![]() | あるキング: 完全版 (新潮文庫) |
伊坂 幸太郎 | |
新潮社 |
優勝にはほど遠い最下位がほぼ定位置のようなプロ野球球団の「仙醍キングス」
その仙醍キングスのフアンの山田夫婦に男の子が生まれた
名選手で監督にもなり仙醍キングスに骨を埋めたような男が死んだ日に その男の子王求は生まれている
夫婦は自分たちの息子が球界の王となると信じて育てていく
息子を害しかねない人間は排除してー
努力もし才能にも恵まれた王求
しかし彼は平たんな道は進めなかった
物語は彼の死で終わる
そして別の誰かの誕生と共に
終わらない物語ともいえるかもしれない
この本が特異なのは 連載された雑誌バージョン ハードカバー・バージョン そして文庫バージョンと同じ「あるキング」が3バージョンとも収録されていることだ
筋は同じ 多少演出が異なる
それについては著者のあとがきにかえたインタビューで明らかにされている
私の感想をいうなら 雑誌版が小説としては一番面白かった
読み物としては素直に