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韓流ラブストーリー完全ガイド 純な心号 (COSMIC MOOK) |
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レビュー一覧は、こちらから。
決して明るいストーリーじゃないのですが、結構くすっと笑わせてくれるシーンが多いです。
70歳のヘジャを演じてるキム・ヘジャさんが、やっぱり巧い!シリアスな演技からコミカル演技まで、本当に巧い!
まぁ、演技達者な方たちばかりなので、悲壮なストーリーを温かく見せてくれます。
ヘジャは、死ぬしか無いと思い込んでいました。
だから、両親に置き手紙をして、屋上から飛び降りようとしたのです。
ところが、屋上のフェンスを乗り越えようとしたら、靴が脱げちゃった。
落ちた靴は、下にいたジュナの頭に当たりました。
そこから落ちても死ねませんよ!・・・と、ジュナ。
せいぜい骨折して寝たきりになるくらいで、家族に介護で一生苦労させますよ。寿命を全うした方が家族は楽に暮らせます・・・と。
だから、死なないで生きてくださいとね。
ヘジャはそこで死ぬことを断念しました。
家族だって、そう簡単に受け入れられるもんじゃありません。
兄は戸惑いながらも、徐々に受け入れられるようになっています。姿を見ると、やはり年長者への敬意を表してしまいそうになるのですが、喋ると妹ヘジャです。以前と同じように接することが出来るようになりました。
やはり、混乱しているのは両親です。
娘だと頭では理解しようとするのですが、目の前には初老の女性。親として不憫でたまらないし、娘だと受け入れたくない気持ちと、信じなければと思う気持ち。
この先どうやって生きていけば良いのだろうかという不安。現実的に、社会生活がこれまでと同じように出来るのだろうかという心配もあるでしょう。
ノー天気な兄とは違って、やはり親なりの不安と哀れみ、悲しみが渦巻いているに違いありません。
爆発しそうな感情を、両親は必死に押さえつけていました。
ジュナも、鬱々とした日々を送っていました。
心配した近所のハルモニたちがオカズを持ってきてくれたりしていましたが、こちらも一切反応無しです。
生きるためにアルバイトには行くけど、人との関わりを一切絶ってしまった感じです。
ある夜、ヘジャはこっそりと部屋を出て、町を歩きました。
そして、行きつけの食堂で、いつものようにうどんを頼みました。
そこに、ジュナが入って来たのです。
焼酎を飲みまくるジュナの姿を見て、ヘジャは怒りが湧いて来ました。
何に悩んでいるのか知らないけど、私の方が、ずっと苦しいんだから!と、ヘジャは思いました。私に死ぬなと言っておいて、その死にそうな顔は何?・・・と。
思わず立ち上がってジュナの傍に行き、ばしっと後頭部を叩きました。
「偉そうに!何が辛いのよ!ふざけないで!」
そう言って、そのまま店を出ていきました。あっけにとられるジュナでした。
ある朝、用意してあった食事に相変わらず手をつけていなかったヘジャに、とうとう母の堪忍袋の緒が切れました。
鍵をこじ開けてヘジャの部屋に入った母は、泣きながらヘジャを叱りました。心の問題じゃなく、今は体の方が心配だとね。
そして、無理矢理部屋から連れ出し、髪を染めてあげました。
母より先に老けた娘と、髪を染める母という状況を思うと、地獄みたいだとヘジャは思いました。母も泣いていました。
このまま老いた姿を家族に見せ続けるのは酷だとヘジャは思いました。
家を出ました。
ところが、途中で怪しい女性2人に騙されそうになったりした挙げ句、荷物を全て盗まれてしまったのです。
警察に届け出たら、今度は自分の身元がばれそうになっちゃうし。ばれたら家に連絡され、連れ戻されるのは確実。
家は無い、ホームレスだと言い張りました。そして、隙を見て、警察署から逃げ出したのです。見かけはこうでも、実は25歳ですから、考えは瞬発力あります。
でもね、逃げ出したものの、親切なタクシー運転手によって、また警察署に送り届けられてしまったのです。
相変わらず身元を言わないヘジャに、警官たちも手を焼きました。
ところが、そこに、偶然ジュナが。どうも、あのろくでなしの父親が告訴したようです。自作自演の暴行罪の事ですよね。
それを相談に来たみたいですね。
ヘジャが揉めてる声を聞いたジュナは、すぐに先日自分を叩いた老女だと気づきました。
同じ町の人です・・・と、ジュナ。で、結局、二人一緒に町まで送り届けられてしまいました。
丁度その時、兄がヘジャを探しに出てきたのとばったり。
あっさりと兄に引き渡されてしまったヘジャでした。
ところで、兄のヨンスですが。相変わらず無職で、youtuberっぽい事をしてます。
まだ全然稼ぎには結び付いてないようですが。
ヘジャは、一歩歩き出そうと決心しました。
部屋から出て、両親にきちんと挨拶をし、思いを伝えました。
「親孝行を一度もしないまま老いてしまって、とんだ親不孝だわ。洗濯や料理、掃除は私が手伝う。まだ体は動くから。母さん、病院に連れて行って。今の体が何歳か知りたいの。」
両親の表情は複雑でした。
生きようとしてるのは嬉しいけど、やはり年老いた姿を見るのは辛いでしょうから。
特に、父は母より表情が暗いです。
病院での検査は、母の伯母の名前を使って受けました。
伯母は78歳。体年齢はずっと若いと言われ、期待したら、65歳だと。
おめでとうございますと言う若い医師に、思わず掴みかかろうとしてしまったヘジャでした。
特に、肝機能は青年レベルだと医師。それが55歳
また掴みかかろうとしちゃうヘジャでした。
55歳が青年なら、あなたは赤ん坊なの?!・・・と言って
ジュナは就職が決まったようです。
お祝いに・・・と、キム・ヒウォンがスーツと時計をプレゼントしてくれました。
彼は、いったいジュナとどういう関係なんでしょう。
時計を選んでいるとき、ジュナはふと思い出しました。ヘジャが時を巻き戻せる時計だと酔っ払って言ってたのを。
最後に会った姿も思い出しました。誰かをどうしても助けたいと悩んでいたのを。
ジュナは、キム・ヒウォンに言いました。
自分を分かってくれる人が近くにすんでいるというだけで心が慰められる・・・と。
そういう町、ここが初めてだと。
父がヘジャに眼鏡を買ってくれました。
元々優しい父です。
でも、ヘジャは気づいていました。一度も笑ってくれないことを。
自分でもまだ慣れない姿です。父がまだ慣れないのも仕方が無いと思いました。
「受け入れようと思うの、この事を。だて、大切なものを取り戻すためには仕方がなかったから。それだけの価値があると思う。」
それは何だ?と、父が聞きました。
「秘密。」
と、ヘジャ。
いつか、それが自分の事だったと、父は知るのでしょうか。
父は、事故以来、タクシー運転手の仕事を辞め、警備員として働いているようです。足が不自由になっています。それがヘジャには心配でした。
ヘジャの姿で父にあれこれと心配する言葉をかけると、どうしても年老いた母親が息子を心配する形にしか見えません。
父親にとっては、混乱しても仕方がないかと思います。
ヒョンジュとサンウンは、ヘジャが突然ドイツに行ったというのは、怪しいと感じていました。
絶対になにかあると。
で、美容室の周辺を探るのですが、情報はつかめません。
それを知ったヘジャは、自分の口で説明するしかないと考えました。
ヒョンジュとサンウンは泣きました。
なかなか姿には慣れないけど、中身はヘジャだと感じました。
3人は以前と変わらない関係になれそうです。
ジュナは・・・まだまだ立ち直れていません。