21世紀、高度に発展した人類社会にとっても、最後に残された科学最大の謎、フロンティアは「生命」と「宇宙」であろう。「沈みゆく日本の救済」を合わせると私が追いかけている3つのテーマとなる。
何度も書いたが、私が立てた循環宇宙論、戦略的進化論は1,000年後、常識になっているに違いない。その根拠として、新たな科学情報が発表される度にこの2仮説が証明に近づいている事を指摘できる。何でもないようでこれは凄い事。
ビッグバン宇宙論にとって致命的だったのは3人のノーベル物理学者が発表した宇宙膨張速度の加速度化だった。当初のビッグバン理論では、無から宇宙卵が生じ、爆発的に大膨張、やがて宇宙の膨張速度が低下し、ある瞬間から収縮し始める。
ところが、実際は膨張速度が加速しているので、つじつま合わせにダークエネルギー説が出された。元々、宇宙卵が無から生じ、現在の規模になること自体が無理だが、ダークエネルギーは更に無理が有る。
宇宙は実に光速の3倍の速度で膨張し、しかも速度が加速されている。宇宙の端は今まで何も無かった空間を進み、新たな空間で大銀河クラスが秒単位でぼこぼこ湧いて来ることになる。流石に宇宙物理学者も説明が出来なくなっている。
私の循環宇宙論では、ブラックホールが主役。物質を吸収し、巨大化したブラックホールどうしが衝突し、物質を吐き出して拡散するという、圧縮と拡散の循環を繰り返すモデル。我々は永遠の移ろいの中にいる。
進化論については、この夏、入門の医学書などを読み進み、ますます戦略的進化論の立証性が高まる事に気付いた。例えば、有力視されている中立説と自然選択説の組み合わせであるが、中立説を読めば読むほど疑問が湧く。
進化の中立性とは、遺伝子がランダムに変化する事を示す。進化方向でもなく、非化方向でもなく、中立に遺伝子が変化して、強いものが生き残る。しかし、実は、ランダムな変化は進化どころか必ず分解に向かう。
何故かと言えば、進化方向と非進化方向と書くと、進化方向の確率が高いような錯覚を覚えるが、実際には進化に向かう遺伝子記号の組み合わせが実現する確率は極めて低い。進化は分子数が多く高度な方向に向かっている。
分かり易い例では積み木が何故か高く高く積みあがるようなものだ。自然の法則に反している。その中の一つもしくは複数の積み木を入れ替えた場合、更に高く積みあがる可能性は小さく、むしろ崩れる可能性が高い。
次回の電気学会に発表する内容を出したくないが、例えばこういうことだ。遺伝子の小さな変化では確かにランダム(中立)な変化が見られるかもしれない。しかし、マクロな変遷は、種の保存や環境適応を目指した明らかな方向付けが有る。
遺伝子解析で変遷が明らかになっているが、完成された遺伝子がコピーされ更に重複コピーされ、重複を繰り返してできた遺伝子の塊はシャッフル(混成)され、新たな生体システムを創造している。
生体の神秘は解明しきれない。大腸菌のような原始的な単細胞でさえ、内部ではDNAからRNAの鋳型取り、信号読み取り、材料となるアミノ酸の取り寄せ、組み立て、仕上げ加工、品質検査、不良品の解体、指定場所への配達・・まるで大規模なタンパク質の生産工場だ。
戦略的進化論(仮説)では、更にいくつかの小仮説を立ててきたが、書籍を読むうちにいくつかは立証されていることが分かり、一方で、仮説の立てられていない空白の大きさを感じた。
今年の電気学会発表で、座長から工学的なサジェスチョンを求められたが《タイトルが「ESCL(循環論理の評価システム)が推進する進化およびESCLの観点から考察した宇宙の循環性 」で工学とかけ離れているとの指摘》、電気通信工学の適用による進化メカニズム解明の必要性を感じている。
発表内容は紹介できないが、例えば、遺伝子の変遷はまさしくソフト(プログラム)開発だ。単細胞時代に完成した小ソフトを多細胞時代には応用し、様々に組み合わせて進化を遂げている。
疑問は誰がどうやって?という事になる。あたかも神様の手が存在したような状況だが論理的ではない。そこで、私の提唱している戦略的進化論が更にバージョンアップされて登場する事になる。