都会から離島に研修医としてやってきた新実。
真面目で、医師としての使命感に燃える新実は、それまで自分が学んだり見聞きしてきた医療とは全く違う医療に戸惑います。
積極的な治療こそが、医師としての役目だと新実は考えていました。
しかし、この離島では、無理な延命や無理な治療はしないと言う考え方が根付いています。
人は死ぬものなんだと言う意識が、島民の中にも医療従事者の中にも根底にあるのです。
ここで言う無理な延命や無理な治療というのは、私たちが考える普通の医療の姿です。
つまり、早期発見のための検診とか、予防とかですね。
作品の中で指摘されているように、検診や予防による良い点は声高に主張されていますが、それによる弊害等のマイナス面は語られていないのが現状です。
だからと言って、検診を否定するわけでも予防を無駄だと言うわけでもありませんが、プラス面とマイナス面の両方あることに気が付かされたことは、とても良かったと思いました。
新実も、戸惑いながら、悩みながら、自分の歩むべき道を探します。
素朴な離島の島民たちとの触れ合いから、何かを学んでいく新人医師の物語という私の想像は、あっさり覆されてしまいました。
なるほどと、思わされる内容でした。
お勧めです
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