夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

柴田錬三郎著「猿飛佐助 真田十勇士」 (文春文庫)

2017-08-17 22:28:05 | 本と雑誌
猿飛佐助 真田十勇士 (文春文庫)
柴田 錬三郎
文藝春秋



前説
猿飛佐助
霧隠才蔵
三好清海入道
柳生新三郎
百々地三太夫
豊臣小太郎
淀君
岩見重太郎


8編からなる連作短編集
奇想天外な伝奇小説も得意とした柴田錬三郎大先生 解説の伊東潤氏によればこれはその一番脂がのった頃の作品だそうだ

猿飛佐助が武田勝頼の血を引く者という設定ながら野心などは持っておらず真田幸村の命に従い忠実に動く者として描かれている
「猿飛佐助」以降の話は幸村の命に従い動くうちに関わる者たちの話となる

最後の岩見重太郎の話のみは多少明るくユーモアもあるが 殆どは器用には生きられない しかも非凡な腕を持つがゆえに悲劇へと突っ走るような人間達の物語

虚無
ニヒリズム
作中には乾いたエロスも

一世を風靡したのは眠狂四郎シリーズではあるけれど多くの作品を世に送り出した作家さん
テレビ番組にも出演し 毒舌もはくけれど「優しい人だな」そんな印象を持っておりました

高校生ぐらいから作品を読み始め 若い頃よく読んだ作家さんでもあります