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ソヨンはパニックになりました。
これはもう女性だという事を認めなくてはいけない事実ですから。魂が男であれ・・・。
大喜びで浮かれる周囲を見ると、腹が立って来ました。自分の気も知らずということですね。
で、哲宗共々部屋から追い出し、一人になりました。
「私は元々独身主義だ。仮に結婚しても子供は絶対に作らない。一人で生きるのも大変なのに子供だと?銃弾飛び交う戦場で防弾服を脱ぐのと同じだ。しかも妊娠と出産は寿命を縮める。私の命を子供にやるのと同じだ。何故大切な命を他人にやるんだ?自然の摂理なんてクソくらえだ」
と、大騒ぎ。
ファジンは大妃に決別を宣言しました。
もう大妃がどんな言葉で操ろうとしても、揺らぐことはありませんでした。
ソヨンの懐妊は、宮廷を揺るがしました。
大王大妃、大妃、ファジン、皆が驚きました。
そして、ビョンインは衝撃を受けました。
ソヨン父は、資産を民に分け与え、生きる気力を失くしていました。一族からも見放されていますからね。
そんなところに、ソヨン懐妊の知らせです。
一気に天にも昇る心地となりました。
すぐさま、たくさんの贈り物を届けて来ました。
哲宗は、相変わらずソヨンの気持ちが理解出来ません。
誰に聞いても相談しても、正解と思える答えはもらえません。
その時気づいたのです。ソヨンを理解出来るのは自分だけだと。
ファジンは自分を取り戻していました。自分の道を行こうと決めたのです。
哲宗への想いは変わりませんが、哲宗のソヨンへの想いはちゃんと認めていました。
だから、懐妊の知らせに動揺はしましたが、それは一瞬のことで、永平君が心配してやってきた時も、凛とした姿を見せました。
そして、チョ氏一族の長である右議政を訪ね、キム氏一族との提携に反対の意思を告げました。正しい選択をしなさいと。
ソヨンは相変わらず不機嫌なままですが、チェ尚宮による胎教が始まりました。
例によって厳しいチェ尚宮。
全てはお腹の子のためと、朝から晩まで教育されるソヨン。ラーメンも食べることを許されなくなってしまいました。気晴らしも出来ません。
政治の表舞台を退いたキム・ジャグン。
息子のビョンインの事が気にかかるようです。ソヨンへの想いも知っているので、今回の懐妊では大きなショックを受けているだろうと予想しています。
食事はしているのか、家に帰ってきて寝なさいと言いましたが、ビョンインはスルー。
分かりづらいんだけど、ジャグンのビョンインへの想いは、血の繋がった大切な息子と同じように見えます。
イライラして機嫌が悪いソヨンのために、哲宗は馬で遠乗りを提案。
チェ尚宮が懐妊中の身には危険だと止めましたが、敢えて哲宗について行ったソヨンでした。
いやホント、大丈夫なのと、思いましたよ、あたしゃ
哲宗は王室の別荘のようなところに連れて行きました。
どうしてソヨンが怒ったのか考えてみた・・・と哲宗。
「分かりませんでした。なので、ただ受け入れることにしました。皆には目出度い事でも王妃には違う。王妃はそう言う人なのだと。」
哲宗が今のソヨンの気持ちを理解出来る筈はありません。でも、ありのままに自分を受け入れてくれる哲宗に、心が休まったソヨンです。
それにしてもこの大事な時に妊娠だなんて・・・とソヨンが呟くと、哲宗が言いました。
「心配しないように。必ずや朝鮮をむしばむ病巣を取り除きます。この国を受け継ぐ我が子のためにも。」
その言葉で、一気に俗物ボンファンが蘇りました。
この子が王になって国を受け継いだら、私は絶対的な権力者だって
ならば、この子に王宮で生き残るための真の胎教をせねばです。
ソヨンは胎教日記を書き始めました。
『宮廷で生き残るためには、味方を作りなさい。
敵であるほど身近に置きなさい。
必ず裏金を作りなさい。お金で権力も買える。
一番重要な事は、味方でない者は、全員片付けなさい。人生は実戦。この世はジャングル。血みどろの闘い。殺戮のパーティ。
平和のための努力をしても望みが無い場合は手段を選ばず勝ちなさい』
流石ソヨンの教えですな
これを読んだ哲宗は、思わず笑ってしまいました。ソヨンらしいと思ったのでしょう。
一方、身分を偽って禁衛営の兵となっていた兵たちは、命を助けられ、地方に散っていました。
そこで、民に紛れて生活していました。
民の中から兵を募り、鍛えていたようです。
で、地方の役所を襲い、長だけを殺し、理由となった罪を書き連ねた文書を置いて行くと言う行動をしていたのです。
兵書も作り上げ、それを元に訓練を重ねているようです。
大妃がまたソヨンを陥れようとしました。
以前、ファジンが腹立ちまぎれに哲宗との共寝は嘘だと大妃にぶちまけちゃったことを利用したのです。
その時は、ファジンを好きなソヨンが、ファジンに誤解されないために打ち明けたわけですけどね。
共寝は偽装だ、ソヨンのお腹の子は哲宗の子じゃないという噂はあっという間に宮廷中に広まりました。
哲宗とソヨンの耳にも入りました。
宮廷では噂というのも馬鹿には出来ません。根拠のない噂で廃位されることもあり得るんだとか。
こうなったら、廃位は何としても止めなくてはと、ソヨン。
女官や内官の見てるのを承知で・・・いえいえ、敢えて見せつけるように、哲宗となシーンを演じたのです。それも濃厚な・・・
噂は打ち消せそうですね
ファジンがソヨンに会いに来ました。
「王様と共に大臣たちと闘って勝つ自信がありますか?」
と、ファジンが問いました。
「私の闘いでもあるし勝つべき理由もある。」
と、ソヨン。
ファジンは、ならば・・・と自分の弓矢を差し出しました。
「では、弓を練習なさいませ。今の腕前では荷物になるだけです。」
ファジンに教えてほしいとソヨンが言うと、そんな時間は無いとファジンが答えました。
ファジンは哲宗に廃位を願い出ました。
「ここでは己を取り戻せません。私らしく生きられるよう廃位してほしいのです。」
哲宗は突然の事に驚き、混乱しました。
しかし、哲宗が何と言おうとファジンの決心は変わりませんでした。
お互い大切に思ってはいますが、これは恋情ではありません・・・とファジンが言いました。
許すしか哲宗には出来ませんでした。
永平君は激怒しました。
哲宗がファジンを裏切ったとしか思えません。ソヨンのせいだと思いました。
ファジンが王宮を出ようとしたとき、止めに来ました。
皆のためです・・・とファジンが言いました。
そして、永平君の気持ちに気づいていたと言いました。
「その気持ちを利用しました。王様に愛されぬ寂しさを永平君で埋めました。感謝しています。そして申し訳ありませんでした。永平君も間違った恋情はもうおやめください。」
哲宗も、自分への怒りを感じていたようです。
体を痛め付けるしか解消法はありませんでした。
永平君は、ファジンの想いと自分の怒りを哲宗にぶつけました。
ソヨンも哲宗のショックを理解していました。
どれほど落ち込んでいるか、心配でした。
大妃は、大王大妃に噂をチクりに行きました。自ら流した噂を、自ら伝えることで、発端が自分だと思われないためです。
「王妃のお腹の子は王孫じゃありません。キム・ビョンインの子です。」
おいっ
衝撃を受ける大王大妃の顔が見たかった大妃ですが、当てが外れました。
大王大妃は、ラッキーとでも言いそうな表情を浮かべたのです。
「面白い。」
大王大妃がビョンインを呼び出しました。
「私は命より家門が大切だ。家門のために生きている。そなたはどうだ?」
同じです・・・とビョンイン。
「ならば、家門のために何でもするか?」
はい・・・とビョンイン。
「ならば、王妃の首を持ってこい。命令だ。王妃は我々の家門の名誉を粉々に砕いた。」
ビョンインは、姿勢を改め、大王大妃に頭を下げました。
「どうか、善処を」
大王大妃は、大妃から聞いたばかりの噂を突きつけました。
事実ではありませんと、ビョンインは必死に言いました。
「皆が信じれば事実になる。」
と、大王大妃。
それでも、ビョンインは出来ないと、代わりに自分が罰を受けると言いましたが、大王大妃には通じません。
「そなたは家門ためではなく、王妃のために生きているのだなならば、別の者にやらせる。」
その瞬間、ビョンインが叫びました。
「ただちに垂簾聴政を再開させます」
大王大妃が望んでいたのは、これだったの
ソヨン母の形見の書物の中に書かれていた文。てっきりファジンの落書きかと思っていたのですが、違いましたね。哲宗が書き込んだ東匪の暗号だったのです。
ビョンインはそれに気づいていました。
その事実を哲宗に明かしました。
「王と王妃が危険な思想に染まり、国を危うくしている、こういう危機感を持てば、両班は民の半分を殺してでも今の朝鮮を守ろうとするはず。東匪の虐殺が始まります。」
哲宗はビョンインの首を掴み、剣を突きつけました。
ならば、何故私の所に来た?と哲宗。
「王妃様が傷つくからです。キム一族は王妃様を狙っています。噂を口実に王妃様を殺す気です。」
私が阻止すると、哲宗が言いましたが、ビョンインは、阻止できませんと言いました。
「今命を救ったとしても、一族が王妃様を責めたてれば王妃様は苦渋を味わいます。王妃様のみならず、王孫様もです。」
哲宗、ビョンインの言葉が間違いじゃないと分かっています。剣を下ろしました。
今なら王妃様を救えます・・・とビョンイン。
「民乱の制圧です。王様自ら東匪を始末するのです。国を守るために王様が出征したら誰も王妃様を糾弾しません。また、東匪を斬って無関係だと証明すれば書物の暗号は脅威になりません。」
これが、王妃様とお腹のお子様を救う唯一の道です・・・。
哲宗は、その道が唯一の道だとは確信が持てなかったかもしれません。時間があれば、もっと別の道があると分かったかもしれません。
でも、時間がありませんでした。
哲宗は、自分を慰めるために待っていたのに、寝てしまったソヨンを見ました。
それだけで心が癒されました。
大王大妃に出征を告げに行きました。
留守の間、国政を担ってください・・・と。そして、王妃とお腹の子も守ってやってください・・・と。
垂簾聴政を再開するための策でもあったのね。
永平君とホン別監が慌てて駆け付けました。
哲宗は暗号がビョンインにばれたと言いました。自分が行かなければ多くの者が傷つく・・・と。
一人で行くのが条件だと哲宗は言いました。
見え見えの罠です。
永平君は、これもソヨンがビョンインにばらしたせいだと誤解しました。
斬るべきは、民ではなく、王妃ですと言いました。
哲宗は怒りを込めて言いました。
「王妃は私のために一族を捨てました。敵ではありません。今私が行かねば王妃は死にます。私が助かろうとすれば、皆が死にます。」
ソヨンが目ざめた時、哲宗は既に馬上にありました。
知らせを受けて必死に哲宗を追ったソヨン。
ソヨンの呼ぶ声が聞こえた哲宗ですが、振り向きませんでした。
山道に差し掛かった時、哲宗の前に、ビョンインが現れました。