レビュー一覧は、こちらから。
チャン刑事の妻がカン刑事たちと話をしているのを、ナムチーム長は見ていました。
でも、どういう要件だったのかまでは予想できなかったようです。
チャン刑事の妻が、聞きました。あの時計は誰の物ですか?と。
自分の事も、カン刑事に話したと聞き、ナムチーム長は、ため息をつきました。事は更に厄介になって来たと思いました。
直後に連絡を入れた相手は、誰
ムン署長は、2チームの面々に釘を刺しました。
カン刑事は裏切り者だと。手を貸すなということですね。
この時点で、ジヒョク以外は、イ・デチョルの再審に関わっていると知っている者はチームにもいなかったんです。
仕方なく、現在抱えてる事件の捜査に勤しむことに。
でも、それを終えた時点で、彼らはカン刑事の家に集まったのです。勿論、内緒で。
カン刑事は2チームから配置換えされてしまいました。一介の警官と言う立場で、留置所の監視なんぞをする部署に移されてしまったのです。
カン刑事は、素直に応じました。
しかし、再審の準備は続けました。
2チームのメンバーが協力してくれ、活動がしやすくなりました。
キム元地検長は、裁判記事を読んでいました。オ・ジョンテの事だと察していました。
新しい証拠があると言われ会いに来ていたチン記者。
それを問うと、
「もうすぐ耳に入るだろう。」
と、キム元地検長が言いました。あのデチョルのアリバイを証明する映像も、キム元地検長が送って来たものなの見落としたのかしら?あたくし。
全て知ってて、小出しにするって感じよね、キム元地検長って。
チン記者に音声ファイルが添付されたメールが届きました。
なんと、チョン検事とムン署長の会話です。
デチョルの無実を証明する証拠を、チョン検事の命令で隠したとムン署長が話しています。
決定的な不正の証拠です。
これを、ユ・ジョンソクに聞かれてしまいました。
これで再審で優位に立てると興奮するチン記者と対照的に、ユ・ジョンソクは冷静に聞きました、誰から手に入れた?と。
一瞬躊躇したチン記者ですが、相手が信頼している部長ですから、答えました。キム元地検長だと。
「記事を出そう。明日すぐに。うちの独占で行く。だから誰にも録音ファイルを聞かせるな。」
ユ・ジョンソクが言いました。
チン記者は喜び、記事を挙げました。
しかし、ユ・ジョンソクは庁長に報告していましたけど?・・・。
いったいどこまで波紋が広がるのどんどん隠れていた関係者が出てくるような気がします。
カン刑事たちは、2審に向けて緻密な捜査をしていました。
すると、見落としていたこと、元々調べてもいなかった事実が次々と判明。
ウネも、言わないでいた大事な事実が一つありました。忘れていたのかもしれません。重要な事だとは思ってなくて。
ユン・ジソンの遺体発見後、デチョルの配達車に同乗していたウネは、父が車を離れた時、男が荷台のドアを開けたのを目撃していたのです。
顔を覚えているか?とカン刑事に聞かれましたが、相手が帽子を目深にかぶっていたこと、一瞬だったこと、時間が経ってしまった事等の理由から、思い出せません。
いくら、自分の証言に父が無罪になるかどうかがかかっていると言われても、思い出せ無いのは仕方がありません。
その様子を見ていたジヒョクは、幼い頃の自分と被りました。
ジヒョクも、父を殺した犯人を見たのは彼だけだったので、刑事からしつこく聞かれていたのです。しかし、思い出せませんでした。今でも自己嫌悪や罪悪感に苛まれる要因となっていました。
荷台を開けた男・・・ナムチーム長でした。
チン記者の記事、結局、紙面に載る事はありませんでした。
怒ったチン記者はユ・ジョンソクに猛抗議しました。
「編集会議で決まった。」
と、ユ・ジョンソクは事も無げに言いました。
「無力な弱者のために書くと言いましたよね。父が無力な時、誰も父の話を聞かなかった時、部長が記事を書いて、私にそう言った。それなのにどうして記事を出さなかったのですか。」
君の父親が弱者だから書いたと?君の父親が属していた組織が弱かったからだ・・・とユ・ジョンソク。
「だが今回は警察と検察だ。音声ファイルが公開されたら尻尾を切るだろう。だが組織の根幹に手を出すヤツは許さない。デチョルが再審で勝てると思うのか?警察と検察は圧力を強め、イ・デチョル側だった人は全てこの世の底に落ちるだろう。君もだ。」
覚悟してるとしたら?とチン記者。
「君の記事を載せる紙面は無い。」
ここで沈黙したら、一生後悔するとチン記者が言うと、君だけが後悔すると思うなとユ・ジョンソクは言いました。
2審の日になりました。
その日証言するはずのチャン刑事の妻が姿を消しました。
土壇場でおじけづいたのです。
チョ・ソンデの車でクォン刑事たちの監視をまいて、空港に向かいました。
カン刑事に謝罪の電話を入れました。娘まで危険な目に遭いそうで・・・と謝りました。
仕方ない・・・とカン刑事は納得するしかありませんでした。
しかし、このままでは終わらせられないと更に強く思いました。
法廷では、ユン・ジソンの恋人コ・ジュンソプが証言をしていました。
あの時計についてです。
ジソンのアトリエで見たと言いました。ジソンは、ジョンテが置いて行ったモノだと言ったと。
その後、ユン・ジソンの遺体が遺棄された同じ日に、ジョンテが現場近くで飲酒運転で検挙されていることをソ弁護士が指摘。これによって、ホテルにいたと言うアリバイは崩れました。
再度遺棄現場に戻ろうとした理由が、この時計だと言いました。
現場で時計を発見したのは、ナムチーム長だと。
しかし、証拠はありません。
ここでチャン刑事の妻の証言があればその主張が証明されたのですが・・・。それは無理です。
結局、ソ弁護士の主張はともかく、その時計の持ち主がオ・ジョンテだということ、それを拾って懐に入れたのがナムチーム長だという証明は出来ませんでした。
もう一つ、ウネが目撃した人物についての質問になりました。
イ・デチョルのトラックから被害者の髪の毛が発見されたという件です。清掃した筈の荷台から髪の毛が見つかると言うのは、捏造された証拠と言えます。
しかし、ウネは人物の顔を思い出すことは出来ませんでした。
服装は覚えていましたが、顔ははっきりと見えていなかったのです。
ナムチーム長の当時の映像を見せられました。ウネが言う人物と似た服装をしていました。
もしかしたら、嘘をつく事も出来たかもしれません。ナムチーム長がそうだと言えたかもしれません。
でも、ウネは嘘をつきませんでした。わかりません・・・と言いました。
デチョルも、そんな正直で曲がった事の出来ない娘に、笑顔で頷いて見せました。
大丈夫だ、大丈夫だ・・・と。
傍聴していたチン記者は、自分が持っている決定的な証拠を握りしめました。
これを出せば、形勢は一気にデチョル有利に傾くのは分かっています。
でも、そうしませんでした。
気分は最悪でした。
鬱憤を晴らすように、ジヒョクをお酒に誘いました。まぁ、ジヒョクはお酒を飲めないので、ジュースで付き合うだけですけどね。勿論、支払いはジヒョクです。
デチョルもウネもいい人過ぎる・・・とチン記者。お人よしじゃ勝てない・・・と。
「だからって、負けない。次の裁判ではカン刑事が証言するから勝算はある。」
自棄に突っかかってくるチン記者の様子が、ジヒョクは引っ掛かりました。
何か新しい証拠でも?と聞きました。
でも、チン記者は、いいえと即答。人は自分の人生が大切なものよ・・・と言いました。
「刑事が好きなら、私に感謝して。刑事を続けさせてくれてありがとうって。」
泣き出しそうな表情のチン記者でした。
「自分の人生は大切だ。でも他人の人生が自分の人生を決める時がある。」
と、ジヒョクは言いました。
ユ・ジョンソクはキム元地検長に会いに行きました。
何が望みですか?と聞きました。そして、パンドラの箱を開けましたね・・・と。
「希望を抱かない様、僕がその箱を閉める。生きていられるように息のできる穴は開けておく。」
キム元地検長は、余裕の表情を見せていましたが、内心はどうだったでしょうね。
デチョルを何としても死刑にしたい側にとっては、今の所裁判は不利に進んでいます。
でもね、密かにあちこちに手を打っていました。
例えば、ユン捜査官。そして、イ・デチョル本人に・・・。
法律のプロにとって、デチョルのようなド素人を罠にはめるのは容易いことでした。
世間話をするようにチョン検事はデチョルに法の網をかいくぐる策を囁きました。強制するのではなく、要らない知恵をつけるといった体です。
3度目の裁判で、カン刑事は証言台に立ちました。警官の制服を着て。
ムン署長は激怒して止めるよう脅しましたが、そんな言葉、今のカン刑事には何の効き目もありません。
ありのままに、当時の捜査の不十分さを証言しました。
イ・デチョルを無実だと今は思っていると言いました。
チャン刑事が殺された凶器を失くした時間があったということも、証言しました。捏造される可能性があるということを。
そして、失くしたのは、自分だと。
チョン検事が質問しました。
非難と処罰を覚悟してまで、何故、この話を?と。
「僕は非難と処罰で済みますが、誰かにとっては生死に関わる問題だからです。」
法廷が感動に包まれた時、ユン捜査官が証人として入って来ました。
カン刑事たちにとっては想定外です。
ユン捜査官は、散々カン刑事をほめたたえました。人権弁護士ならぬ、人権刑事だ・・・と言う風に。
その上で、凶器を失くしたのは自分だと証言したのです。
つまり、後輩思いのカン刑事が自分を庇ったんだと。そして、凶器は自分の車のトランクに入れてあったのを忘れていただけだと。
チョン検事は、理性より感情が先走るカン刑事がウネの境遇に同情しての証言だと主張したのです。
カン刑事は傍聴席で怒りに震えていました。
「ユン・サンミ。凶器はムン署長が見つけただろ何故嘘をつく」
先輩の誤解です・・・と、ユン捜査官。
裁判の行方は一気に混とんとして来ました。
ここまで上手く進んでいたのに、ソ弁護士も思わず頭を抱えました。
それを見たデチョル立ち上がって陳述の許可を求めました。ソ弁護士、カン刑事、ウネ、ジヒョクの顔を見つめて言いました。
「ユン・ジソンは殺していません。ですが、チャン刑事は私が殺しました。僕が犯人だと言うので、カッとなって。偶発的だったんです。刑事を殺すなんて。」
偶発的殺人は最高刑にはなりませんと、チョン検事が以前囁いていたんですよ、デチョルに。その言葉を信じて罠にかかってしまったんです、デチョル。
チョン検事が言いました。
「被告人、5年前にもそう言いましたよね。刑事だけ殺したと言ってくれと。そうしたら法廷で罪を認めると。そんなのは通じないと言ったでしょう。神聖な法廷を冒涜することだと。」
この言葉を聞いて、デチョルはハメられたと気付きましたが、もう遅かった・・・。
カン刑事たちも、呆然としてしまいました。ショックでした。
項垂れて出て来たジヒョクに、チン記者が言いました。
「最初から決まっていたのよ。誰のせいでもない。」
ジヒョク、その言葉が引っ掛かったようです。
デチョルの死刑執行が決まりました。
僕のせいです・・・とデチョルはカン刑事に謝りました。
「何も悪くない、お前は悪くない。無実だ。」
と、カン刑事。
「僕の望みは一つでした。一人でも信じてくれる人がいたらいい。望んだ以上でした。」
と、カン刑事とジヒョクを見ました。
ウネが・・・と言いかけると、ウネも分かっていますとジヒョクが言いました。
デチョルは嬉しそうに頷きました。
デチョルは泣きながらカン刑事の手を握りました。カン刑事も泣きながら言いました。済まない・・・と。
「ウネの結婚式で手を繋いでくれますよね。さよなら、兄さん。」
刑場に向かうデチョルは、ちゃんと歩く事も出来ませんでした。
腰が立たないのです。
ある場所に来た時、看守が黙って立ち止まりました。手を放しました。
窓の外にウネの姿が見えました。カン刑事が手を繋いでいます。
何も言葉はかけませんでしたが、黙って泣きながら見つめる父と娘。
デチョルは、そこからしっかりとした足取りになりました。
胸を張って刑場に向かったのです。
もう会う事はありませんよね・・・とオ・ジョンテがナムチーム長に言いました。
新しい時計を差し出しました。
「チャン刑事は誰が殺したんですか?」
もしかしたら、ナムチーム長