ノーベル賞は山中教授のIPS細胞作成という、人類初の偉業に対して与えるために設けたようなものだ。世界中の科学者が夢の目標として、競っていた。それを日本人が達成したことは、大変誇らしい。今回受賞できたことは、今後の山中教授の研究の後押しとして良かった。
人間がIPS細胞を作るようになってからの歴史は大きく変わる。大げさでなくIPS細胞 開発後という年代ができてもおかしくは無い。BC AC の代わりにBY AY(例えば、山中教授がIPS細胞製造でノーベル賞を受賞した時を起源とする)を用いると、遠い遠い将来、どれだけ人類の歴史の分岐点になったかが分かる。
当面、心臓、眼、肝臓などの臓器再生、難病治療がターゲットになるが、最終ステージは永遠の生命だろう。
生命の制限は細胞分裂の回数(細胞は分裂するたびにテロメアが短くなり、50回が限度とされている)、神経細胞の寿命にかかっている。とりわけ、神経細胞の寿命が120年なので、120歳というのは年齢の限度と考えられている。臓器が再生できても、脳神経がもたないのでは、人間たる所以 自分そのものは失われてしまう。
実験では劣化した脳細胞にES細胞を付着させると、脳神経が回復した例があるそうだ。希望が持てる。是非、国も強力に支援し、実際の治療に展開できるよう、尽力してもらいたい。