夢見るババアの雑談室

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垣根涼介著「光秀の定理」(角川文庫)

2017-08-25 23:20:32 | 本と雑誌
光秀の定理 (角川文庫)
垣根 涼介
KADOKAWA



明智光秀は仕える主人の織田信長を「敵は本能寺にあり!」と襲い殺したが 後に殺された
信長を滅ぼしてのち11日しか持たなかった為に 「三日天下」などとも言われる

織田信長は明智光秀の人間性を好まず よく悪しざまに罵った為に明智光秀はそれを恨みに思っていたとか
天下統一を成し遂げたあとの織田信長をいう人物の人間性を恐れたとか
まあ 色々言われている

何故 明智光秀が織田信長を本能寺に襲ったか その真実は結局誰にも分るまいと思う

この本は物語の終盤で若い頃の光秀が知り合った二人の架空の人物を通してその動機について考えさせる
それも当の明智光秀が死んで十五年が過ぎてから

二人の人物とは愚息と名乗る僧と剣の理を究めんとする新九郎
その昔 金もなく辻斬りをしようとした新九郎と その新九郎を止めていた愚息
光秀にも新九郎は辻斬りを仕掛けた

それが出会い

奇妙な縁は様々な事柄で続いていった

愚息が道端でしていた四つの碗の賭け
この謎がいくら考えても新九郎も光秀も解けなかった
どうして愚息が勝てるのか


この四つの碗で勝つ方法は ある戦いにおいて光秀に勝利をもたらす

もしも織田信長が明智光秀に殺されなかったら どういう世の中になっていただろう
一つだけは言える
徳川家康が天下を取り 江戸幕府が開かれることはなかっただろう


浄土真宗のある僧侶は 現代でも言った
「信長は敵(かたき)だと」

織田信長という男 明智光秀に殺された事は日本にとって良かったのか

それとも殺されず天下統一を成し遂げて生き続けた方が 日本の為には良かったのだろうか
どちら なのだろう