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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

高田郁著「蓮花(れんか)の契り   出世花」(ハルキ文庫)

2015-06-24 23:39:44 | 本と雑誌
蓮花の契り 出世花 (ハルキ文庫 た 19-14 時代小説文庫)
高田 郁
角川春樹事務所



真ず帯から前作「出世花」の紹介を引き写します
{不義密通の大罪を犯した妻を討つため、矢萩源九郎は幼いお艶を連れて旅に出た。 ふたりは行き倒れ、源九郎は落命するも、一命をとりとめたお艶は、青泉寺の住職から「縁」という名をもらい、新たな人生を歩むことにー。
悲境な運命を背負いながらも、真っ直ぐに自らの道を進む「縁」の成長を描いた、著者渾身のデビュー作}


それから「みをつくし料理帖」シリーズを完結させ 他の小説も発表した著者が7年経って 書き上げたのが この「蓮花の契り」
その後の縁の物語

著者のあとがきによればー
「いつかその悲しみの癒える日が巡ってくることを心から祈っています。あなたの悲しみに、この物語が届きますように」


そして裏表紙にある作品紹介は
{下落合で弔いを専門とする墓寺、青泉寺。お縁は「三昧聖(さんまいひじり)」としてその湯灌場に立ち、死者の無念や心残りを取り除くように、優しい手で亡骸を洗い清める。そんな三昧聖の湯灌を望む者は多く、夢中で働くうちに、お縁は二十二歳になっていた。
だが文化三年から翌年にかけて、江戸の街は大きな不幸に見舞われ、それに伴い、お縁にまつわるひとびと、そしてお縁自身の運命の歯車が狂い始める。
実母お香との真の和解はあるのか、そして正念との関係に新たな展開はあるのか。
お縁にとっての真の幸せとは何か。
生きることの意味を問う物語、堂々の完結}


著者は縁に「艶」であることは許さなかった

ストイックに ただ人のために生きる道を選ばせた

装えばいくらでも美しくなるであろう娘に 


むしろ いたましいほどにも思える人生を

自己犠牲もまた美しいか 
そういう運命のもとに生まれた娘であるという物語か


清く潔くー

そして孤独

尼僧となるお縁は二十四歳ー


若い日の決断を後悔する時もありはしまいか?
などとも思うのだ



堀江純子ノベライズ「呪怨 ザ・フアイナル」(角川ホラー文庫)

2015-06-24 16:27:06 | 本と雑誌
呪怨 ザ・ファイナル (角川ホラー文庫)
堀江 純子
KADOKAWA/角川書店



29歳の生野麻衣は 32歳の優しい恋人の北村奏太と共に幸せに暮らしていた

しかし不思議な夢を見る 夢を見たのは午前2時

2歳下の妹の結衣は夢の中で指で渦巻をかいていた


ーおわらないー



その日から 麻衣と奏太は怪異に襲われる

念願の教師になれたはずなのに 行方不明になった結衣

不登校の少年トシオ


猫の声の白い少年
長い髪の恐ろしい顔の女


ーこどもがほしい こどもがほしい こどもがほしいー
妄執にとらわれた女が宿した子供はー
産まれた男の子は 家庭を破壊した

男の子「トシオ」を産んだ女の伽椰子も殺され


それでも「トシオ」に執着する トシオから離れない

トシオの中のトシオ

ついてくる子供



呪怨ー強い怨念を抱いたまま死んだモノの呪い それは死んだモノが生前に執着していた場所に蓄積され「業」となる
その呪いに触れたモノは命を失い 新たな呪いが生まれる


ならばこの呪いに触れて死んだモノがいる限り 「終わらない」

まだ殺す途中ーということになる


関わったモノは皆殺しにされて終わるのだ


映画は 永遠に創り続けることができる
この設定ならば


誰も助からない


映画の中で トシオと伽椰子は「殺し続ける」ことができる

狡い設定と言える

理屈も何もない トシオと伽椰子に狙われたらー逃げられはしないーのだ

彼等を避ける為の護符はないから


終わりにはできない物語


トシオと伽椰子に殺された人間達の無念の想いが トシオと伽椰子を襲って復讐するーということは ないのだろうか

伽椰子は無敵なのだろうか

堂場瞬一著「over the edge(オーバー・ジ・エッジ)」 (ハヤカワ文庫JA)

2015-06-24 10:15:49 | 本と雑誌
over the edge (ハヤカワ文庫JA)
堂場 瞬一
早川書房







ESU(ニューヨーク市警緊急出動部隊)の分隊長のモーリス・ブラウンは かつての戦友のドナルド・ホワイトが行方不明になったことで IT企業「ラーガ」のCEOのラオから相談を受けていた

日本進出の足掛かりとしてホワイトは支社を作る為に日本で仕事しておりー唐突に連絡がとれなくなったと


視察で来日したブラウンは子供の頃に日本に住んでおり 読むことは無理だが話すことでは日本語の不自由は余り無かった

ホワイトについての聞き込みを始めたブラウンは複数の人間に襲われる

その急場に現れた元刑事の濱崎は 「面白そうだ」とブラウンにつきまとい 協力するーと言う

濱崎を信用できないブラウン

それでも協力して ホワイトが消えた理由とその行方を捜すのだがー

ブラウンにホワイト捜しを依頼したラオの様子が変わる

ブラウンは襲撃を受け拘束された

事件に絡んでいるのが 自分が警察をやめなくてはいけない原因を作った男と知る濱崎


彼はブラウンが捕えられている場所を突き止め 飛び込んだ




ずっと濱崎を認めなかったブラウンだが 空港で言う
「感謝するよ、相棒(バデイ)」




白井久明(弁護士さんとか)氏の解説によれば シリーズ第二弾も刊行されるようです