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レビュー一覧は、こちらから。
ソヌとジディは、剣を向けつつも、お互いの正直な胸の内を語りました。
「心の中で、何度もお前を殺した。俺の無二の親友を死なせた許しがたい奴だから。だが、ついぞ殺せなかった。お前が王だと確信しても信じたくない自分がいた。」
涙を浮かべながらその言葉を聞いたジディ。
次の瞬間、構えていた剣を捨てました。
「私を殺して終わるなら、斬れ。だが、私を殺せば、全部終わるのか?」
と、ジディは問いかけました。
ジディ・・・チヌン王を殺したら、この世から身分違いによる苦しみや憎しみ、争いが無くなるのかと言う事です。
そんな事はありません。
又別の権力者が現れ、横暴に振る舞うのは目に見えています。
「お前と共に神国を作り変えたかった。」
と、ジディは言いました。
身分制度により人命が失われるような事の無い国を作りたかったし、狭い国を出て三国統一の夢を描きたかった・・・と。
ソヌがさっと剣を振り下ろしました。
ジディの手頸の飾りが切られて落ちました。ジディの手も切れたようです。血が滴り落ちました。
「これで俺たちに貸し借りはなくなった。」
と、ソヌが言いました。
パク・ヨンシルはチヌン王を廃し、ソヌを王座に据えようと画策しています。
ソヌという“王”を据えるのではなく、名文を供えたソヌを傀儡を据えようと言う事なんです。王とは名ばかりで、自分たちが権力を牛耳ろうと言う事です。
ソヌは、フィギョン公と共にヨンシルを訪ね、ヨンシルの力を借りようとは思わないと言いました。花郎と共に事を成し遂げると。
ただその後、ヨンシルたちに自分を王に推戴してくれればよいと。
そして、ジディもまた花郎を自分のモノとして王座に就こうと考えていました。
また、ジディはアロを源花という名目で宮中に軟禁状態にしました。
ある日、スホは、侍女がジソ大后のお茶に何かを混入させているのを目撃。
ジソ大后に、密かにその旨を伝え、お茶を飲まないように・・・と進言したのです。そして、それでも飲もうとするのを取り上げ、自ら飲みほしました。
すぐには効かない毒だ・・・とジソ大后。
知っていたのです。
スホの前で吐血もしました。それでも、内密に・・・とジソ大后は命じたのです。
ジディは、王の服装をし、仙門に赴き、花郎たちの前に立ちました。
見違えるような姿に、皆、驚きました。
でも、そこにソヌが現れ、言いました。花郎がどちらにつくか、それは自由だと。
「王を支えるかどうかは、我々が決めることだ。選ばれる自信が無いのですか?」
一見すると、ソヌがチヌン王に対して反旗を翻したように見えました。花郎たちも、戸惑いました。
でもね、ソヌの気持ちは既に固まっていたのです。
スンミョンに対する態度が一変しました。
以前のような無礼な態度ではなく、きちんと王女に対する礼をつくしました。
それは、スンミョンの気持ちを受け入れる事は出来ないというきっぱりとした意思表示でもありました。
スホから毒の事を聞いたジディ。
すぐさま、ジソ大后の元に行き、侍女を断罪しました。容赦はしませんでした。
崩れるように座り込んで、何故敢えて飲んだのかとジソ大后に問うたジディ。
「知った時には既に手遅れだった。茶を拒んだら、連中は他の手を遣う筈。」
「逃げれば良かったではないですか大后の地位など捨てて、国など捨てて。」
「逃げたかった。だが、これが私の運命だ。守りたいモノがあるなら、強くなれ。それでこそ、戦える。人の心など信じるな。王はそうあるべきだ。」
ジディは母の膝に縋って泣きました。
これが自分を守る母の愛情だと痛いほど分かったでしょうから。
ウィファ公は、花郎たちを前に言いました。
「お前たちの選択が新たな神国を築く事になると信じている。また、このような決断を下せるほどお前たちは成長した筈だ。ある者はこれを“謀反”と呼び、ある者は“責務”と呼ぶやもしれぬ。選ぶのはお前たちだ。この国を根本から変える花郎になるか、何も為し得ぬ存在になるか。選ぶのだ。そして一度選んだら、最後まで己を信じよ。お前たちは花郎だ。己が花郎であることを決して忘れてはならぬ。」
ジディがチヌン王として即位する日になりました。
居並ぶ重臣たち、フィギョン公の前に、ジソ大后、そしてチヌン王が登場しました。
キム氏が宣言しようとした時、それを遮ってパク・ヨンシルが前に出ました。
「まことにその座の主だとお考えで?我々の考えは違います。」
ジソ大后が怒りのあまり、言葉を挟もうとしても、スルーして続けました。
「我々はもう一人の聖骨でフィギョン公の息子であるソヌを王に推戴します。」
言い終えた時、扉が開き、ソヌを先頭にして正装した花郎たちが入って来ました。
ジソ大后も、緊張と不安に襲われました。
パク・ヨンシルだけがほくそ笑む感じです。
ジソ大后の護衛のスホも列に加わりました。それを見た父のキム氏は、慌てた表情です。
この光景を見たら、誰もが反乱・・・と思ったでしょう。花郎は、ソヌに付いた・・・と。
スホが声を挙げました。
「我ら花郎は、本日新たな神国を築く王を選びました。我らはこの場で神国を強固に育て民の意を酌み得る王様に忠誠を誓います」
そして、ソヌ以外の花郎たちは、さっと跪いたのです。
今度はソヌです。
「花郎は、神国の精神で神国とその主君のために忠誠を尽くせ」
この瞬間、パク・ヨンシルは勝ったと思ったでしょう。
ジディの方を、勝ち誇ったように見上げましたから。
でもね、次にソヌが口にしたのはチヌンの名でした。
「チヌン王、万歳」
そして、花郎たちは一斉に叫んだのです。
「チヌン王、万歳」
何度も、何度も・・・。
花郎全員がジディを見つめていました。
ジディもまた、花郎たちを見つめていました。
パク・ヨンシルは唖然としました。
ソヌは、剣をパク・ヨンシルの首に突きつけました。
「王様のお命を狙い、謀反を企てたパク・ヨンシルは、その報いを受けよ。また、この者と同じ考えの者は前に出よ。花郎の剣が容赦せぬ。」
ざわついたパク・ヨンシル派ですが、誰も庇う者はいませんでした。
養子であるパンリュでさえ・・・。
ソヌとジディは、お互いの気持ちを分かり合っていたのでしょう。
最初に王と聖骨の一員として向き合ったあの時に。
ジディが、ソヌと一緒に目指したかった国づくり。それを聞いた時、ソヌは、自分と同じ思いだと言う事を知ったのです。
困難な道だが、やらなければ生きている意味が無いと言ったジディ。
ならば、自分が反対勢力を一掃しよう・・・とソヌは思ったのです。
そして、ジディは新羅第24代チヌン王となったのです。
チヌン王の治世において、新羅全盛期を迎えることになったようですが、それには、チヌン王自身の指導力と共に、花郎の功績も大きかったと言われています。
これが、後の「善徳女王」につながるわけですね。
調べていくと、ドラマの中で耳にした事のある固有名詞が持つ意味を知る事が出来て、興味深いです。
ソヌは、チヌン王の良き友、良き相談相手として生きていくようですね。
そして、ジソ大后は、アンジ公に看取られながら、息を引き取りました。
後悔しながらも迷いながらも、自らの運命を気丈に受け入れて闘った一生でしたね。
統治者としての顔と母としての顔のどちらも、常に苦悩に満ちていました。
ジソ大后とチヌン王の関係は、結構泣けました、あたくし