まったり まぎぃ

愉快な仲間たちの事、日常生活で思う事、好きな事あれこれ。

『眩しくて(原題)』完観

2019-07-24 17:08:25 | 韓国ドラマのエトセトラ

レビュー一覧は、こちらから。

 

どこからが夢で、どこまでが現実だったのか、曖昧ではありますが、時間を巻き戻せるという時計こそが、ヘジャの望みだったように思います。

多分、いつもそういう思いを抱いて生きて来たんだろうと。

     

ヘジャは、記者のジュナと結婚し、テサンという息子をもうけました。

ジュナは、我が子の愛し方が分からず、戸惑いを見せました。彼は、ろくでなしの父親の元で愛されずに育ったので、父親として子供をどう愛すれば良いのか、知らなかったのです。

ヘジャは、自分も母親は初めてだと言いました。

だから、2人で一緒に頑張ろうと。

その言葉で、ジュナは救われました。

自分の指を握る赤ん坊、一生懸命に自分に向かって駆けてくる息子を、ジュナは心から愛することが出来ました。

 

ある日、その幸せが壊れてしまいました。

当時、言論統制が厳しかったことで、記者が一斉に逮捕されてしまったのです。

同僚は釈放されましたが、何故かジュナだけが拘留されたままでした。

 

何度も抗議に警察署に行ったヘジャ。

新聞社の上司の抗議もあって、一度は面会も出来ました。

その時、ジュナは傷だらけでした。暴力を振るわれたのは一目瞭然です。

シャネルおばあさんの殺害容疑をかけられたジュナが逮捕された時、ヘジャが血相変えて警官に詰め寄り、暴力を降るってるんじゃないの?!・・・と騒いだのは、この記憶のせいかと思われます。

まぁ、正確に言うと、このシャネルおばあさんの一件もヘジャの夢物語かもしれませんが。

 

この時、ジュナを取り調べていたのが、どうも、あの時計を持ってるおじいさんだったようです。若かりし頃の。

 

突然、ジュナの死亡通知が届きました。

肺炎を起こし、病院に連れていったが、手遅れだったと言われました。

そんなバカな事が!と、ヘジャとヘジャ父とが猛抗議しましたが、もう遅かった。

ところが、遺品の中に、ヘジャがプレゼントした時計が無いのです。

いつも腕にはめていたというのに。

 

あの担当刑事が盗んでいたのです。

刑事の腕にその時計がはめられているのに気がついたヘジャは、狂ったように飛びかかりました。

でも、証拠が無くてね。裏蓋のイニシャルを思い出していたら、取り返せたでしょうが、その時のヘジャに、そんな冷静に考える余裕はありませんでした。

騒動のさなか、刑事の手の甲にはヘジャがかきむしった傷がつきました。

 

ジュナが亡くなり、母と息子二人の生活が始まりました。

追い討ちをかけるような出来事が。

転がったボールを追いかけたテサンが、車に跳ねられて、片足を失ってしまったのです。

 

ヘジャは、テサンを厳しく育てました。

体が不自由になったからと言って、決して甘やかすことはありませんでした。

美容室を開いたヘジャは、朝から晩まで仕事に追われました。

テサンが甘えたくても、その隙が無いほどに働きました。

だから、テサンは、母に愛されていないと思うようになってしまったのです。自分は母にとって厄介者でしかないんだと。

テサンは、足を失ってしまった事のせいか、母への恨みのせいか、反抗期は長く続いたようです。

アルツハイマーになってしまったヘジャを、哀れに思う反面、厄介だとか、苛立つ存在として見てしまう理由は、そこにありました。

 

ヘジャが、テサンが義足だと知って、泣きながら謝ったこと。あれは現実にあったことのようです。

父さん、ごめんなさい・・・と、泣くヘジャを複雑な表情で見ていたテサン。

あれは、息子の自分を父親だと呼んだ事に対しての戸惑いだったのかもしれません。

或いは、事故に遭わせてしまったことへの母親としての後悔、詫びだ思ったのかも。

 

ヘジャの症状はますます進み、分かるのは息子のテサンと親友のヒョンジュくらいになってしまいました。

嫁は既に病院に勤務してる介護職員だと思っています。

テサンは、それを知った時、妻に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

でも、妻は、大丈夫だと言いました。私が分かってるから、いいの・・・と。

 

ある夜、あのおじいさんがヘジャの病室を訪ねて来ました。

泣きながら、時計を返そうとしました。

済まない・・・と。

でも、ヘジャはそれをおじいさんの手に握らせました。

もう必要無かったのでしょうね、ヘジャには。

 

ジュナの法事が行われました。

飾られた写真は、若いジュナ。その時からジュナの時間は止まったままです。

“私の人生は不幸だったと思っていました。悔しい思いでいっぱいでした。でも考えてみたら、あなたとの幸せだった記憶もあるし、不幸だった記憶もある。その記憶のおかげで今まで頑張ってこられたんです。その記憶が消えるかもしれないと思うと、怖くてたまりません。あなたが死んだ日よりも今の方が・・・あなたを忘れてしまうと言うことの方が私にとっては怖いんです”

ヘジャは心で呟きました。

「あなたの好きだった時計を持って来ようと思ったんだけど、やめたわ。残念だった?ごめんなさいね。それから、ずっと寂しかった人を一人で逝かせてしまってごめんなさい。」

若いジュナに向かって、ヘジャは言いました。

 

ある雪の日、突然ヘジャの姿が病室から消えました。

連絡を受けたテサンは、病院に駆けつけ、必死に探しました。

そしたらヘジャは、箒で病院の歩道を掃いているじゃありませんか。

何してるんだ!と、テサンが怒ると、ヘジャは言いました。

「息子は足が不自由なの。雪が降ると通学路が滑るでしょ。」

 

その瞬間、テサンは思い出しました。

雪の日、通学路はいつも掃かれていたことを。そのおかげで、自分は転ぶ事無く通れたということを。

掃いてくれたのは、近所の人だと思っていました。

でも、母だったのです

いつも厳しく当たっていた母だったのです。自分は愛されていないと思ってきたテサン。全然母の気持ちを分かっていなかったことに気づきました。

息子は知らないでしょ・・・と、テサンが言うと、

「知らなくてもいいの。息子が転ばなければそれでいい。」

 

テサンの目から涙がこぼれ落ちました。

着ていた上着をヘジャの肩に着せかけ、抱き締めて泣きました

息子さんは、一度も転ばなかったって、雪が降る日に一度も転んだ事が無いって・・・と。

良かった・・・と、ヘジャは本当に嬉しそうに微笑みました。

 

その姿を見た妻は、夫の肩を優しく撫でました。

我慢しないで泣いていいのよ・・・と。

テサンは、初めて妻の前で感情を露にしました。号泣しました。

 

そして、天気の良い日。

病院の中庭でテサンと話をしながら逝きました。

一番幸せだった日のことを話しながら。

愛するジュナとやっと再会できたのです。

 

“私の人生は、時には不幸だったし時には幸せでした。人生は単なる夢にすぎないと言うけれど、それでも生きられて良かったです。今の生活が苦しいあなた。この世に生まれた以上、そのすべてを毎日楽しむ資格があります。平凡な一日が過ぎて、また平凡な一日が訪れても人生には価値があります。後悔ばかりの過去や不安だらけの未来のせいで、今を台無しにしないでください。眩しいかぎりの今日を生きてください。あなたにはその資格があります。誰かの母親であり姉妹であり、娘であり、そして私だったあなたたちへ・・・”

キム・ヘジャさんが語るからこそ、重い意味深い助言です。

 

予想以上に、素敵な作品でした。

お勧めです

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『眩しくて(原題)』10話まで

2019-07-24 10:29:26 | 韓国ドラマのエトセトラ

レビュー一覧は、こちらから。

泣けた~っ

やっぱり、キム・ヘジャさん、凄いです。オーバーな表現をしなくても、心に沁みて来ます。

 

ヘジャは、ジュナにきちんと別れを告げることが出来、満足していました。

でも、未練が無いわけじゃありません。そう簡単に忘れることなんて出来ません。

ヒョンジュとサンウンは、そんなヘジャを元気づけるために、3人で旅行に行こうと提案。話しはすぐにまとまりました。

 

兄のヨンスは、自分も連れて行ってもらおうと、あれこれ画策。

まんまと車のトランクの荷物の隙間に潜り込んだのですが・・・。

その後に起こった大事件で、結局旅行は延期となり、ヒョンジュの知り合いから借りてたその車は、返されてしまったのです。

トランクに荷物を乗せたままだった・・・と、ヒョンジュたちが思い出したのは、随分後になってから。

事情を知らないヨンスは、トランクに入ったまま、車と共に船に乗せられてしまいました。行き先は、なんと、アフリカだとか。

ヨンス、どーなっちゃうんでしょう。

ま、ヒョンジュとヨンスの関係とか、コメディ満載ですからね。どーにかなるんでしょう。

ヨンスを演じてるソン・ホジュンssi、コメディ、イケます!

 

ジュナは、ホンポ館の地下室に閉じ込められていました。

相当暴行されて傷だらけですが、シャネルおばあさんの保険金は知らないと言い続けているようです。

キム・ヒウォンは、こうなったら、他の老人たちの保険金を狙うしかないと思いました。

で、一気に手に入れようとしたのです。

 

ヘジャは、偶然、ジュナの家の近くに行った時、ずっと明かりが点いたままだということを知りました。

入ってみると、荷物は置きっぱなしで、ジュナの姿はありません。翌朝まで待っても帰って来ません。

不安が募りました。

ホンポ館で聞いても、誰も姿を見ていないと言います。

 

その時、閉めた筈のホンポ館にたくさんの老人が集まっているのを知ったヘジャ。

翌日ハイキングに行くと言うじゃありませんか。

何か、引っ掛かるモノを感じました。

 

あの時計を持っているおじいさんが、必死にヘジャに何かを伝えようとしました。

イ・ジュナ・・・と、必死に声を絞り出そうとするおじいさん。

ヘジャが察して、ジュナがここにいるの?・・・と聞くと、頷きました。

 

ホンポ館には、入ってはいけないと言われた地下室があるのを、ヘジャは知っていました。

そこに通じる暗い階段に、ジュナのブレスレットの一部が落ちているのに気がつきました!

扉には鍵がかかってて、先に進むことは出来ません。

鍵を探しに事務室に行くと、テーブルの上には、老人たちの保険の書類。

キム・ヒウォンの様子等を考え合わせて、ヘジャはひとつの結論に達しました。

キム・ヒウォンたちは、借金の返済のために、老人たちを事故に見せかけて殺して、その保険金を一気に受け取ろうとしていると。

ホンポ館で入った保険の受取人は、全員、キム・ヒウォンにしてありましたから。

 

ヘジャを好きなヒョンおじいさんは、フットワークも軽いけど、頭の回転も早いんです。

ヘジャの疑惑をすぐに理解してくれ、仲間を集めてくれたのです。

皆、保険に加入していない老人たちでした。ハイキングの誘いは彼らにはありませんでした。

これで目的ははっきりしましたね。

 

ここからが、コメディ。

老人たちは、それぞれに得意分野がありました。

何でも懐にしまっているおばあさん、歩くのが超遅いことで、人の動きも超遅くすることができるおばあさん、盲目なので真っ暗な場所でも辺りの状況を感じとる能力にたけているおじいさん、双子のおじいさん、どんな犬でもなつかせる事の出来るおじいさん等々。

それらの一種の特殊能力を駆使して、ヘジャたちはジュナと時計のおじいさんを救出することに成功するんです。

勿論、集められていた保険加入者の老人たちを逃がすのも忘れていません。

 

これが痛快でね。

キム・ヒウォンたちだけじゃなく、彼らが借金してるヤクザの手下たちがたくさんいたのに、まんまと逃げ切ることが出来たんですから。

まぁ、出来すぎの感はありますが、痛快だったので、ヨシとしましょう。

でもね、ヤクザの手下たちも、相手が老人ということで、多少の遠慮が見えるのも面白いところです。こういう世界の人にも、年上の人を敬うという古くからの教えが浸透しているということでしょうか。

 

ヘジャたちは、用意してあったバスに乗り込み、そのまま小旅行に行きました。

海が見えて来ました。

明るい太陽が、沈みかけています。

海が輝いていました。

老人たちは、皆、自分の若かりし頃を思い出していました。

それぞれに若い時があったのを、忘れていました。

今は、見ている夕日のように、沈みかけているのかもしれないけど、自分たちにも高い空で輝いていた時期があったわけです。

 

浜辺に着いて、バスを降りて、海を眺めました。

何も言わず、皆、ただ眺めていました。

その時、時計のおじいさんが、腕から時計を外し、ヘジャに差し出しました。

ヘジャが受け取らなかったので、時計が下に落ちました。

ふと見ると、時計の裏蓋に文字が刻まれていました。

“HJ”

ヘジャとジュナだから“HJ”でしょ・・・と言う、ヘジャ自身の声が聞こえた気がしました。

 

ヘジャの脳裏に、ジュナと自分の結婚式のような映像が浮かびました。

ジュナの腕には、その時計。

強烈な頭痛がヘジャを襲いました。

気づくと、周囲の様子が一変していました。

 

「母さん!」

と叫びながら駆け寄ってくる両親。

お葬式の雰囲気の若いヘジャと子供の姿。

 

ヘジャは救急搬送されていました。そばにいるのは両親。でも、ヘジャを母親と呼んでいます。

ジュナそっくりの主治医もいます。

アルツハイマーでした。

これまで見たのは、夢だったのか、現実だったのか、彼女には分かりませんでした。

若い自分が年老いた夢を見たのか、年老いた自分が若い自分の夢を見たのか・・・。

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『眩しくて(原題)』11話まで

2019-07-24 07:37:27 | 韓国ドラマのエトセトラ

レビュー一覧は、こちらから。

 

キム・ヘジャは、おばあさん。

元美容師で、息子が一人。息子と言うのが、前話までの父親で、嫁が母親です。

そして、夫がジュナ。

 

若かりし頃、ヘジャはジュナを愛し、やっとのことで結婚までこぎ着けました。

決して周囲の反対があったとか言うのではありません。

ジュナがオクテだったんです。

kissもなかなかしてくれないし、プロポーズもなかなか。

ヘジャは、あれやこれやと手を打ちますが、全く上手く行きません。

まぁ、当時とすると、そんなものだったのかもしれませんが。

それでも、ヘジャはジュナと結婚し、幸せでした。

 

そして、親友のヒョンジュとサンウンがいつも一緒でした。

ヒョンジュは、ヘジャの兄ヨンスと結婚し、サンウンは占い師の言葉を信じて名前を変えると、いきなり歌手として売れ始めました。

年をとった今でも人気は衰えていないようです。

 

アルツハイマーとなったヘジャの担当医が、ジュナに瓜二つのキム・サンヒョン。

キム医師は、ヘジャの息子に、辛い宣告をしていました。

治る可能性は無く、進行を遅らせることしかでません・・・と。

 

息子は、妻と離婚しようと思いました。

これまで苦労ばかりかけてきた上に、姑が認知症になってしまって。これ以上負担はかけたくないと思ったのでしょう。

息子から聞いてはいなかったようですが、ヘジャも同じ考えだったようです。

これまで本当に優しく仕えてくれたと嫁にお礼を言いました。

貧しい暮らし、足の不自由な夫という大変な環境で、大変さが分かっていたのに、自分のことで精一杯で全然気を配ってあげられなかった・・・と。

今後は自分の事だけ考えて自由に生きて・・・と、ヘジャ。

どういう選択をしても、私はあなたの味方よ・・・と。

この言葉、娘だったヘジャが母に言った言葉ですね。

 

でもね、嫁は離婚するつもりはありませんでした。

夫が用意した、判を押した離婚届を破り捨てました。泣きながら。

 

嫁も、姑であるヘジャに救われて来たのです。

認知症になったからと捨てられる筈はありませんでした。

でもね、アルツハイマーは徐々に進行していました。

ある日、ヘジャは嫁を認識出来なくなってしまいました。

嫁は、一人、病院の隅で泣きました。

 

ヘジャが入院しているのは、ホンポ館の建物です。

その地下室に、あの時計をはめているおじいさんが入院しています。

キム医師は、ヘジャを地下室に行かせないようにと、息子に注意していました。

その理由は分かりません。

でも、ある夜、ヘジャは階段を降りて地下室に入って行ったのです。

おじいさんの腕には、あの時計がはめられていました。

 

実は、その時計は、ヘジャが逆プロポーズするために買ったモノでした。

だから、ジュナの腕にあったのです。

 

いったいどういうこと?

ここに来て、時間の前後があって、本当の話の流れがどこにあるのか、分からなくなりそうです。

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