IWC総会(国際捕鯨委員会)は南極海での調査捕鯨に関し、毎年の科学委員会に加え、隔年開催の総会でも計画審査が必要だとのニュージーランド案を採択した。いよいよ、日本は追い詰められたのだが、政府は調査捕鯨を強行する計画だ。
調査捕鯨の強行は実に愚かしい。先の大戦前も、日本は背伸びしてアメリカやイギリスと戦力を競い、アメリカとは対立を深め、ABCD包囲網を敷かれ、経済やエネルギー資源で追い詰められた。そこで無謀にもアメリカとの戦いを挑んで始まった。
一方で、中国は日本の占領による被害者を強調し、うまくアメリカをそそのかし対日戦争へ誘導して日本を破滅させた。更に、戦後、中国はピンポン外交で、アメリカを引き寄せ、たぶらかせ、アメリカ対外政策の大転換を実現させた。
アメリカは共産党一党独裁国を世界の工場にしてしまった。アメリカは日本政府の尻を叩き、大半の日本製造企業を中国に立地させた。このように中国は日本から資金とノウハウを引き出させる楽な戦略で急成長し、21世紀の覇者となろうとしている。
言っとくけど、調査捕鯨を強行しても何の得にもならんし、日本が孤立する道筋を作るばかりだ。日本人はクジラを食べてきた食文化が有るが、クジラが食べられなくて深刻な事態にはならないが、世界との対立は深刻な事態をもたらす。
IWCではお互いが裏で政治的な活動を繰り広げ負けたんだから、負けたことを率直に認め、一旦は引き下がり、ニュージーランドのジョン・キー首相と握手したらよい。安倍首相とニュージーランド首相との握手映像が世界に発信させられる。
その際、クジラ大牧場計画を提唱したらよい。相手が受け入れ可能な案で、実質的な勝利を勝ち取る。対立する中ではお互い冷静な考えも判断もできない。対立だけが増長し、憎しみ合い、建設的な話にならない。
何故、日本が譲れないか?特に官僚の頑固さが影響している。官僚は巧みにマスコミ操作し、日本人のナショナリズムを煽る。日本の正義を振りかざすと、欧米とは意見が全く相いれなくなるから、対立は深くならざるを得ない。
先の大戦で戦争に突入させたのも軍事官僚。官僚は自分が正しいと信じ、間違いは認めない。従って、官僚も日本も一度走り出したら止まらない。あまりにも硬直的すぎて深刻な事態を招く。ここはしたたかに、表面的な勝ち負けより、実を取るべきだろう。