【盾は何を守るのか】：首長と議会（５）民意、誰が受け止める

【盾は何を守るのか】：首長と議会（５）民意、誰が受け止める

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：首長と議会（５）民意、誰が受け止める　

　住民を代表する立場にある知事や秋田市長、議会が地上イージスの配備計画にどう向き合っているかを見ていく。　

　秋田市議会２月定例会最終日の今月１９日、イージス・アショア（地上イージス）配備反対の決議を求める請願や陳情計８件が本会議で不採択となった。

　請願を提出していた団体の一つが、配備候補地近くの１６町内会でつくる新屋勝平地区振興会。佐々木政志会長（６９）は結果を見届けると、本会議が終わる前に議場を後にした。

　秋田市議会総務委員会の傍聴を終え、報道陣の取材に応じる新屋勝平地区振興会の佐々木会長＝１３日、市役所

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　「何と言えばいいか…」。報道陣に囲まれた佐々木会長は、気持ちの整理がついていないようだった。「これでいいわけがない。われわれは誰を信じたらいいのか」

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　◆日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。 

　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０３月２３日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：首長と議会（４）阿武町長「反対は当然」

【盾は何を守るのか】：首長と議会（４）阿武町長「反対は当然」

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：首長と議会（４）阿武町長「反対は当然」　

　住民を代表する立場にある知事や秋田市長、議会が地上イージスの配備計画にどう向き合っているかを見ていく。　　

　秋田、山口両県にイージス・アショア（地上イージス）を配備しようとする国の計画に対し、ただ一人、明確に「反対」を表明した首長がいる。山口県阿武（あぶ）町の花田憲彦町長（６３）だ。

　昨年１１月、秋田魁新報の取材に答える花田町長＝阿武町役場

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　「町民の信託を受けて町長に就任している私の大義は、町民の安全・安心の確保であります」

　「町民の安心・安全を脅かすものを排除するのは、町長である私の当然の責務だと確信しております」

　「阿武町として、配備反対を明確に表明させていただきます」 

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　◆日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。 

　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０３月２２日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：首長と議会（３）市長、慎重姿勢崩さず

【盾は何を守るのか】：首長と議会（３）市長、慎重姿勢崩さず

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：首長と議会（３）市長、慎重姿勢崩さず

　住民を代表する立場にある知事や秋田市長、議会が地上イージスの配備計画にどう向き合っているかを見ていく。　　　

　「国防のため、配備は必要と思うが、どうか」。今月６日の秋田市議会一般質問。保守系の最大会派・秋水会の鎌田修悦会長（７２）が、イージス・アショア（地上イージス）の配備について１２項目の質問を並べた。

　　　秋田市議会の本会議に臨む

　鎌田氏は、議長を務めた経験もある市議会の重鎮。４月に行われる市議選には出馬せず、今任期での引退を決めている。地上イージスの配備に賛成する自身の立場を明確にして市長に態度表明を迫る質問は、議場に緊張感をもたらした。

　答弁に立った穂積志市長は、手元の原稿を淡々と読み上げた。　

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　◆日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。 

　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０３月２１日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：首長と議会（２）知事、「軍事に精通」自負

【盾は何を守るのか】：首長と議会（２）知事、「軍事に精通」自負

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：首長と議会（２）知事、「軍事に精通」自負

　住民を代表する立場にある知事や秋田市長、議会が地上イージスの配備計画にどう向き合っているかを見ていく。　

　「レーダーがＳＰＹ－１からＳＰＹ－６に代わるという可能性がうわさされています。弾頭についても今のＳＭ３ブロック２Ａのシングル弾頭の誘導弾をアメリカあたりでは複数弾頭のマルチプル・キルビークルに変えるべきだという話も…」

　昨年６月１日、イージス・アショア（地上イージス）の配備計画に関連して防衛省が初めて公式に県庁を訪れた場で、佐竹敬久知事は軍事用語を次々と繰り出した。相対する福田達夫政務官は「知事の情報量の多さにはびっくりしました」と驚いた風を見せた。

　配備候補地で行う調査の説明に訪れた防衛省職員を前に、見解を述べる佐竹知事＝１月２８日、秋田市の県庁

　配備計画を巡り、佐竹知事は防衛問題に精通しているという自負心をしばしば表に出す。　　　　

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　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０３月２０日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：首長と議会（１）知事と市長、見えぬ本音

【盾は何を守るのか】：首長と議会（１）知事と市長、見えぬ本音

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：首長と議会（１）知事と市長、見えぬ本音

　連載「盾は何を守るのか」の第４部は、住民を代表する立場にある知事や秋田市長、議会が地上イージスの配備計画にどう向き合っているかを見ていく。５回続き。

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　「秋田県と秋田市を信じるしかない」

　秋田公立美術大学の副学長、藤浩志教授（５８）＝美術＝は先月、フェイスブック（ＦＢ）にこう書き込んだ。迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」（地上イージス）の配備に反対する考えを記した投稿だ。

佐竹知事（右）、穂積市長と藤副学長のフェイスブックのコラージュ

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• 秋田市を設立母体とする公立美大は、配備候補地から約２・５キロという至近にある。５月にイタリアで開かれるベネチア・ビエンナーレ国際美術展の出品作家チームに選ばれている石倉敏明准教授（４４）＝芸術人類学＝も「芸術文化のまちづくりを掲げる市の文化政策と軍事基地は相いれない」と批判する。 

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　◆日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。 

　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０３月１９日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（４）無縁ではない「同盟」の影

【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（４）無縁ではない「同盟」の影

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（４）無縁ではない「同盟」の影

　迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を巡ってわれわれはいま、この国のありようをつかさどる日米安保体制を意識せざるを得ない状況に直面している。連載「盾は何を守るのか」の第３部は、県内での安全保障問題の先例に目を向け、現在につながる日米の関係をたどる。４回続き。　　　

　「以下の通り情報提供がございましたのでお知らせ致します」

　県庁２階の県国際課に時折、防衛省からメールが届く。

　「本日夕方、ＣＶオスプレイ１機が横田を離陸し三沢に着陸予定、その後、本日夕刻、三沢を離陸し横田に着陸予定との情報がありました」

　防衛省から県国際課に届いたメールと、横田基地に着陸するオスプレイ

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　１月３０日午後３時３３分に送られたメールは、このような文面だった。米軍横田基地（東京）に配備された輸送機「ＣＶ２２オスプレイ」が、５８０キロ離れた米軍三沢基地（青森）との間で往復飛行するという情報。米軍から連絡を受けた防衛省が東日本の各県に送った。オスプレイが横田を拠点とした運用を昨年４月に始めて以降、こうしたメールが県には２０回届いている。　

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　◆日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。 

　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０２月２２日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（３）演習が示した対米追随

【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（３）演習が示した対米追随

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（３）演習が示した対米追随

　迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を巡ってわれわれはいま、この国のありようをつかさどる日米安保体制を意識せざるを得ない状況に直面している。連載「盾は何を守るのか」の第３部は、県内での安全保障問題の先例に目を向け、現在につながる日米の関係をたどる。４回続き。　　

　県内の漁師にとって、日本海のマス漁が大きな収入源だった時代がある。最盛期は５月。そのさなかに海上自衛隊と米海軍による日米合同演習が実施されたのは１９８１年のことだ。

「漁網切断で訓練中止」の見出しを掲げ、日米合同演習の中止を１９８１年５月２２日付１面トップで伝えた秋田魁新報の紙面

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「なぜわれわれの操業が制約を受けなければいけないのかという思いしかなかった」。八峰町八森の漁師で、県漁業協同組合の前組合長、藤田博英さん（６７）は振り返る。

　この演習が行われた８１年は、日本と米国の関係が新たな段階に入った年でもあった。

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　◆日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。 

　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０２月２１日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（２）低空飛行横行「わが物顔」

【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（２）低空飛行横行「わが物顔」

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（２）低空飛行横行「わが物顔」

　迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を巡ってわれわれはいま、この国のありようをつかさどる日米安保体制を意識せざるを得ない状況に直面している。連載「盾は何を守るのか」の第３部は、県内での安全保障問題の先例に目を向け、現在につながる日米の関係をたどる。４回続き。　

　北秋田市に住む藤本英夫さん（７６）は、１９９７年９月９日の午後を鮮明に記憶している。

　森吉山に登る途中だった午後２時ごろ、標高１３００メートルほどの尾根筋を歩いていた時、空の向こうから爆音が迫ってきた。

　　１９９７年９月にＦ１６戦闘機が目の前を飛び去った場所を藤本さんが指さす。尾根をかすめるように通過したという＝北秋田市

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　「ギュルギュルギュルーッて、まるで空気が割れる音。地面に伏せたくなったけど、踏ん張った」。１００メートルほど先の山肌をかすめるように、米軍の戦闘機が飛んでいった。

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　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０２月２０日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（１）緊急着陸、県民蚊帳の外

【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（１）緊急着陸、県民蚊帳の外

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：秋田と日米安保（１）緊急着陸、県民蚊帳の外　　

　迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を巡ってわれわれはいま、この国のありようをつかさどる日米安保体制を意識せざるを得ない状況に直面している。連載「盾は何を守るのか」の第３部は、県内での安全保障問題の先例に目を向け、現在につながる日米の関係をたどる。４回続き。

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　「上空を通過したい」

　１９８８年８月２５日午前１０時半すぎ、秋田空港の管制に無線連絡が入った。

　　１９８８年９月２２日午後２時すぎ、秋田空港に緊急着陸する米軍のＦ１６戦闘機（田村行信さん撮影）

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　数十秒後、爆音を響かせて滑走路上空を通過したのは、２機のジェット戦闘機。米軍三沢基地（青森県三沢市）に所属する当時最新鋭のＦ１６戦闘機だった。

　秋田市の小学校教員、伊藤善弘さん（５７）は、勤務していた県央部の小学校で機体を目撃した。「ゴーッという音を立てて日本海へ飛んでいった。なんで驚かすようなことをするんだと思った」 

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　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０２月１９日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：新屋演習場（下）影薄い土地に「まさか」

【盾は何を守るのか】：新屋演習場（下）影薄い土地に「まさか」

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：新屋演習場（下）影薄い土地に「まさか」

　地上イージスの配備計画に、周辺住民は戸惑い、反発する。連載「盾は何を守るのか」の第２部では、その思いの源流を、配備候補地がたどった軌跡の中に見ていく。　

　「夏の夜の夢」。秋田市新屋の戸井田錬太郎さん（８１）は３０年ほど前、こう題した一文をつづったことがある。新屋演習場の敷地に福祉施設を整備するアイデアをまとめたものだ。新屋地区の自治会報に投稿した。

旧秋田空港跡地の上空から小型無人機ドローンで撮影した新屋演習場。画面奥に秋田市の市街地が広がる＝今月１２日

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　新屋地区に引っ越して１０年ほどたっていた。戸井田さんの目に演習場は「住宅地になじまない、違和感のある場所」と映っていた。だが、周りの住民はそう感じていなかったようで、投稿への賛同は広がらなかった。

　月日がたち、戸井田さんは新屋地区の１６町内会でつくる新屋勝平地区振興会の会長になった。任期中の一昨年、演習場に、迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」（地上イージス）を配備する計画が浮上する。「まさか、こんなことになるとは思わなかった」　

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　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０１月３１日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：新屋演習場（中）変遷重ねる海辺の林

【盾は何を守るのか】：新屋演習場（中）変遷重ねる海辺の林

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：新屋演習場（中）変遷重ねる海辺の林

　地上イージスの配備計画に、周辺住民は戸惑い、反発する。連載「盾は何を守るのか」の第２部では、その思いの源流を、配備候補地がたどった軌跡の中に見ていく。　

「村之老幼追思其徳不能忘」

昨年１０月２９日、「適地調査」の開始に合わせ報道陣に公開された新屋演習場。砂地を囲むようにマツの砂防林が広がっていた

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　村民は老いも若きもその人徳をしのんで忘れることはできない―。そんな一文が刻まれた石碑が、新屋演習場から南へ約２キロの神社にある。江戸時代後期に新屋地区にクロマツの砂防林を築いた秋田藩士・栗田定之丞（さだのじょう、１７６７～１８２７年）を祭る「栗田神社」だ。

　「新屋の人々は長年、砂の害に苦しんだ」。県内の歴史愛好者でつくる「秋田歴史研究会」の会長を務め、新屋住民の一人でもある菅原忠さん（６９）は言う。

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　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０１月３０日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：新屋演習場（上）観音像はなぜ海を向く

【盾は何を守るのか】：新屋演習場（上）観音像はなぜ海を向く

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：新屋演習場（上）観音像はなぜ海を向く

　地上イージスの配備計画に、周辺住民は戸惑い、反発する。連載「盾は何を守るのか」の第２部では、その思いの源流を、配備候補地がたどった軌跡の中に見ていく。

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　小規模保育所園長の高橋摩美さん（４９）は、秋田市新屋に暮らして３０年以上になる。

　高台の上で観音像が海を向いて立つ。３体並んだ中央が「石山観音」。２８日朝も近くの住民が参拝に訪れていた＝秋田市新屋南浜町

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　自宅から７００メートルほど離れた国道７号の向こうに広がるのは、陸上自衛隊の新屋演習場。「たまにダ、ダ、ダっていう音がすれば『何か訓練してるな』と思うぐらい。そんな存在でしかなかった」

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　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０１月２９日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（４）「米国のため」疑念拭えず

【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（４）「米国のため」疑念拭えず

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（４）「米国のため」疑念拭えず

　日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。　

　佐竹敬久知事「日本の上空を越えていくミサイル、これを一定程度捕捉して、米軍にデータリンクする目的があるんじゃないですか」

　防衛省・深澤雅貴官房審議官「そこはあくまでも、日本を狙った弾に対処するためのものであって…」

　昨年６月２２日、佐竹知事らとの会談後に報道陣の取材に応じる小野寺五典防衛相（当時）。会談では、地上イージスを配備する理由について「北朝鮮の弾道ミサイルから日本を網羅的に防御するため」と述べた＝県庁

　昨年８月２７日に行われた佐竹知事と防衛省側との４回目の会談。イージス・アショア（地上イージス）は、ハワイなどへ向かうミサイルをレーダーで捉え、データを米軍と共有する役目を担うのではないか―。知事は疑問を呈したが、防衛省幹部は認めなかった。

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【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（３）日本配備、米で先行議論

【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（３）日本配備、米で先行議論

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（３）日本配備、米で先行議論

　日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。　

「アジア太平洋に展開している（米軍の）イージス艦の任務を軽減するのでは？」

　「それは確かだろう」

　２０１６年９月１４日の国会会議録（左上）。参院外交防衛委員会で稲田朋美防衛相（当時）は、イージス・アショアについて「導入する具体的な計画としてはない」と答弁した。その前年、１５年１１月に成立した米国の２０１６会計年度国防権限法（右下）には「日本政府がイージス・アショアを購入する決定は、緊密な同盟国との防空・ミサイル防衛能力の相互運用性と統合を促進する重要な機会となる」という議会声明が記されている

　２０１６年２月２４日、米連邦議会・下院軍事委員会の公聴会。ハリー・ハリス米太平洋軍司令官（当時）は、イージス・アショア（地上イージス）を日本が導入すれば米国にとってどんな利益が生じるのかを問われ、このように述べた。

　われわれ県民の前に地上イージスの配備問題が浮上したのは、１７年１１月。「陸上型イージス、秋田・山口に配備で政府調整」という全国紙の報道がきっかけだった。

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　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０１月０９日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（２）秋田の延長上にハワイ

【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（２）秋田の延長上にハワイ

『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【盾は何を守るのか】：太平洋の盾（２）秋田の延長上にハワイ

　日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。

　「イージス配備の真の狙いは？」

　福留さんが作成し、フェイスブックに投稿した地図。北朝鮮からハワイ、グアムへの最短経路が直線で描かれる図法を用いた。地上イージスの配備候補地とされる秋田市と山口県北部が直線とほぼ重なっていることが分かる

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　男鹿市に住む元秋田大准教授の福留高明さん（７１）は昨年８月、自身のフェイスブック（ＦＢ）にそう投稿した。米国の民間のシンクタンク「戦略国際問題研究所」（ＣＳＩＳ）のリポート「太平洋の盾」を和訳し、要点を紹介する内容だった。

　福留さんは昨年、イージス・アショア（地上イージス）の配備計画について、ＦＢに何度か投稿した。

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　◆日本で初めてとなる陸上据え置き型の迎撃ミサイル発射施設、地上イージスを秋田市に配備する計画が浮上して、１年が過ぎた。ギリシャ神話に登場する万能の防具「イージス」になぞらえた現代の盾は、何を守る存在なのか。計画の背景を探っていく。 

　元稿：秋田魁新聞社　朝刊　主要ニュース　特集・連載　【「盾は何を守るのか」・イージス・アショアを問う】　 ２０１９年０１月０９日 　０６：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。