Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

画材店の閉店廃業

2016-03-21 08:50:08 | お絵かき
今年早々,こっそり CD 絵のマイクロ個展をやらせていただいたギャラリーが廃業宣言.
告知は http://www.gallery-yokota.show-buy.jp

寝耳に水 !!

2月にここで紹介した大成大輔さんはこの西条店のスタッフ.
画材販売・貸し展示スペース以外に,個展・グルーブ展・団体展への大型作品の搬出搬入展示などでもお世話になっていた.J 子など たちまち困ることになる.

当市には大学もあり,人口も増えているはずなのに,次々と画材店が撤退し,ついにゼロになったようだ.

こういう店は地方文化の担い手なんだけど...
アベノミクスの所為かどうかは知りません.
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打楽器アンサンブル ミュージアムコンサート

2016-03-20 08:37:25 | 新音律


広島大学教育学部音楽文科系コース打楽器専攻生 HUPPs (Hiroshima University Percussion PlayerS によるコンサート@広島大学総合博物館.
図の楽器を6人が代わる代わる演奏した.4人は4年生とのこと.皆これから音楽で食べていくのだろう.

プログラムに奏者の配置図が印刷されているという,ゆき届きぶり.
よく知っている曲では ジブリのメドレー,カーペンターズのメドレー,ヴイヴァルディ「四季」より,ボサノバの Wave,Omens of Love
初めてだったのは El Mosquito Marron, Venin, アンコールは ラ・バンバ

Venin はこの日はコンピュータで操作されるロボットという演出.この世界ではわりにポピュラーらしく,Youtube にいろいろな録画があった.これはKosmosというグループの演奏だが,すごく HUPPs の二人に雰囲気が似ている.



椅子が足りなくなるほどの盛況.お子様が多く,いい雰囲気.
館長が最初にも最後にもご挨拶なさるのは,如何なものかと思うが,当地ではそれを皆期待しているらしい.
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追いコン ゴジラ / キングコング

2016-03-19 10:54:11 | ジャズ
恒例の大学ジャズ研の追い出しコンパ? コンサート? 今年は楽器を運搬していただいて狂宴に参加した.全部で 3 バンドのうちの1つで,お付き合いいただいたのはN川(tb),S田(b),T中(ds), M尾(p).M尾は大学院に進むが,後の 4 人はめでたく ? 社会進出する.写真は残りの2バンド.左の写真のピアニストは右の写真右端のくらやみに写っております.

それぞれのバンドに主催者=後輩がカッコよくふざけた名前をつけてくださったのだが,忘れてしまった.

われわれの曲目は
1 ゴジラ (伊福部昭)
2 キングコング (Franj Zappa)
3 New York 19 (Joh Lewis)
4 Way back home (Wilton Felder)

1.2 はメドレー.1 はヴアイブが4拍子と5拍子ゴジラのテーマを呪術的に繰り返すのをバックにしてのフリージャズ.2 はフラット5個つきで,ヴァイブのアドリブは半音音板だけをでたらめにたたいていれば良い.難しく言えばメロディはミクソリディアン? 作曲したザッパはロック畑だが,発言も音楽もとんがっているところ,ジャズ界でいえばミンガスみたい.

3 は MJQ の隠れ名曲.十年以上まえ?の C.S 吉嬢の採譜したのを使わせていただいた.AABA でサビの B では A メロがそのまま半音下がるのだが,A と B のつなぎ目がギクシャクしてしまった.MJQ のアレンジを踏襲し,テーマの提示にヴァイブ・ピアノ・ベースが次々と現れ,またソロが終わった後もこの3つがドラムスとフリーに演奏するはずであったが,結果は酔いどれ.

4 はクルセイダーズの曲.作曲したウィルトン・フェルダーは昨年 74歳でこの世から追い出されていた.個人的にも,思いがけない年賀欠礼とか,同窓会からの通知では,誰それは腰が曲がったとか,誰それはボケたとか....
それはそうと,この曲,学園祭の Back Home Band に良さそう.
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武士の料理帖

2016-03-18 08:29:30 | 読書
柏田 道夫, 毎日コミュニケーションズ (マイコミ新書 2011/5).

5 年前の出版だが,図書館で発見.著者は映画「武士の家計簿」の脚本家.そのためか,タイトルは「武士の...」だが,この本に限っては下級武士を含めた「江戸庶民の...」と言い換えた方が良い.

260 ページ余に 20 編の短編小説が詰め込まれている.タイトルは,筍ご飯,鯉のあらい,うな丼,稲荷鮨,みそ田楽,....それぞれに「賄随筆-まかないエッセイ」というコラムが 2 ページずつで,タイトルの食についての薀蓄が披露される.赤穂浪士の討ち入り・桜田門外の変が取り入れられていたりする.

あとがきで著者は
江戸時代は...庶民や下級武士たちは特に不自由な生き方を強いられました.けれども,賢いリサイクル・エコ社会であったり...飽食時代よりはるかに,人生の味をわかっていたのかもしれません.これが全編に折り込んだ隠し味的なテーマでした...」
と書いている.

長さもちょうどよく,人情噺とか講談とかにして,高座にかけたら良さそうなものが多数.ぼく的ベストは殿様が愛玩する鑑賞魚を食べてしまう「鯉のあらい」.
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Musimathics という本

2016-03-16 20:03:45 | 新音律


Gareth Loy, "Musimathics: The Mathematical Foundations of Music", The MIT Press (2011/8) ,

I, II の二巻構成だが入手したのは I だけ,それぞれの内容はこの本のホームページにあり,正誤表もここにある.I は古典的な音楽,II はデジタル音楽が対象と思う.

物理の世界には,ジャクソンの電磁気学とか,ボルン - ウォルフの光学の原理とか,その分野のことが何でも書いてある教科書がある.この本も I だけで 500 ページ近いので,その手の本かと期待した.

全 9 章プラス付録という構成.1-8 章は類書あり.しかし実に 120 ページを第9章の Composition and Methodology が占めていた.この部分が著者として最も力を入れたところと見える.タイトルが Chaos and Determinism,Information Theory and the Mathematics of Expectation,Monte Carlo Methods,Markov Chains,Causality and Composition,Learning,Calculating Beauty .... と,後に行くほどおもしろそう.
とはいうものの,少ししか読んでいません.

1-8章の説明での図も使えそう.
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折り紙の恐竜たち

2016-03-16 10:32:32 | エトセト等

力作ぞろい.一枚の正方形からハサミを使わずに...という正統的な作品が多い.
ただし広島大学現代折紙サークルの HP を飾っているプラキオサウルス全身骨格は 48 枚の合成とのこと.



もとの紙の大きさを示してくれればいいのに.
制作の過程を動画で見せてくれるくらいのサービスがあってもいいのに.

恐竜ではない作品も多数ありました.
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三次の妖怪 平太郎化物日記

2016-03-15 08:43:19 | エトセト等


NHK の昼番組で広島県三次市を「妖怪の聖地」と紹介していた.妖怪小屋や妖怪グルメの紹介で,司会の秋元才加嬢が騒いでいた.
この地で暮らしていた武士・稲生平太郎の身に起きた30日間にわたる妖怪との対決が,絵巻物「稲生物怪録」として残されていることが根拠らしい.

思い出したらこの本が出てきた.
 巌谷小波「平太郎化物日記」大和書房 (大和文庫 1976/8).
その頃は忙しく働いていたはずなのに,実はこんな本を買っていたらしい.その後の度重なる引越しにもかかわらず,本棚に存在していたのも化け物的だ.

ここでは平太郎は「ぼく」で,子供である.30日間にわたって化け物に脅されるがひたすら我慢して,山ン本五郎左衛門という化け物の棟梁に褒められるというストーリー.巌谷小波は児童文学の開祖とされている.しかしこの話は教訓もなく,文学的韜晦もなく,安心して楽しく読める.他に『蜜柑地獄」「不思議長屋」の2作を収録.
種村季弘の解説「逆立ち宇宙の喜怒哀楽」がなかなかの力作.巌谷が稲生物怪録というタネ本を児童文学に作り変えたあたりが,いかにも種村好み.
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ドビュッシーとの散歩

2016-03-14 10:11:29 | 読書
青柳いづみこ 中公文庫(2016/2).

Amazon 内容紹介*****
ドビュッシーの演奏・解釈の第一人者が、偏愛するピアノ作品40曲に寄せたエッセイ集。その音楽の先進性や東洋趣味まで、軽やかな文体で綴る。 *****

ヤマハ会員情報誌「音遊人 ミュージン」連載に書き足して,2012/9 に刊行されたものの文庫化.

40編の最初が「亜麻色の髪の乙女」で,島谷ひとみが歌う「亜麻色の長い髪の...」の引用から始まる.解説 (小沼純一) もこの出だしに触れているが,そーゆー本である.ちなみに「雨の庭」の枕には欧陽菲菲,八代亜紀も登場する.

「しかも月は廃寺に落ちる」,講習会でこの曲を弾いたら,ドビュッシーの前でもピアノを弾いたことがあるというおばあちゃん先生が「なってない !」と叫んだのだそうだ「あなたのはまっ平らです」.しかしこのタイトルの結びは「欧米のピアニストがドビュッシーを弾くと,せっかく作曲家が平面的な音楽を目指しているのに無理矢理立体的にしようとして妙なことになることが多い」.要するに,おばあちゃん先生(イヴォンヌ ルフェビュール)に反論しているのでした.
曰く「ドビュッシーの美意識にぴったりはまるのは,むしろ私たち東洋人の感性なのだ」.

全体に文章がうまくて,聴かなくても音楽を聴いた気になれる.
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「学術書を書く」という本

2016-03-13 10:48:55 | 読書
鈴木 哲也, 高瀬 桃子 京都大学学術出版会(2015/9).

鈴木さんは京都大学学術出版会編集長.高瀬さんは京都大学理学部卒業.京都大学大学院理学研究科(霊長類学専攻)中退.出版社勤務を経て独立 (桃夭舎)とのこと.

ホームベージにあるように,
 序章 Publish or Perish からPublish and Perish の時代へ
  ― なぜ,学術書の書き方を身につけるのか,
 第 I 部 考える ― 電子化時代に学術書を書くということ,
 第 Ⅱ 部 書いてみる ―魅力的な学術書の執筆技法,
 第 Ⅲ 部 刊行する ― サーキュレーションを高める工夫と制作の作法,
 おわりに ― 学術書を「書く」ことと「読む」こと
という構成.一段下の章のタイトルにも部のタイトル同様にキャッチコピー付きだが,これは第4章第5節「見出しを工夫する」のお手本だろう.

書籍が電子化し,書いても評価されない時代に,読まれるものをどう書くか.この本では「二回り外,三回り外」が随所で強調されている.自分の研究と直接に関わるわけではないが,それに関心を持って貰いたい人,役立てて欲しい人々に向けて本を書こうという趣旨.
理工系実験系のワタクシとしては,第 II 部第 III 部に興味が集中した.

博士論文を本として刊行するために,内容の順序を前後させたり,タイトルを変えたりする.「平安貴族の宗教的心性とその変容」という博士論文は「夢とモノノケの精神史」に変身し,装丁も赤っぽくおどろおどろしくなったのだそうだ.

工業製品としての「本」を製造する工程は,Word とパソコンによる執筆とは違う,まず単純なテキストファイル形式のデータとして扱われることが強調される.
16 トンの経験では,学術書と言うよりポピュラーサイエンス本ともいうべき「音律と音階の科学」講談社ブルーバックス(2007/9)はまさに本書にあるような工程で製造された.デザイン的には講談社らしくちょっとダサい.

もっと学術書らしい「レーザーとプラズマと粒子ビーム」大阪大学出版会(2012/3)の場合は,自分が TeX で作った原稿がそのまま本になった.従来の出版会本と体裁を揃えるのが大変で,印刷会社におられたTeX のエキスパートにとてもお世話になった.しかしいったんテンプレートがしっかりできてしまえば,これで問題ないはず.
残念ながらこの本では TeX 原稿をそのまま刊行することは全く視野に入れていない.

テーマばかりでなく,大学出版会にも興味があって,大学図書館から借用.あまり読まれた形跡がないのが残念.
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光の山

2016-03-12 09:04:25 | 読書
玄侑 宗久,新潮文庫(2016/2).単行本は2013/04刊行.
裏カバーのキャッチコピーによれば,
「福島在住の僧侶作家が生と死の現実を疑視しながら描いた祈りと鎮魂の作品集」
である.

震災後は非日常的な生活が日常になり,それが前に戻ることがないことを感じさせる.
学生時代には SF を読んだが,放射線の中に生きることになることは,SF の世界がリアルになり,放射線のない世界が昔話になることだ.福島から他県に逃れるということは,SF に例えれば地球から逃れるようなもの.また,たとえ逃れても,ふるさとのしがらみは付いてまわる.
放射線はリアルな問題だから,なんとかこれと折り合いをつけて生きていかなければなせない.

この状況は福島に限らず,原発がある限り日本中どこにでも起こりうる.原発は安全と口先でごまかしても,現代人はこの「いやな感じ」から逃れることができない.

「東天紅」は単行本には収録されていないそうだ.避難すべき場所から避難できず餓死する夫婦の話だが,著者は文庫版あとがきで「惨禍」ではなく「僥倖」を描いたつもりと言う.

「アメンボ」は『冷房を強めた車中から光に溶け出しそうな屋根や木々や道路を眺め,小百合は「セシウム」と呟いてみた....素敵な音だ.』で始まる.素敵な滑り出しだが,深刻な内容.

表題作「光の山」はこの状態が 30 年続いた後のことが書いてある.セシウム 137 の半減期は 30 年だが,そのことが計算に入っているような,いないような感じ.

これらは放射線が前面に出た,ストーリーを持つ小説的な作品だが,「小太郎の義憤」はそうではなく,父親が死んでいるかどうか確認するために DNA を採取される三歳児のスケッチ.

著者による「あとがき」プラス「文庫版あとがき」プラス 解説・若松英輔.
カバー油彩 辰野登恵子「前方 後方」.
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