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年月が経ち、ドギムはすっかり宮女として一人前となっていました。まだ見習いではありますが。
英祖に言ったように、達筆なことで知られる存在のようです。
女性らしさには程遠く、その日も王宮内を駆け回っていました。
で、足を滑らせて崖を転がり落ちた時、その先にいたのが、サン。
何と、サンもろとも池に落ちてしまいました。
死罪に値するほどの失態
ところが、サンはドギムに反省文を書くようにと言っただけ。
そんなことで許されるの・・・と、ドギムはほっとしました。
でも、その話を聞いたサンの妹たちは、何やらドギムを憐れみのこもった眼で見つめていました。
その理由をドギムが知ったのは、その後のことでした。
当時、都では、民が虎に襲われるという事件が多発していました。
なのに、漢城府や捕盗庁は何の対応もしていません。
サンは、じっとしていられず、自ら虎退治をしようと考えています。
自分を護衛するための翊衛司の兵を使おうと考えているのですが、それには英祖の許可が必要でした。
そして英祖は、それを許可しないのです。
ある夜、東宮殿に矢文が射かけられました。
『罪人の子は王にはなれない』と、書かれていました。
怒りに震えるサンが動こうとするのを、ドンノが押えました。
英祖に知られたら、どうなるかわからないからと。
ドギムは東宮殿の書庫で書物を書き写す仕事をしています。単に書き写すのではなく、解読しながらなので、まぁ、言うならば解説書みたいなもんかしら?
仕事というよりは、アルバイト的なもののようですが。
ある日、隣の建物から講義の声が聞こえてきました。
教授たちが世孫サンと学問を論じていたのです。
サンは宮女たちから恐れられていました。気難しいとか怖いとか。
でも、その討論を聞く分には、ドギムには世孫がとても立派な人に思えました。
突然書庫に一人の男性が入って来ました、ずかずかと。サンです。
世孫の顔を知らないドギムには、無礼な人としか思えない言動です。
サンは、矢文の一件があったので、周囲に怪しい者がいないか探るためだったのですけどね。
ドギムは初対面が最悪な印象だったので、サンが来るたびに小競り合いなんぞをしてしまいました。
が、少しずつ理解ができ、サンはふとした瞬間に昔会った幼い宮女のことを思い出したりしました。
しかし、この時点でサンは世孫だとは名乗らず、ドンノの名前を借りてしまいました。
実はドンノは宮女たちから優しさとハンサムな容貌で絶大な人気を得ていました。
実物は、ずいぶん噂とは違うとドギムは思いました。
それを口に出すもんだから、サンは余計にムカついてしまうんです。
ドンノがサンに気分転換をさせたいと、宮女たちが祭りの準備をしているところを見せに連れて行きました。
準備も進んだところで、ドギムの朗読が始まりました。
サンはそれがドギムだと分かったかな