴から 幼馴染のみさ吉が子供を抱えて芸者に戻っていることを教えられる
一度だけー
身に覚えはある長五郎
あいつは俺の子供かいー
みさ吉になかなか訊けない長五郎
まとまるやらまとまらぬやら
そして店の客のあれこれー
いろいろあって
意地っ張りのみさ吉は 長五郎がちょっと強くおしてくれるのを待っていた
この人はほんとうに あたしのことが好きかしらー
じれったい想いも うんとしたに違いない
回り道をして やあっとこさ夫婦になる 家族になる
長五郎とみさ吉と その子供の惣助と
宇江佐真理さんの作家としての達者さに 読みながら ひたすら「うまいなあ」と感嘆します