Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ドビュッシーとの散歩

2016-03-14 10:11:29 | 読書
青柳いづみこ 中公文庫(2016/2).

Amazon 内容紹介*****
ドビュッシーの演奏・解釈の第一人者が、偏愛するピアノ作品40曲に寄せたエッセイ集。その音楽の先進性や東洋趣味まで、軽やかな文体で綴る。 *****

ヤマハ会員情報誌「音遊人 ミュージン」連載に書き足して,2012/9 に刊行されたものの文庫化.

40編の最初が「亜麻色の髪の乙女」で,島谷ひとみが歌う「亜麻色の長い髪の...」の引用から始まる.解説 (小沼純一) もこの出だしに触れているが,そーゆー本である.ちなみに「雨の庭」の枕には欧陽菲菲,八代亜紀も登場する.

「しかも月は廃寺に落ちる」,講習会でこの曲を弾いたら,ドビュッシーの前でもピアノを弾いたことがあるというおばあちゃん先生が「なってない !」と叫んだのだそうだ「あなたのはまっ平らです」.しかしこのタイトルの結びは「欧米のピアニストがドビュッシーを弾くと,せっかく作曲家が平面的な音楽を目指しているのに無理矢理立体的にしようとして妙なことになることが多い」.要するに,おばあちゃん先生(イヴォンヌ ルフェビュール)に反論しているのでした.
曰く「ドビュッシーの美意識にぴったりはまるのは,むしろ私たち東洋人の感性なのだ」.

全体に文章がうまくて,聴かなくても音楽を聴いた気になれる.
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