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キム・ヘジャ=ハン・ジミンさんは、25歳。
アナウンサー志望ですが、特に努力はしてなさそうで、まぁ、無職と言って良いかも。
兄ヨンスも無職です。両親との4人で暮らしています。
父はタクシー運転手。母は美容師。生活においての大黒柱は、母です。
ヘジャには秘密があります。
5才の頃、海岸の砂浜で時計を拾ったのですが、その時計というのが不思議な力を持っているのです。
なんと、時を巻き戻せるのです。
5歳のヘジャは、偶然その力を知り、それからは、密かにその力を何度も利用してきました。
あと5分寝るため、テストの点数をあげるため。
でも、それには、人より速く時間が流れるという代償がついていました。
両親は、そんなヘジャを心配しました。だって、同級生より体が随分大きくなってしまったんですもんね、それも急に。
ヘジャは、結局、時計を使うことを封印したのです。
ヘジャには、これと言った特技がありませんでした。勉強もスポーツもぱっとしません。
将来の夢が持てないヘジャでした。
ある日、兄ヨンスの友人が、ヘジャの声が綺麗だと言いました。有名なアナウンサーに似てる・・・と。
それ以来、目標が出来たのです。アナウンサーになるという。
両親は喜びました。
アナウンサー目指して勉強中と言うことで、就職活動しなくても特に注意もしません。
ヨンスには、厳しく言ってるけど。
でも、ヘジャは少々後ろめたい思いを抱いているようです。だから、母の手伝いをしようとするのですが、母は、手伝ってくれなくて良いと言うんです。
ある日、大学の放送部の同窓会が開かれました。
無職だと言うことで、かなり形見が狭い思いをしたヘジャ。そこに、後輩のソヒョンがやって来ました。
ソヒョンは、有名な放送局の新人アナウンサーです。
ヘジャは余計に劣等感を感じました。ソヒョンはわざとらしくヘジャに願書を出したか聞きました。
ヘジャは、吹っ切ったように軽く言いました。出してないわ、諦めたの・・・と。
ソヒョンは、ヘジャの気持ちを逆撫でするような事ばかり言いました。
昔、ヘジャに発音を何度も訂正されたとか。ヘジャが好きだったジャンホ先輩に会ったとか。告白もしたとか?・・・なんて。
ムカつくヘジャ。
私もムカつきましたわ
でも、その場で怒りを露にすることは、流石に大人げない。
しこたま酔っぱらって無視するしかありませんでした。
ヘジャには親友が二人います。
中華料理屋の娘ヒョンジュとアイドル志望のサンウン。
この二人がいるから、ヘジャは思い通りにならない毎日でも元気にしていられるのです。
ヘジャは、翌週にあるという放送部の合宿には参加するつもりはありませんでした。
劣等感を味わうだけだと思ったし、ジョンホに合わす顔が無いと思ったのです。
実は、ソヒョンの言う通り、ヘジャはジョンホが好きでした。だから、意を決して告白しようとしたのです。
ところが、勇気が出ないからと言う理由で、お酒を混合で飲んで行っちゃったんです。
そしたら、告白する前に、ジョンホに向かって吐いちゃった!
顔を合わせたく無いのも当たり前。
なのに、ジョンホは翌日からも何事も無かったかのように、ヘジャに接してくれたのです。本当に優しい人です。
ジョンホがアナウンサーを辞めて従軍記者になると聞いた時、自分を避けるための嘘だとヘジャは思いました。
でも、ジョンホは本心でそう思い、海外の紛争地域に赴いたのです。今は、もう結婚もしています。
ヘジャは、ジョンホに会いたい気持ちもありました。
でもそういう事情で、躊躇していたのです。
サンウンが言いました。
「私なら会いに行く。外国に住んでいるのなら、めったに会えないもん。」
もう、仕事にも男にも惑わされずに生きて行くわ、だから絶対に行かない!・・・と、言い切ったヘジャなんですが。
やっぱりね、可愛い服装で出掛けて行きましたよ
ジョンホは、少し遅れて参加しました。
彼が連れて来たのがイ・ジュナ=ナム・ジュヒョクssi。
余談ですが。私の場合、“ジュナ”と聞くと、やはり「ラブストーリー」のスンウssiを思い出してしまいます。きっと私だけじゃなく、スンウファンの方は皆さん、そーでしょうね。
業界では、有名らしいです、ジュナ。
どのTV局もアナウンサーに欲しがってると、ヘジャの先輩が言いました。
でも、ジュナ自身は、ジョンホに憧れていて、記者志望なんだとか。
すかさずソヒョンがジュナに近づこうとしましたが、ジュナはあっさりと線を引きました。それが、ヘジャには心地よかったようです。誰もがソヒョンをちやほやしてましたからね。
でもね、ジュナは辛辣でした。
ヘジャが、アナウンサー志望だと言うのに、世界情勢等に疎いのを察したのです。
目指してる理由は?・・・と、ジュナはヘジャに聞きました。
真実を伝えて・・・と答えかけると、それは記者でもできると、ばっさり。
記者じゃカッコつかないから?カッコいいからアナウンサーに?・・・と。
模範回答のような原稿を貰うんじゃなく、自分が読む記事を作ったことはある?現場を肌で感じたことは?
矢継ぎ早に質問を繰り出すジュナに、ヘジャは聞きました、何故聞くんですか?と。
「どんな努力をしているのか知りたくて。」
あなたに答える義務は無いかと・・・と、ヘジャ。痛いところを突かれた感じです。
「勿論、答える義務は無いけど、自分に答えられる努力はすべきじゃ?合格の最低ラインだから、ジョンホ先輩の大切な後輩に話しておきたかったんです。」
ヘジャは、一人で泣きました。
ジュナの言葉は痛いところ、このところ目を瞑って見ないよう、気づかないようにしてきた事を目の前に突きつけました。
落ち込んでいるヘジャに、母が言いました。
「優秀な人は世の中に大勢いるわ。その度に落ち込んでいたら解決するの?いい生き方って何か分かる?優秀な人の間に割り込んで平凡な人も頑張れるよう自分が手本になることよ。優秀じゃなくてもいい生き方は出来るの。」
ヘジャは、忙しい母の代わりに地域のデモに参加しました。
若い人がいないから、喜ばれました。
デモは、老人ホーム建設に反対するもの。
そこで、ヘジャはジュナにばったり。
今、一番会いたくない人でしたが。
将来有望な記者にとっての現場は、こういうのとは違いますか?と、ヘジャ。
あなたの言う歴史的な現場じゃないかもしれないけど、ここはこの人たちの歴史を変えるほど大事な現場です・・・と。
「あなたに言われた事が事実だから、悲しかった。思っていたことを言い当てられて自分がいやになりました。」
でもね、ジュナは取材に来たんじゃなかったのです。
祖母が参加しているので、自分も参加しようと思ったのです。
帰り際、ジュナがヘジャに言いました。
ご近所でしたか、では、また・・・と。
ジュナと祖母は最近引っ越して来たばかりでした。
だから、ヘジャは知らなかったのです。
直後、また、ジュナに会ったヘジャ。
サンウンのアルバイト先であるコンビニに行って、今日のことを話そうと思ったら、なんと、いたのはジュナ。
急な用事で休んだサンウンの代わりに、手伝っていたのです。
「忠告したことを謝ります。」
とジュナは言いました。
さっき、ヘジャがジュナにデモについて言った事は、とても良い記事だったと言いました。
あの時は、あのアナウンサーに腹が立って・・・と、ジュナ。ソヒョンの事です。
ちょっと、嬉しくなったヘジャでした。
それに、お詫びだと言ってコーヒーも奢ってくれました。
こうなると、俄然、勘違いしてしまうヘジャ。
サンウンも、絶対にヘジャの事が好きなんだと言うし。
もしかしたら、ジュナは自分の事が好きなのかも・・・ってね。
そんなある日、先輩から仕事を頼まれたヘジャ。
ところが、それはエロ映画の声優。
流石に断ろうとしましたが、自分の甘さを認識し、割りきることに。そして、何とかアルバイト代を貰うことができたのです。
ヘジャの家は、決して裕福じゃありません。
美容師の母の稼ぎで何とか暮らしている状況。タクシー運転手の父の稼ぎはあてにならないようですね。
美容室のシャンプー台が壊れているのに、修理も躊躇するような状況です。だから、ヘジャは少しでも稼ぎたかったのです。
それを、封筒に入ったまま全額母に手渡しました。
母は初めてのことに感激し、封筒を抱き締めました。
その夜、ヘジャは眠れませんでした。
だから、夜中にうどんを食べに行きました。一緒に焼酎を飲めば眠れると思ったのです。
その店に、ジュナが偶然やって来ました。既に、ヘジャは酔っぱらっていました。
二人は自分のことを話しました。二人とも、それぞれに見た目じゃ分からない悩みや苦しみを抱いていることを知りました。
ヘジャは、ジュナに比べて自分がいかにダメな人間かと思いました。いい加減な生き方をしてきたかを知りました。
後悔していることもそれぞれにありました。
時間を戻せるなら、どうしたい?・・・と、ヘジャが聞きました。
「祖母とは暮らさない。児童施設で暮らすよ。祖母に頼らない。僕がいるせいで苦労をかけたから。」
突然、ヘジャが泣き出しました。
あなたって、本当に可哀想・・・と。
あなたに特別にチャンスをあげる!と言って、ヘジャは例の時計を差し出しました。
「時間を戻せるの!」
ジュナは爆笑しました。
本当よ!と、ヘジャが言うので、じゃぁ、やって!・・・と、ジュナ。
ヘジャは、思いっきり時計のネジを巻き始めました。
どーなるの?