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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【安倍政権】:240億円ばらまく大阪万博 経費は1兆2000億円まで膨張か

2018-11-28 07:17:50 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・優生訴訟・年収「103万円」の壁】

【安倍政権】:240億円ばらまく大阪万博 経費は1兆2000億円まで膨張か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍政権】:240億円ばらまく大阪万博 経費は1兆2000億円まで膨張か

 大阪開催が決定した万国博覧会。松井一郎府知事や世耕弘成経産相が中腰で大喜びする姿は、2013年に東京が五輪開催都市に決定した際の、安倍首相や森喜朗大会組織委会長の姿にソックリだった。経費の高騰が問題視される東京五輪だが、大阪万博でもバカ高くなるのか。

70年大阪万博(右)の夢をもう一度…(左はパリから帰国した松井大阪府知事=右と吉村大阪市長)/(C)共同通信社

  70年大阪万博(右)の夢をもう一度…(左はパリから帰国した松井大阪府知事=右と吉村大阪市長)/(C)共同通信社


大ハシャギだったが台風21号で夢洲はグチャグチャに(左=共産党・辰巳孝太郎参議院議員事務所提供)/(C)共同通信社

 大阪万博の事業費について、府の博覧会推進室の担当者はこう説明する。

 「昨年9月に愛知万博(05年)を参考にして作成した履行申請書では、会場やパビリオンなどの会場建設費用が1250億円、事業運営費、会場管理などの事業運営費が820億円。人工島の夢洲(大阪市)に建設する地下鉄駅の整備費用などの関連費用が730億円で、おおよそ2800億円になる予定です。これより高騰する可能性もあるので、経費をなるべく抑えるよう注意しています」

 この金額に開催候補選挙で世耕経産相が約束した「100カ国に計240億円」のばらまきが入るから、現時点で少なくとも3040億円以上の経費は必要となる計算だ。

 「夢洲」にも不安が残る。東京の豊洲と同じ軟弱地盤だからだ。豊洲への市場移転では、基盤整備費などで40ヘクタールの土地に計約4000億円の経費がかかった。「夢洲」の面積は10倍の約400ヘクタール。さらに地下鉄中央線の駅を新設するというから、とても3040億円で足りるとは思えない。東京五輪でも、招致時点で7340億円と見積もられていた経費が、会計監査院の試算では20年までに4倍の3兆円に膨れ上がった。大阪万博も4倍の1兆2000億円となるのか。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。

 「パリが立候補を辞退して、米国が国としての不参加を表明するなど、世界では万博を敬遠する流れです。日本だけが70年大阪万博の夢を追って、採算が取れる見通しもないまま計画を進めています。予算も4倍にまで膨れ上がる可能性もあるでしょう。今からでもやめたほうがいいです」

 まったく冗談じゃない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍政権】:消費増税対策の非情 カード持てない“最弱者”だけ満額納税

2018-11-28 07:17:40 | 【税制・納税・減税・消費税・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【安倍政権】:消費増税対策の非情 カード持てない“最弱者”だけ満額納税

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍政権】:消費増税対策の非情 カード持てない“最弱者”だけ満額納税

 安倍首相は26日の衆院予算委員会で、来年の消費増税対策として、キャッシュレスの買い物に5%のポイント還元を9カ月間行う考えを強調した。中小店舗でクレジットカードを使えば、実質的な税率は5%で、現行の8%よりも低くなる。軽減税率が適用される飲食料品は3%にまで下がる。一方、現金払いなら満額徴税。カードの有無で明暗クッキリだ。

26日、衆院予算委で答弁する安倍首相(C)日刊ゲンダイ

     26日、衆院予算委で答弁する安倍首相(C)日刊ゲンダイ

 日本クレジット協会の最新統計によると、2017年のクレジットカード申込件数は3066万件あったが、契約は2328万件。24%にあたる738万件もが持ちたくてもカードを持てないのだ。

 「公共料金などの長期滞納ははねられます。収入面の審査に関しては、例えば、年金生活者は本人に資産があったり、十分な収入のある家族がいれば通りますが、年金で生活費をギリギリまかなっているような場合は厳しい。また、収入見込みがない失業者や生活保護受給者もクレジットカードを持つのは難しい」(大手銀行関係者)

 安倍政権の増税対策では、本来、政府が手を差し伸べるべき信用や収入のない“最弱者”はキャッシュレスの恩恵にあずかれず、満額の消費税を強いられるのである。立正大客員教授の浦野広明氏(税法)が言う。

 「安倍政権はカード決済と国税をオンラインでつなげ、国民の支出をすべて掌握しようとしています。また、カードを普及させ、金融や電子産業などの業界にもいい顔がしたいだけ。弱者救済などまったく眼中にありません。だから、最弱者にしわ寄せがいく消費税対策を平気でやるのです」

 26日、竹中平蔵東洋大教授を座長とする「スーパーシティ」構想の有識者会議が開かれ、全国数カ所でキャッシュレスの完全実施を試みる方針を発表した。近い将来、カードを持てない最弱者はますます隅に追いやられることになる。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天下の逆襲】:米中戦争で欧州混乱 リスク発現懸念高まる2019年世界経済

2018-11-28 07:17:30 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【金子勝の「天下の逆襲」】:米中戦争で欧州混乱 リスク発現懸念高まる2019年世界経済

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金子勝の「天下の逆襲」】:米中戦争で欧州混乱 リスク発現懸念高まる2019年世界経済

  2019年は世界経済のリスクが発現するかもしれない。米国の株価はついに年初の水準に逆戻りした。アップルの生産縮小の見通しで株価下落が起きたが、住宅指標やエネルギー価格の下落、消費の不調も表面化してきた。ゴールドマン・サックスでさえ、19年の世界経済の軟調を予想している。

欧州も混乱(EU特別首脳会議に出席するメイ英首相)/(C)ロイター=共同

 欧州も混乱(EU特別首脳会議に出席するメイ英首相)/(C)ロイター=共同

 月末にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるG20で米中首脳会談が開かれる見通しだが、物別れに終わった場合、米国が仕掛けた約22兆円に上る中国製品への追加関税は10%から25%に上がる。これは世界経済の景気後退をもたらす危険性をはらむ。もちろん、日本も例外ではない。今年7~9月のGDPは前期比0.3%減で、再びマイナス成長に転落した。米中貿易戦争の影響が出始めて、輸出が1.8%減で5四半期ぶりにマイナスに落ち込んだからだ。

 欧州はどうか。イタリアの極右政権は財政赤字を巡り、EU当局との対立を深めている。イタリア国債先物に対する売りポジションも積み上がってきた。国内銀行3位のモンテ・パスキは国有化されたが、イタリアの銀行システムはまだ脆弱な状態にある。政府とEUが合意できなければイタリア国債は投げ売りされ、銀行危機に波及しかねない。

 英国のEU離脱を巡るメイ首相の協定案は閣議承認を得たものの、EU離脱担当相は辞任。果たして議会で可決されるのか、雲行きは怪しい。英メガバンクのバークレーズ銀行は危険水域に入ったといわれ、ドイツ銀行も再び危険水域入りしている。EUの金融システムの脆弱性が垣間見えており、いずれも金融危機再来の引き金になりかねない。

 翻って日本経済はどうか。こうしたリスクが発現して対外ショックにさらされれば、外国人投資家は株式や不動産を売り抜くだろう。日銀は手段を失い、さらにカネを刷って、安倍政権のバラマキを支えるほかない。

 景気後退に便乗し、延命しか頭にない安倍首相は、参院選前に3度目の消費増税延期を言い出しかねない。デタラメなアベノミクスによって始まった異次元緩和は本当に出口を見失う。早く安倍を辞めさせなければ、この国は加速度的に地盤沈下していく。

 ◆金子 勝 慶応義塾大学経済学部教授

金子勝

 1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本が見ようとしない中国経済の真実】:広州国際モーターショー ゴーン逮捕で・・・

2018-11-28 07:17:20 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、残留孤児、国家による抑圧統治】

【日本が見ようとしない中国経済の真実】:広州国際モーターショー ゴーン逮捕で冷や水浴びる結果に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本が見ようとしない中国経済の真実】:広州国際モーターショー ゴーン逮捕で冷や水浴びる結果に

 毎年11月の中国経済界最大のイベントといえば、1月のデトロイト、9月のフランクフルトと並ぶ世界3大モーターショーの「広州国際モーターショー」である。今年も16日から25日まで開かれ、世界中の自動車関係者が、この中国南部最大の都市に集結。約150万人もの観客が、世界初お目見えとなる新車の数々に酔った。

広州国際モーターショーで日産が公開した中国仕様の「アルティマ」/(C)共同通信社

  広州国際モーターショーで日産が公開した中国仕様の「アルティマ」/(C)共同通信社

 だが、モーターショー4日目、きらびやかな会場に激震が走った。「ルノー・日産グループのカルロス・ゴーン会長が日本で逮捕」――。東京発の速報は、夕刻の広州に瞬く間に伝わった。そして、東京経由で広州を訪れる予定だったカルロス・ゴーン会長のすべての日程がキャンセルされた。翌日からは、会場内のルノー・日産のブースに報道陣が殺到したのだった。

 ルノーグループは、今年上半期の自動車販売台数で世界トップだ。ゴーン会長は、年末の広州に「凱旋」し、2019年以降の新たなグループのNEV(新エネルギー車)戦略を発表する予定とも囁かれていた。それだけに広州の会場は、冷や水を浴びせられたような格好となったのだ。

 ゴーン会長は中国で、「電気自動車(EV)の父」と呼ばれ、「戈恩(グーエン)」という厳かな中国名を頂いている。世界に先がけて近未来の「EV時代」を唱え、中国が国を挙げてEVにシフトをしていく後押しをしたといわれる。私は12年に天津でゴーン会長の講演を聴いたことがあるが、「親中派」をアピールしていた。

「安定した中国の社会主義ほど、実業界にとって好ましいものはない。中国は5カ年計画を発表し、それを着実に遂行していくから、われわれは長期プランが立てやすい。NEV戦略を打ち出した世界最大の中国市場は、無限大の可能性を秘めている……」

 中国で日産は、東風日産や鄭州日産など多くの合弁事業を抱え、今年1月から10月までで、123万7656台も売り上げている。同時期の日本での販売台数は36万1929台にすぎないので、日産にとって中国市場は日本市場より3倍以上も大きいのだ。

「戈恩と日産はどうなってしまうのか……」

 中国もいま、固唾をのんで日産の「お家騒動」の行方を見守っている。

 ◆近藤大介「週刊現代」編集次長

近藤大介

 東大卒、国際情報学修士。講談社で中国を中心に取材を続け、現在「週刊現代」編集次長。明大講師も務める。新著に「未来の中国年表」。著書多数。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【企業】:役員報酬は少ないが...ゴーンも真っ青の配当金長者リスト

2018-11-28 07:17:10 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【企業】:役員報酬は少ないが...ゴーンも真っ青の配当金長者リスト

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【企業】:役員報酬は少ないが...ゴーンも真っ青の配当金長者リスト

 日産・ゴーン前会長の役員報酬は2018年3月期に7億3500万円、17年3月期に10億9800万円とベラボーだ。1億円以上の開示制度が始まった10年3月期からの累計は、90億円を超えている。

  「ゴーン容疑者の逮捕で、高額役員報酬に目が向けられています。武田薬品やトヨタ自動車、ソフトバンクなどの外国人役員が昨年度は10億円を超えました。それに比べると、ファーストリテイリングの柳井正社長は2億4000万円、ソフトバンクグループの孫正義社長は1億3700万円と控えめな報酬額です。ただ、これにはちょっとした理由があります」(市場関係者)

役員報酬は少なくても…(孫社長=右上は101億円、柳井社長80億円)/(C)日刊ゲンダイ

 役員報酬は少なくても…(孫社長=右上は101億円、柳井社長80億円)/(C)日刊ゲンダイ

 話題の経営者の役員報酬額を調べてみると、トヨタ自動車の豊田章男社長は3億8000万円あったが、ZOZOの前沢友作社長や、日本電産の永守重信社長、楽天の三木谷浩史社長などは「1億円以下」だった。

 「役員報酬が少ない経営者に共通しているのは、創業者(家)ということです。創業者は大株主でもあるケースが多いので、毎年、膨大な配当金を受け取っています。だから高額な役員報酬は必要ないのでしょう」(株式評論家の倉多慎之助氏)

 そこで17年度(18年3月期など)の配当金をざっと計算してみた。ソフトバンクの孫社長は101億円、ファーストリテイリングの柳井社長は80億円、ZOZOの前沢社長は34億円、日本電産の永守社長は23億円、トヨタ自動車の豊田社長は10億円……。業績にも左右されるが、毎年、同程度の配当金が得られるのだ。

 実は、日産のゴーン前会長も日産株を大量保有(約310万株)している。17年度の配当金は1億6636万円だった。ゴーン前会長が過去8年に得た配当金の総額は8億円を超す。

 「ゴーン前会長が保有する日産株の資産価値は、26日の終値ベースで約30億円になります。創業家出身者のような資産です」(証券アナリスト)

 ゴーンは瀕死の日産を蘇らせた。気分は創業者だったのか――。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ビジネス 【企業・産業】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日産自動車】:親中派ゆえ標的に? 特捜部ゴーン逮捕にチラつく米国の影

2018-11-28 07:16:50 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【日産自動車】:親中派ゆえ標的に? 特捜部ゴーン逮捕にチラつく米国の影

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日産自動車】:親中派ゆえ標的に? 特捜部ゴーン逮捕にチラつく米国の影

 「逮捕の正当性に重大な疑問がある」――。26日、外国特派員協会で会見した元検事の郷原信郎弁護士が漏らした通り、日産のカルロス・ゴーン前会長らが金融商品取引法違反の疑いで逮捕された事件は、経済や司法に詳しい専門家ほど、真相や背景について首をヒネっている。逮捕容疑とされる役員報酬を巡る有価証券報告書の虚偽記載が事実としても、慎重を期してまずは任意同行を求めて事実関係を確認し、逮捕に踏み切るのが一般的な流れ。それなのに特捜部はいきなりパクったからだ。

  ゴーン前会長は世界的な企業のトップであり、各国の政府要人とも関係が深い。ヘタをすれば日仏の外交問題に発展する可能性もある。逮捕するには起訴はもちろん、公判を維持し、有罪に持ち込めるだけの絶対的な違法事実が必要だ。


 ところが検察や日産内部から漏れ伝わるリーク情報はどれもショボイものばかり。とてもじゃないが、特捜部案件とは思えない。同様のケースで思い出されるのが、2009年3月に民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書が政治資金規正法違反の疑いで東京地検特捜部に突然逮捕された「陸山会事件」だ。当時も新聞・テレビでは検察リークによる小沢バッシング報道があふれたが、この時、ささやかれたのは「米国の圧力説」だった。

 政権交代が現実味を増す中、小沢氏は「米国に唯々諾々と従うのではない」と、ヒラリー国務長官(当時)との会談を断ったり、「極東を防衛する米軍は第7艦隊で十分」と踏み込んだりして米国の保守層を“刺激”。米国の参加を想定しない東アジア共同体構想をブチ上げ、総勢600人を引き連れて北京を訪問した。こうした行動に危機感を募らせた米国が特捜検察の尻を叩いて小沢失脚を狙った、といわれたのだ。中曽根康弘元首相は、著書「天地有情 五十年の戦後政治を語る」で、「ロッキード事件の原点は田中角栄の石油政策」と書いた。ロッキード事件も、田中首相が親アラブ政策を打ち出し、米国に頼らない独自の石油外交を展開したことが米メジャーの逆鱗に触れ、日本政府に圧力を掛けたのがきっかけで起きた――というのがもっぱらだ。

中国では「EVの父」(C)共同通信社

          中国では「EVの父」(C)共同通信社

 ■トランプ政権が親中派のゴーンを標的に?

 ではゴーン前会長はなぜ、米国の不満を買ったのか。カギはやはり、対中関係だ。

 ゴーン前会長は親中派で知られ、中国で「電気自動車(EV)の父」と呼ばれている。武漢市では、1988年に「中国・フランス合資自動車30万台生産プロジェクト」が締結され、2016年には東風ルノー(東風汽車とフランス・ルノーの合弁会社)が同市に進出。東風汽車はルノーや日産などとEVの共同開発を行うなど新エネ車の研究開発に精力的だ。今月25日まで広州で開かれていた国際モーターショーでは、ゴーン前会長が新たなエネルギー車(NEV)戦略を大々的に発表する、ともみられていた。

 そんなゴーン前会長の姿勢を、中国と激しい貿易戦争を繰り広げているトランプ政権が面白いはずがない。トランプは、第1次世界大戦終戦100年の記念式典で、国家主義を「愛国心の裏切り」と訴えたマクロン仏大統領をツイッターで激しく非難。「米国第一主義」のために仏政府の資本が入ったルノーや、親中派のゴーン前会長を標的にしても不思議じゃない。そう考えると、日本政府や特捜部がヤケに強気なのも理解できる話だ。

 ちなみにゴーン前会長の弁護人に就いたと報じられている大鶴基成氏は、検事時代に「陸山会事件」を指揮した人物。偶然だろうが、この事件、まだ奥が深そうだ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 事件 【犯罪・疑惑】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ファクトチェック・ニッポン!】:国税庁OB「脱税が立件できればルノーも仏も・・・

2018-11-28 07:15:50 | 【報道=事実に裏打ちされた報道、ファクトチェック(事実検証)・フェイク(偽...

【ファクトチェック・ニッポン!】:国税庁OB「脱税が立件できればルノーも仏も何も言えない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック・ニッポン!】:国税庁OB「脱税が立件できればルノーも仏も何も言えない」

 ■ファクトチェック・ニッポン!

 「巨額脱税事件。特捜部の狙いはゴーン氏の脱税事件の摘発だろう。国税の出番だ」

 日産のカルロス・ゴーン元会長が東京地検特捜部に逮捕された翌日、複数の国税庁OBは異口同音にそう言った。このうち、脱税事件を摘発する際に特捜部の下支えをする東京国税局査察部を指揮したOBは、推測だと断った上で次のように話した。



 「既にマルサ(査察部)と特捜部の共同作業は始まっているはずだ。脱税事件が立件できれば、ルノー本社もフランス政府も何も言えない」

 また企業調査をトップとして仕切った経験のある別の元幹部は、まずはゴーン元会長、日産双方の税務申告を徹底的に洗う作業が始まると話す。

既にマルサと特捜部の共同作業に(C)日刊ゲンダイ

       既にマルサと特捜部の共同作業に(C)日刊ゲンダイ

 「有価証券報告書には嘘の報告をして税務申告では正しい報告をする……なんて、あり得ない。特に、彼(ゴーン元会長)のもらっている金額の役員報酬は税務署に報告義務がある。だから、有価証券報告書の記載と税務申告とは同じなはずだ」

 有価証券報告書を提出する先は財務局、税務書類は税務署に出す。どちらも財務省の一部局(国税庁は外局)だ。別の報告書を出すことは考えられない。

 ゴーン会長の逮捕容疑は金融商品取引法違反。有価証券報告書に自身の報酬を実際よりも過少に報告した虚偽記載の疑いだ。各社の報道では、実際より約80億円少なかったという。その後のNHKの報道では、記載されていなかった報酬は社内で積み立てられていたという。

「考えにくいが、これが本当なら日産も無傷ではいられない。積み立てた報酬をどう会計処理していたか? 会社の税務申告も問題だ」(前出の国税OB)

 ゴーン元会長逮捕翌日、日産の西川広人社長は会見を開き、ゴーン元会長が他に会社の資金を私的に利用していた点や、関連会社が海外に購入した複数の住宅を私的に利用していた点を挙げた。そして、東京地検特捜部に相談し、その後は捜査に協力していたことも明らかにした。これを受けて報道各社は、特別背任や業務上横領に捜査が進むと報じている。しかし、この会見が特捜部の「本丸」を伝えるものとは考えない方がよい。会見内容について日産は特捜部にお伺いを立てているはずだ。特捜部がターゲットとしている案件を日産が明かすなど、特捜部が許すわけがない。特別背任なども視野に捜査はするだろうが、「本丸」はそこで語られなかった事案だろう。

 ただ、脱税事件を立件するには、仮に税の申告漏れが判明しても、それを隠すための仮装隠蔽を認定する必要がある。これについて、国税OBは、「有価証券報告書の虚偽記載そのものが脱税のための仮装隠蔽だと認定することは可能だろう」と話した。各国の富裕層が国境を越えて課税を逃れる実態を明かした「パナマ文書」を取材している時、国税庁の現役幹部が言った言葉を思い出す。

 「富裕層が国境を越えて資金を隠す。これを摘発するのは各国の課税当局の最大の課題だ。しかし実際にはなかなか難しい。何かひとつ、良い案件があればモデルになる」

 仮に、この事件が巨額脱税事件に発展すれば、フランスを含め各国の税務当局も動かざるを得ない。その時、この捜査は、巨額な報酬を得る多国籍企業の経営者に対して、各国の捜査、課税当局が協力してメスを入れるモデルケースになるかもしれない。
 

 ◆立岩陽一郎 ジャーナリスト、

立岩陽一郎

 1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職し、17年からフリーランスとして活動。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ファクトチェック・ニッポン!】:霞が関の友人が言った「トランプは田中真紀子」の・・・

2018-11-28 07:15:40 | 【報道=事実に裏打ちされた報道、ファクトチェック(事実検証)・フェイク(偽...

【ファクトチェック・ニッポン!】:霞が関の友人が言った「トランプは田中真紀子」の意味深長

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック・ニッポン!】:霞が関の友人が言った「トランプは田中真紀子」の意味深長

 ■ファクトチェック・ニッポン!

 「トランプって、結局、田中真紀子なんだよ」

 中間選挙の翌日にアメリカで会った「霞が関」の友人がそう言った。田中真紀子……元外務大臣だ。「官僚として翻弄された」ひとりであろう彼は、当時を思い出しながらそうつぶやいた。

 なるほど、と思ったのは、当時、国会を取材していた私は一時期の田中元外相の人気を知っているからだ。仮に直接選挙で首相を選んでいたら、首相になっていたかもしれない。では、首相になった彼女に、日本の舵取りを任せたらどうなっただろうか? 恐らく、今のアメリカの様になっていたのかもしれない。

トランプ米大統領と田中真紀子元外務大臣(C)ロイター=共同

     トランプ米大統領と田中真紀子元外務大臣(C)ロイター=共同

 中間選挙をはさんでアメリカを見て回った。ジョージアでトランプ支持者に会い、フロリダでファクトチェック団体を取材し、首都ワシントンとニューヨークでジャーナリストや研究者の話を聞いた。「田中真紀子」とは、その途上で聞いた日本の官僚の言葉だった。

 「そうすると、今後も荒れますね」

 そう水を向けると、アメリカ在住も長くなった友人は苦笑いを浮かべた。中間選挙の結果は、大方の予想通り上院は共和党が過半数を維持し、下院は民主党が過半数を奪還した。メディアは民主党の勝利と報じるかもしれないが、数字を見るとそうでもない。上院は共和党が伸ばしているし、下院の民主党も圧勝とまでは言えない。

 それでも、トランプ大統領をめぐる状況についていえば、更に厳しい状況に追い込まれていることは間違いない。選挙の翌日に司法長官を事実上、解任したのはそれを物語っている。任を解かれたジェフ・セッションズは大統領の盟友だった。最初に彼を支持した共和党議員でもある。だからこその司法長官抜擢だった。ところが、このもくろみが外れる。セッションズは、ロシア政府と接触した事実を隠していたことが明るみに出てロシア疑惑の捜査から手を引かざるを得なくなる。

 そしてFBI長官の解任という禁じ手に出る。しかしその結果、元FBI長官で凄腕で知られるロバート・モラー特別検察官が任命されてしまう。これもトランプ大統領にとっては誤算だった。モラー特別検察官は就任以来、トランプ大統領の側近を次々に訴追し、同時に、事実上の司法取引で捜査に協力させている。

 捜査を止めるには、司法長官の首をすげ替えるしかない。セッションズの解任は時間の問題だった。しかしそれが中間選挙の結果が出た後だったことに注目した方がよい。大統領に焦りを見る人は少なくない。

 下院の過半数を民主党がとったことで、民主党は、一連の疑惑について政権に対して関係書類の提出を命じることができる。特別検察官だけでも手を焼いているのに、議会もそこに本格的に加わるわけだ。その焦点は、前回お伝えした「タックス・リターン」、税務申告書類だ。トランプ大統領が提出を拒んできたこの書類には、大統領の利害関係が記載されている。そこに何が記載されているのか? ロシアとの関係か? それともサウジアラビアとの関係か? これを特別検察官に加えて議会が徹底的に調べる時期が早晩訪れる。それをどう回避するかが大統領にとってどの政策よりも優先順位が高くなるのは必然だ。それがまともな政策になると考える人は多くはないだろう。以前にも書いたが、そろそろ日本はこの大統領と距離を置いた方が良い。
  

 ◆立岩陽一郎 ジャーナリスト、

立岩陽一郎

 1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職し、17年からフリーランスとして活動。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月14日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ファクトチェック・ニッポン!】:サウジ人記者の死で浮上した トランプの・・・

2018-11-28 07:15:30 | 【報道=事実に裏打ちされた報道、ファクトチェック(事実検証)・フェイク(偽...

【ファクトチェック・ニッポン!】:サウジ人記者の死で浮上した トランプの「利益相反」問題

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック・ニッポン!】:サウジ人記者の死で浮上した トランプの「利益相反」問題

 ■ファクトチェック・ニッポン!

 サウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が殺害された事件は、サウジアラビア政府が「計画的殺害」としつつも政府中枢の関与を否定する姿勢を貫いているため、日本のメディアは幕引きをにおわせる報道を始めている。

 しかし、米国のジャーナリストはそうは考えていない。それは、この事件があらためてトランプ大統領の資質の問題を浮かび上がらせているからだ。それは一言で言えば、この大統領が就任前から問われてきた「利益相反」の問題だ。この「利益相反」は、大統領が自身のビジネスなどに有利になるようその権限を利用することで、就任の当初からトランプ大統領につきまとっている問題だ。

トランプ米大統領(左)とジャーナリストのジャマル・カショギ氏(C)ゲッティ=共同

  トランプ米大統領(左)とジャーナリストのジャマル・カショギ氏(C)ゲッティ=共同

 その懸念のひとつにサウジアラビアが浮上したということだ。CNNは、トランプ大統領が候補者時代の演説で何度もサウジアラビアに謝意を表する言葉を発していたと当時の映像とともに報じている。

 日本の報道では、トランプ政権がサウジアラビア政府に厳しい対応をとれない理由として、サウジアラビアが大量の米国製の武器の購入に合意した点を挙げる。しかし、それをファクトチェックすれば、「半分だけ事実」でしかない。トランプ大統領個人の問題の方が根が深い……そう語る米国のジャーナリストは多い。

 例えば、トランプ大統領が政権発足当初に出した大統領令に、中東の7カ国からの移民や難民を制限するものがあった。これはテロ対策とされたが、サウジアラビアはその7カ国に入っていない。9・11以降に米国で起きたテロ活動に関わった人物を見ると、サウジアラビアの入国が15人と最も多いにもかかわらず、である。これについて米国のメディアは、トランプ氏がサウジアラビアでホテル事業を展開している事実を併せて報じていた。

 トランプ大統領については、ロシア疑惑に関して既に特別検察官が捜査を始めているが、この捜査チームが娘婿のクシュナー氏とサウジアラビアとの関係について調べを進めていることが報じられている。捜査が娘婿で止まると思っている人は少ないだろう。

 そもそも、このロシア疑惑についても、米国のジャーナリストの関心は、ロシア政府が選挙に関与したということから、トランプ大統領本人とロシアとの関係に移っている。その際、事実解明の鍵を握るのは「タックス・リターン」だと多くのジャーナリストが語る。

「タックス・リターン」とは納税者がIRS=米内国歳入庁に提出する納税資料だ。ロシア疑惑をいち早く報じたNPOメディア「マザー・ジョーンズ」のラス・チョーマ記者は、「トランプ大統領はロシアから融資を受けているとの指摘がある。本人は否定しているが、以前、次男のエリック氏がそう証言している。タックス・リターンが開示されれば、それら全てが明らかになる」と話した。

 ロシアに続き、サウジアラビアと、仮に大統領がビジネス上で融資を受けるなどしている相手国に対して本来とるべき対応をとらずに米国の国益を害したとなれば、「利益相反」の疑いは極めて強くなる。

 ただ、この「タックス・リターン」について、歴代大統領は開示しているが、トランプ大統領は一貫して開示を拒否している。米国では11月6日に、中間選挙が行われる。今、チョーマ記者らが関心を持って見ているのは選挙結果とともに、特別検察官が「タックス・リターン」の提供をIRSに求めるかだ。その際に問題となるのは、既にロシアだけではない。

 ◆立岩陽一郎 ジャーナリスト

立岩陽一郎

 1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職し、17年からフリーランスとして活動。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月31日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍政権】:五輪、万博、好景気 「夢よもう一度」という大いなる幻想 

2018-11-28 07:14:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【安倍政権】:五輪、万博、好景気 「夢よもう一度」という大いなる幻想

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍政権】:五輪、万博、好景気 「夢よもう一度」という大いなる幻想

 「日本全体を元気にするため、『オールジャパン』の体制で取り組みたい」――。国威発揚をムキ出しにした首相の破顔一笑には、悪い予感しかしない。

 2025年の万博開催地が大阪に決まった。大阪では1970年以来55年ぶりの誘致に、関わった政官財の関係者や地元市民、メディアまでもが祝賀ムード一色で、つくづく日本おめでたい国だと知らされる。

  安倍首相や大阪府の松井一郎知事らは、東京五輪後の景気浮揚の「起爆剤」を期待して誘致に前のめり。4年間で官民合わせ、総額約36億円をつぎ込んだ。さらに途上国をはじめ、約100カ国にパビリオン建設費など約240億円を支援する計画も公表。血税海外バラまき買い取った万博なのである。


 加えて会場整備に1250億円以上も投じる予定だが、財源は固まっていない。経済界に約400億円強の負担を割り当てたが、前回と違って今は株主が企業の実利に直結しない出費を厳しく監視する世の中だ。

 当初は関西の有力企業からも「一過性のイベントに資金を投じることはできない」との声が上がったほど。前回の「夢よ、再び」で、企業負担によるユニークなパビリオン群の再出現を期待するだけムダだろう。

 万博に難色を示す財界をなだめ、一気に誘致までこぎつけた安倍政権と松井府政の動機も不純だ。会場となる人工島「夢洲」はバブル崩壊で開発が頓挫し、空き地が広がる負の遺産。東京都のお荷物だった臨海副都心部を五輪開催を大義名分に再開発を進めているのと同様に、万博開催もゼネコンを儲けさせ、政治献金を吸い上げる舞台装置に過ぎないのだ。


 浮かれてばかりもいられない(万博開催決定に沸く大坂の人々・右)/(C)共同通信社

 ■終わったビジネスモデルに巨費投入の狂気

 だから「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げたものの、具体的ビジョン曖昧なまま。ハナから「カネと利権ありき」の計画で、理念や構想など後回し。会場の跡地利用のメドすら立っていない。こんなズサンな計画に、大阪市は会場までの地下鉄延伸や道路拡張のインフラ整備に、730億円を投じるとは狂気の沙汰だ。

 そもそも五輪も万博も、すでに終わったビジネスモデル。五輪は巨額投資を回収できず、どの開催地も莫大な負債を抱え、火の車だ。ついには世界中で手を挙げる都市が消えてしまった。

 万博はそれ以上で、大阪の「最大のライバル」だったパリは今年、財政上の理由から立候補を取り下げ。万博の来場者数はダダ下がりで、7000万人を超えた10年の上海を除けば、2000万人前後。6400万人を集めた前回の大阪万博の約3分の1にとどまる。そのため、入場料などで事業費を賄えず、来場者数1800万人と目標の半分に満たなかった00年の独ハノーバー万博は、約1200億円もの赤字を抱え、政府と地元が穴埋めするハメになった。

 大阪万博の決定直後、思想家で神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏は〈「金が欲しい」以外に何の動機もない万博の開催がどのような悲惨なかたちで終わるのか、想像すると悲しくなってきます〉とツイートしたが、大阪万博はレガシーどころか、東京五輪との共倒れすら危ぶまれるのだ。


          全ては、この人のために(C)共同通信社

 ◆「経済効果2兆目」強弁の面々に前科アリ

 改めて内田樹氏に聞いた。

 「万博は1930年代ごろには役割を終えた時代遅れの国際イベント。ネット普及に伴うグローバル化の時代に、一カ所に未来の最先端技術を展示し、人を集めようとする発想自体が前時代的でムリがあります。それこそ、国威発揚くらいしか存在意義はない。安倍政権は万博のテーマとして、最先端医学や健康寿命に焦点をあてると息巻いていますが、社会保障費や大学の研究費を削りに削った政権に、その資格はありません。五輪や万博にたれ流す前に、大事な税金は国民生活の充実に回すべきです」

 権力行使の何たるかを理解せず、政治介入大好きの強権首相のことだ。万博を仕切らせたら、会場展示のPRと引き換えに、最先端医学の現場にまでくちばしを突っ込むのは目に見えている。

 こんな不気味な万博の来場者数は約2800万人、経済波及効果は約2兆円と、国と大阪府はソロバンをはじくが、積算根拠はまったくの不透明だ。この数字を信用する方がどうかしている。

 万博誘致が持ち上がったのは2014年。言い出しっぺは大阪府・市特別顧問の堺屋太一氏だ。このアイデアに当時大阪市長だった橋下徹氏と大阪府の松井知事が飛びついたのだが、その2年前に堺屋氏は「大阪10大名物」を発案。そのひとつに15年の道頓堀完成400周年に合わせ、長さ2キロの巨大プールを整備し、「世界遠泳大会」の開催を打ち出した。

 どれだけの人が覚えているかは疑問だが、「道頓堀プール」は地元企業の支援を得られず、2キロから800メートル、最後は80メートルまで長さを縮減した揚げ句、16年1月に計画中止がひっそりと発表された。計画が頓挫した道頓堀プールの経済効果について、堺屋氏は当初、「2020年までには東京オリンピックより大きな経済効果が確実に出る」と自信たっぷりに豪語したものだ。

 その反省自己批判もせず、同じ面々が「大阪万博で経済効果は2兆円」とブチ上げているのだから、マユツバだ。万博決定後、橋下氏は「お金の問題もいろいろあるかもしれないけど、景気から」とごまかしている

 時代遅れの国際イベントに「日本全体を元気にする」(安倍首相)だけの経済効果を期待するのは、八百屋で魚を求めるに等しい。

 ■米国発カジノありきの非国民選別イベント

 「大阪万博は東京五輪よりも、えげつない構図で、夢洲にカジノを整備する口実に過ぎないのではないか」と、前出の内田樹氏はこう続けた。

 「万博のオフィシャルプランナーに米カジノ企業5社が名を連ね、うち1社の『ラスベガス・サンズ』のアンデルソン会長はトランプ米大統領の大口献金者です。昨年2月に安倍首相が訪米した際、首脳会談の前日にトランプ・アンデルソン両氏は会食。翌日の首脳会談で安倍首相はサンズの日本参入を持ちかけられた、と米国のニュースサイトは報じました。アンデルソン会長、トランプ大統領、安倍首相、松井知事と分かりやすい命令系統で、日本の法を改めてまで万博を大義とした“カジノありき”の計画を進め、インフラ整備などの名目で巨額税金を、米国献上するわけです。そのおこぼれにあずかる人々はホンの一握りで、万博開催後に残るのはカジノ以外廃虚だけ。長きにわたって大阪の人々が負債に苦しんでも、6年半後の万博開催時には安倍首相も松井知事もさすがに、お役御免で“後は野となれ”の感覚なのでしょう」

 汚れた五輪万博の「大いなる幻想」に酔いしれ、「日本」「日本」と力んでいる人々の気が知れないが、メディアも万歳ムードをあおっているから恐ろしい。コラムニストの小田嶋隆氏はこう言った。

 「五輪も万博も招致段階では賛否両論あったのに、決まった瞬間に反対の声を上げにくいムードをメディアが助長する。批判すれば、歓喜の人々に水を浴びせる嫌なやつ扱いで、反対してもメリットがないと諦め、我慢を強いられる。これが町内会の募金や学園祭レベルならまだしも、国家ぐるみで反対派を指弾する空気が醸造されるから怖い。万博への賛否が愛国強制と非国民選別のリトマス試験紙となりかねない薄気味悪さを今から感じます。五輪も含めた国家総動員体制が、あと6年半も続くかと思うと、気がめいってきます」

 五輪、万博に浮かれていれば、愛国心を押しつける独裁首相の思うツボ。多くの国民は夢から覚めなければいけない。 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月27日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪市】:万博の開催地 「夢洲」は「豊洲」に酷似の軟弱地盤

2018-11-28 07:14:40 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【大阪市】:万博の開催地 「夢洲」は「豊洲」に酷似の軟弱地盤

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪市】:万博の開催地 「夢洲」は「豊洲」に酷似の軟弱地盤

 2025年の万博開催地が大阪に決定し、松井一郎府知事や世耕弘成経産相らが歓喜する様子が伝えられたが、ホントに万博を開けるのか懸念する声が上がっている。

 

  大阪湾内に位置する開催地「夢洲」(大阪市)は、四方を海に囲まれ、津波や台風にさらされる危険な場所だからだ。会場建設に1250億円もつぎ込んで大丈夫なのかと不安視されているのだ。


 実際、9月上旬の台風21号では、護岸ブロックが破損し、おびただしい数のコンテナがひっくり返るなど惨状に見舞われた。松井知事は、一般市民の指摘に「風評被害となる邪魔は慎んでください」とムキになってツイッターで反論していたが、それだけ災害に弱いことを不安視している裏返しだ。万博は半年間、行われる。もし、強風でパビリオンが吹き飛ばされでもしたらトンデモない事態となってしまう。


大ハシャギだったが台風21号で夢洲はグチャグチャに(左=共産党・辰巳孝太郎参議院議員事務所提供)/(C)共同通信社

 台風被害もさることながら、最も不安視されているのが地盤の弱さだ。実は夢洲は、地盤沈下が指摘されている東京都の「豊洲市場」用地と似た軟弱地盤なのだ。豊洲市場用地は、3・11の時、液状化を起こしている。大阪市などは「粘性土を主成分とする浚渫土砂などで埋め立てされているため、液状化しにくい」としているが、「夢洲」も地盤沈下や液状化の心配があるのだ。土壌問題に詳しい1級建築士の水谷和子氏はこう言う。

「都は、豊洲市場用地で埋め立てに浚渫土を使用した複数箇所について『液状化の可能性あり』と判定し、対策してきました。浚渫土には確かに粘性土が含まれますが、粒子が粗めの砂も含まれる。そもそも、埋め立て地である以上、粘性土であろうとなかろうと、大地震による液状化のリスクはつきまといます。『液状化しにくい』と主張する根拠はよくわかりません」

 夢洲での万博開催が決まり、早速、専門家の間では「復興万博になるのでは」といったブラックジョークが飛び交っている。いつ起きてもおかしくない「南海トラフ地震」が発生すれば、夢洲は津波にのみ込まれる恐れがあるからだ。2兆円にも上るとされる経済効果が泡と消えなければいいのだが。 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【風疹の流行】:拡大が深刻化…原因は安倍政権の“無策”だった

2018-11-28 07:14:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【風疹の流行】:拡大が深刻化…原因は安倍政権の“無策”だった

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【風疹の流行】:拡大が深刻化…原因は安倍政権の“無策”だった

 原因は政府の無策だった――。風疹の流行が深刻化している。11月11日までに報告された今年の累計患者数は2032人で、1万4344人が感染した2013年の流行以来、5年ぶりに2000人を超えた。

  日本は欧米諸国に比べて風疹対策を怠ってきた。医学博士の左門新氏によると、米国、カナダなどの北米と西欧ではすでに風疹の根絶に成功。先月末には世界保健機関(WHO)がオーストラリアでの風疹が根絶されたと発表した。いずれも政府がワクチンによる予防接種を呼びかけたことが奏功したという。ところが日本は“ワクチン後進国”となっている。

 「風疹の予防接種は乳幼児と20歳までの2回でセットになっています。日本では20歳までの男女はこのセットを受けていますが、20歳以上は接種が1回きりで抗体が弱い世代や1回も受けていない世代があり、バラバラの状態。そのため大人の風疹患者の9割が30~50代の男性という結果です」(左門新氏)

 国立感染症研究所は9月に患者数を発表した際、「このまま流行が継続すると、東京五輪・パラリンピックへの影響が懸念される」と警告した。


          今からで間に合うの?(C)共同通信社

 今月5日、自民党厚生労働部会長の小泉進次郎衆院議員は、「風疹をなくそうの会」の共同代表と面会した際、「東京五輪のある2020年までに撲滅できるよう、全力を尽くす」とコメントした。日本政府は今になって五輪を意識し、慌てているわけだ。

 「政府がもっと早くから本腰を据えてワクチン接種を進めるべきだったのに、大流行がなかったので油断していたのです。だから欧米諸国に比べて10年遅れた。いま風疹ワクチンが不足しているとの情報もある。風疹の根絶に無策だった国の責任は重大です」(左門新氏)

 前回、風疹が大流行したのも安倍政権の時だった。あの時、対策を取っていれば、今回ここまで広がらなかった可能性もある。安倍政権は国民の五輪ムードを煽っているが、2年後、外国人観光客が風疹を敬遠して来日に及び腰になりかねない。  

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【社説】:①消費増税対策 混乱回避へ制度設計に工夫を

2018-11-28 06:16:00 | 【税制・納税・減税・消費税・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説】:①消費増税対策 混乱回避へ制度設計に工夫を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①消費増税対策 混乱回避へ制度設計に工夫を 

 予算の膨張を避けるには、効果を見極め、必要な施策に絞り込むことが肝心である。 

 政府が、2019年10月に予定する消費税率10%への引き上げに伴う経済対策の大枠をまとめた。

 14年4月に消費税率を8%に上げた際は、事前の駆け込み需要と、増税後の買い控えで景気が失速した。これが、消費増税を2度も先送りする一因となった。

 消費税は、増大する社会保障負担を支える基幹税である。リーマン・ショック級の危機が起きない限り、税率を確実に引き上げねばならない。政府が、増税前後の需要変動を均ならす方策を打ち出す狙いは理解できる。

 来年の増税では、税率を8%に据え置く軽減税率が導入される。酒類と外食を除く飲食料品と、定期購読される新聞が対象だ。家計の負担軽減に役立とう。

 軽減税率は欧州では定着しているが、日本では初めて適用される。円滑な実施が求められる。

 増税分が一斉に価格に転嫁されると、消費を急激に冷やしかねない。各事業者の判断で、柔軟に価格設定できることが大切だ。政府はそのための指針を整備する。周知徹底してもらいたい。

 今回の施策には課題もある。

 購入価格より高い額の買い物ができる「プレミアム付き商品券」は、前回の消費増税時も発行された。2000億円超の国費が投入されたが、消費押し上げ効果は限定的だった。費用対効果について、さらなる検討が必要だろう。

 中小小売店で、キャッシュレス決済をした場合に、ポイントを還元する新制度も導入する。9か月の時限措置とする方向で、ポイントの原資は国が負担する。

 還元率について安倍首相は、購入代金の5%とする考えを示している。当初想定された2%から大きく拡大した。景気の落ち込みを回避したいのだろう。

 キャッシュレス決済の普及を目指す狙いも分かる。だが、実施に向けた懸念材料は多い。

 現金決済を続ける零細店は不利になる。クレジットカードを持たない高齢者などが恩恵を受けられない問題も見過ごせない。

 20年7月以降、マイナンバーカードの取得者に、地元店の買い物に使える「自治体ポイント」の付与を開始するという。

 多様な施策で制度が複雑化し、小売りの現場が混乱する恐れもある。政府は、事業者や消費者にとって分かりやすい仕組みとなるよう、緻密ちみつに制度設計すべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:②巨大加速器計画 物理学の進歩に貢献できるか

2018-11-28 06:05:50 | 【日本の学術(理学・工学・基礎科学・生命科学・人文・社会科学・教養・教養教...

【社説】:②巨大加速器計画 物理学の進歩に貢献できるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:②巨大加速器計画 物理学の進歩に貢献できるか 

 次世代の加速器「国際リニアコライダー」(ILC)の建設候補地として、東北地方の北上山地が浮上している。 

 宇宙や物質の根源に迫る研究施設である。素粒子物理学で多くの業績を生んできた日本として、誘致を前向きに検討すべきではないか。

 日米欧の研究者が計画するILCは、宇宙創成直後の高エネルギー状態を再現するための施設だ。全長20キロ・メートルのトンネルを掘り、電子とプラスの電気を持つ陽電子を光速に近い速度で衝突させる。その反応を精密に測定する。

 今の物理理論を超えるノーベル賞級の発見もあり得るだろう。

 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が適地とされるのは、地層・地盤が安定しているためだ。

 建設に伴う研究都市の形成や、関連製造業の受注増といった効果が見込まれるという。震災からの復興にも資するとして、地元自治体や自民党は誘致に熱を上げる。期待が高まるのは無理もない。

 研究者の集まりである日本学術会議も、文部科学省から要請された計画評価への回答案で、ILCでの実験の意義は認めている。

 問題は、巨額の費用だ。

 文科省の試算では、建設費は約10年間で約8000億円に上る。実験完了まで約20年の稼働が予定されており、毎年約400億円の運営費を要する。

 北上山地に建設する場合、日本は誘致国として、半額程度を負担する必要があるとされる。

 学術会議は、先にまとめた回答案で「国際費用分担の見通しが得られていない」と指摘した。大規模工事による環境破壊への配慮なども求めている。他分野の研究予算へのしわ寄せを懸念する声もあり、政府の判断は遅れている。

 誘致を前進させるためには、施設建設の意義や費用対効果を説明し、理解を広める必要がある。

 ILCは、欧州合同原子核研究機関(CERN)にある世界最大の加速器を補完する施設だ。

 CERNでは2012年に、万物に質量を与えるヒッグス粒子の存在が確認された。次の課題の一つが、ILCによるヒッグス粒子の詳細な分析である。

 CERNは、次期計画の策定に着手した。そこにILCを盛り込めるかどうかは、日本の出方にかかっている。素粒子研究に力を入れる日本が誘致を見送れば、機運は一気に萎しぼむだろう。

 様々な課題を確実にクリアすることを前提条件に、誘致の意思を明確にすべき段階に来ている。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年11月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:①予算委審議 大局的観点から外交を論じよ

2018-11-28 06:05:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説】:①予算委審議 大局的観点から外交を論じよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①予算委審議 大局的観点から外交を論じよ 

 外交の機微に配慮しながら、政府は説明責任を果たし、与野党が大局的な観点から論じる。重要な案件こそ、建設的な国会論戦が求められる。 

 衆参両院の予算委員会で集中審議が開かれた。安倍首相は日露の平和条約交渉について、1956年の日ソ共同宣言を基礎とする方針を強調した。

 「両国の立法府が承認し、批准した唯一の文書で、現在も効力を有する」と、理由を説明した。

 共同宣言は、歯舞群島と色丹島の2島のみの引き渡しを明記している。ロシアは、択捉、国後の2島については、領土交渉の対象外との立場である。日本固有の領土である4島の帰属問題をどう解決していくのか。

 首相は「私たちの主張をしていれば、それで済むということではない」と語った。日露両国が受け入れ可能な解決策を探るのは当然だが、日本の一方的な譲歩では、国民の理解は得られまい。

 北方領土問題を解決し、平和条約を締結するという基本方針を堅持しながら、粘り強く交渉しなければならない。

 首相は、ロシアが4島を不法占拠しているとは明言しなかった。河野外相も「政府の考え方や交渉方針を申し上げるのは、一切控えている」と述べた。

 交渉を円滑に進めるため、ロシアを無用に刺激したくないのだろう。ロシア側も、日本の反発を招く発言は自制する必要がある。

 プーチン大統領は最近、領土に関する共同宣言が履行されなかった責任は、日本にあると強弁している。60年の日米安全保障条約の改定に反発して、宣言の棚上げを持ち出したのは、ソ連である。

 事実と異なる主張に対しては、政府はきちんと反論すべきだ。

 首脳交渉の詳細な内容は公表できないとしても、折に触れ、方向性や進しん捗ちょく状況について、分かりやすく説明することが大切だ。

 日韓関係は、韓国の慰安婦問題への対応や、元徴用工への賠償を命じた最高裁判決を巡って、首脳会談が開けない状況にある。

 河野外相は、「韓国にしっかり対応してもらうしかない」と語った。日本との合意を蔑ないがしろにする韓国政府を批判し、事態の打開を迫るのは当然である。

 一方で、懸案である北朝鮮の非核化問題の前進に向け、韓国との協調は不可欠だ。

 歴史問題での日韓の対立が、米国を含む3か国の連携の足並みを乱さないよう、日本も外交努力を尽くさねばならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年11月27日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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