路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【こちら特報部・07.17】:知事を告発した職員を「死をもって抗議」に追い込んだ兵庫県の「懲戒」 公益通報者を守れぬ「保護法」の実態

2024-11-20 06:47:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【こちら特報部・07.17】::知事を告発した職員を「死をもって抗議」に追い込んだ兵庫県の「懲戒」 公益通報者を守れぬ「保護法」の実態

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【こちら特報部・07.17】::知事を告発した職員を「死をもって抗議」に追い込んだ兵庫県の「懲戒」 公益通報者を守れぬ「保護法」の実態 

 パワハラや物品の授受を巡る兵庫県知事の疑惑を告発した県幹部の男性が、県議会の調査特別委員会(百条委)への証人出席を前に亡くなった。改正公益通報者保護法は通報者捜しや不利益な扱いを禁じているが、県は公益通報とは別に調査を行い、男性を懲戒処分としていた。組織の不正をただす告発者が、守られる環境を実現するには。(山田雄之、西田直晃)
職員へのパワハラなど斎藤元彦兵庫県知事の疑惑7項目を挙げた告発文書

職員へのパワハラなど斎藤元彦兵庫県知事の疑惑7項目を挙げた告発文書

 「3年前に多くの負託を受けた」「県政を前に進めることが、私の責任の取り方」。1時間40分に及んだ16日の斎藤元彦兵庫県知事の定例記者会見。進退を問われるたび、硬い表情で繰り返し辞職を否定した。

 ◆頭ごなしに「うそ八百」「公務員失格」

 発端となったのは、元県西播磨県民局長(60)が斎藤氏のパワハラなどを指摘した内部告発だ。退職前の3月中旬、疑惑7項目を挙げた文書を県議や報道機関に配布。元局長の告発文書によれば、「おねだり体質は県庁内でも有名」として物品を業者から譲り受けたことや、出張先の施設のエントランスから20メートルほど手前で車を降ろされた知事が歩かされ、職員を怒鳴り散らす出来事があったと訴えている。
 
 県は同月27日に元局長の退職を取り消す人事を発表し、斎藤氏は定例会見で「事実無根が多々ある」「うそ八百」「公務員失格」と断じた。告発にあったコーヒーメーカーの授受を幹部の1人が4月に認めたものの、県は5月にこの文書を誹謗(ひぼう)中傷と認定。元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。調査の中立性が疑われ6月に県議会が百条委を設置。元局長は今月19日に証人として出席予定だったが、7日に死亡しているのが見つかった。自殺とみられるという。

 ◆副知事は涙ながらに辞任を表明

 周囲からは辞職を求める声が強まる一方だ。12日に片山安孝副知事が涙ながらに引責辞任を表明し、斎藤氏にも複数回求めたが応じなかったと説明。14日には前回知事選で斎藤氏を推薦した自民党県連会長の末松信介参院議員が「大きな正しい決断をしてほしい」と事実上、辞職を要求した。
 
 関係者によると、元局長の死後、百条委で読み上げる予定だった陳述書や、斎藤氏が公務中に県特産品のワインをねだるようなやりとりが記録された音声データが残されていたことも判明。「死をもって抗議する」という趣旨のメッセージも残しており、遺族が提出した。百条委は16日の理事会で、19日の会合で調査資料とする方針を決めた。

 ◆パワハラの告発には事実が含まれていた

 斎藤氏はどんな人物か。東大卒の元総務官僚で大阪府への出向を経て2021年に県知事選に出馬。自民の支援が分裂する中、維新の推薦を受けて初当選した。
斎藤元彦兵庫県知事のホームページ(スクリーンショット)

斎藤元彦兵庫県知事のホームページ(スクリーンショット)

 「ひょうひょうとして、議会以外でもあいさつする腰が低い印象の知事だったので、告発内容は驚いた」と語るのは疑惑の解明に努める無所属の丸尾牧県議。4〜6月に庁舎前などで県職員向けのアンケート約400枚を配り、27人の回答があった。「擦り合わせると、おねだり体質やパワハラの告発には十分に事実が含まれていた。知事が具体的な説明を果たさず、職に固執する理由が理解できない」と首をかしげる。

 ◆通報後の処分は禁止されているが

 県職員労働組合の土取節夫中央執行委員長は「職員たちから『県政が滞っている』と聞く。一刻も早く刷新されてほしい」とした上で、「辞めたとしても責任が果たされるわけではない。人が亡くなっている。真実を明らかにしなければいけない」とくぎを刺した。
 
 兵庫県の元局長のような内部告発者を守るため、通報後の処分を禁止した「公益通報者保護法」がある。2022年施行の改正法で、受付窓口の整備が義務付けられたほか、調査担当者に守秘義務が課された。解雇や降格、犯人捜しといった通報者への不利益な扱いも禁じられたが、こうした報復に罰則は設けられなかった。
 
 元局長は告発文を配布し、4月に県の公益通報窓口にも同じ内容を通報した。しかし、知事は「公益通報には当たらない」と会見で表明し、公益通報窓口とは別の内部の調査を経て、元局長の懲戒処分を決めた。公益通報者保護制度に詳しい中村雅人弁護士は「通報の中身は公益に資する内容。処分は拙速だった」と話す。

 ◆公務員に「守秘義務のプレッシャー」

 同法では、事業者内部、権限のある行政機関、マスコミや労組といった第三者の三つの通報先が定められている。消費者庁が昨年、公的機関を含む1万人の就労者を対象に行ったアンケートによれば、勤務先の重大な法令違反を相談・通報すると回答した人のうち、65%が「勤務先」を最初の通報先として選んだ。従業員数が多いほど、この割合は高くなっている。
消費者庁が入る東京・霞が関の合同庁舎4号館

消費者庁が入る東京・霞が関の合同庁舎4号館

 だが、中村弁護士は「兵庫県の事例では、通報対象がトップの不正であり、内部通報で改善が望める効果は薄い。県自身が権限のある行政機関でもある。やむを得ない事情でまずは外部に告発した」と解説。「公務員の場合、民間労働者よりも守秘義務のプレッシャーは大きい。命懸けの勇気が必要な訴えに対し、懲戒処分という『伝家の宝刀』をトップがたやすく抜くのが許されれば、多くの人は制度を活用すべき場面で萎縮してしまう」と危ぶむ。

 ◆通報者側に求められるハードル

 前出のアンケートでも実際に相談・通報した人の17.2%が「後悔している」と答えた。複数回答の理由として「不正に関する調査や是正が行われなかった」(57.2%)、「不利益な取り扱いを受けた」(42.1%)などが挙がった。
 
 社内窓口への内部告発後に配置転換され、勤務先のオリンパスとの8年にわたる訴訟に勝訴した浜田正晴さん(63)は「通報者にとって、求められるハードルは非常識に高い」と指摘した。「公益通報者保護法が適用されるのは、刑事罰、過料に当たる違法行為に通報者自らが告発で言及した場合に限られる。一般のビジネスパーソンや公務員には非常に難しい」
 
 さらに、兵庫県の姿勢を疑問視する。「ろくに調べもしないで、元局長を切り捨てたように映る。百条委員会の場でしっかり事実を明らかにしてほしい」

 ◆不当な取り扱いに罰則を設けよ

 兵庫県に限らず、公益通報を巡る問題は各地の公的機関で相次いでいる。和歌山市では、不正支出を知った男性職員の公益通報で、20年に十数人が停職や減給といった処分を受けたが、別の部署に異動したこの男性職員が自殺。鹿児島県警では今年、内部文書をライターに送付した前生活安全部長が国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴されているが、弁護人は「趣旨は県警の隠蔽(いんぺい)を訴えることにあり、公益通報かそれに準ずる」として、公判で無罪を主張する構えだ。
 
 今年5月以降、改正法の課題を洗い出す国の検討会が始動。これまでに計3回実施され、一部の委員から「法制度の不備」「『不利益な取り扱い』に対する行政措置の早急な検討」といった声も上がった。前出の中村弁護士は議論の行方に期待する。「公益通報者保護の理念はまだ歴史が浅い。周知不足を解消するとともに、必要な内部通報が損なわれないよう、不利益な取り扱いにはペナルティーを設けるべきだ」

 ◆デスクメモ

 運輸業界不正を告発した串岡弘昭さんへの取材を思い出す。営業職を外され、30年以上草むしりなどの閑職に。それでも「社会のためにならない不正や違法は、国民に伝えなきゃならん」と話した。報道も告発者を守る制度を担う。誰もそんなに強くない。組織による報復は許されない。(恭)

  元稿:東京新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【こちら特報部】  2024年07月17日  12:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【解説】:“声を挙げた人”を保護する『公益通報者保護法』、死亡した元幹部職員には適用されず…なぜ守れなかったのか?兵庫県・斎藤元彦知事が下した“不適切な判断”を専門家が指摘

2024-11-20 06:46:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【解説】:“声を挙げた人”を保護する『公益通報者保護法』、死亡した元幹部職員には適用されず…なぜ守れなかったのか?兵庫県・斎藤元彦知事が下した“不適切な判断”を専門家が指摘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【解説】:“声を挙げた人”を保護する『公益通報者保護法』、死亡した元幹部職員には適用されず…なぜ守れなかったのか?兵庫県・斎藤元彦知事が下した“不適切な判断”を専門家が指摘 

 兵庫県・斎藤元彦知事の“パワハラ”“おねだり”などの疑惑を告発した元幹部職員が死亡した問題。兵庫県が行った調査や処分は正しかったのか?百条委員会で言及された『公益通報者保護制度』とは?淑徳大学教授・日野勝吾氏と元鳥取県知事・片山善博氏のダブル解説です。

 ■「死をもって抗議する」定年取り消し・役職解任・停職3か月…斎藤知事を告発した元幹部職員に、一体何が起きていたのか?

その月に迎える予定だった定年退職を取り消され… ©ytv© ytv

 2024年3月12日、元幹部職員は『告発文』を報道機関などに送付。そして、元幹部職員に対して人事課を中心に内部調査を進めていると公表した同月27日、告発文について斎藤知事が「事実無根の内容が多々含まれている。嘘八百を含め、文書を作って流す行為は公務員失格」と強い言葉で叱責しました。さらに兵庫県は、同月末に迎える予定だった元幹部職員の定年退職を取り消し、役職を解任。

『公益通報制度』利用も、結果を待たず懲戒処分に ©ytv© ytv

 同年4月4日、元幹部職員は『公益通報制度』を利用して県の窓口に相談し、担当部署が手続きを開始しました。しかし、同年5月7日、『公益通報制度』の結果を待たずに、兵庫県は内部調査の結果「核心的な部分が事実と異なる」として、元幹部職員を停職3か月の懲戒処分に。

『百条委員会』設置決定も、「死をもって抗議する」と… ©ytv© ytv

 同年6月13日、一部の県議から「内部調査では信用できない」との声があがり、県議会が『百条委員会』の設置を決定。しかし、その翌月の7月7日、元幹部職員は「死をもって抗議する」という趣旨のメッセージを残し、死亡しました。元幹部職員は『百条委員会で発言する内容をまとめた陳述書』『“おねだり”疑惑に関する音声データ』を残していて、同月19日には『百条委員会』が開催されました。

是正措置を求める方向で検討 ©ytv© ytv

 新たな情報として、元幹部職員が相談した兵庫県の『公益通報』担当部署によると、「通報を受けて調査に入った」「一部、強く叱責を受けた職員を確認した」としていて、『ハラスメント研修』や『贈答品の受領基準の明確化』など、是正措置を求める方向で検討しているということです(内容・時期など未定)。

 ■「『公益通報者保護法』は“声を挙げた方”を保護する制度」なぜ元幹部職員は保護されなかったのか?専門家が指摘する、斎藤知事が行った2つの“不適切な判断”とは?

『公益通報者保護法』とは? ©ytv© ytv

 百条委員会で言及されたのが、『公益通報者保護法』です。無所属・丸尾牧県議からは「公益通報という観点から、県当局の対応が妥当かどうか、検証が必要」、公明党・越田浩矢県議からは「公益通報者保護の観点から、(元幹部職員への対応は)とんでもない状況。百条委員会でしっかり検討する必要があるのでは」という発言がありました。

 『公益通報者保護法』とは、「不正の目的でなく、事業者内部の法令違反行為を通報した労働者等は、事業者による解雇等の不利益な取り扱いから保護される」というものです。ただ、県の内部調査に協力した藤原正廣弁護士は2024年5月7日、「(元幹部職員の)文書で記載されているのは、公職選挙法や地方公務員法(に関わるもの)であって、国民の生命身体に関わるものではないので、『公益通報者保護法』がいう公益通報には当たらない」としていました。

『公益通報者保護法』のエキスパート 淑徳大学・日野勝吾教授 ©ytv© ytv

 Q.『公益通報者保護法』は、プライバシーも守られるものですか?

 (『公益通報』に詳しい 淑徳大学・日野勝吾教授)

 「『公益通報者保護法』は“声を挙げた人を保護する”という制度で、通報を理由とした不利益な取り扱いを禁止している法律です」

 Q.藤原弁護士の「公益通報には当たらない」という発言は、どのように解釈したらいいですか?

 (日野教授)

 「日本の法律は約2000本ありますが、そのうちの約500本の法律を対象にしています。『地方公務員法』や『公職選挙法』といった法律については対象外としているので、藤原弁護士は『公益通報には当たらない』とおっしゃっています。ただ、音声データなどの裏付け証拠も出ていますので、『公益通報には当たらないが、告発内容が真実だと信ずるような相当な理由がある』と判断されるのであれば、内部告発自体が正当だという判断もあります。公益通報に当たらないからと言って一概に保護されない、とは言い難いと思います」

元鳥取県知事・片山善博氏 ©ytv

 (元鳥取県知事・片山善博氏)

 「その通りだと思います。また、『公益通報制度』は消費者庁が所管していて、消費者保護の観点なので、例えば“地方公務員法を適用しない”などと少し狭まっているので、自治体向けには合わないところがあります。それで、県でいろんな独自の制度を作っていて、兵庫県も『県職員公益通報制度』という制度を設けています。これは、『公益通報者保護法』に準じたやり方として、『県職員が県政への信頼を失墜させるような行為・法令違反があった場合に通報してください』というものです。4月4日に元幹部職員はそこに通報していて、当然それは『県職員公益通報制度』になるわけで、そうなると地方公務員法違反や公職選挙法違反も、それに乗っかります。『公益通報者保護法』には乗らないかもしれないけど、県独自の職員保護制度に乗ることを藤原弁護士は知っているはずなのに、それを考慮していないので、私は不信感を持っています」

専門家が指摘する、斎藤知事が行った不適切な判断とは ©ytv© ytv

 また、兵庫県の対応は適切だったかについて、日野教授は「知事は2度にわたり不適切な判断か」と指摘します。

 まず、2024年3月27日、元幹部職員に対して人事課を中心に内部調査を進めていると発表した日に斎藤知事が強い言葉で叱責したことや、3月末に迎える予定だった元幹部職員の定年退職を取り消し、役職を解任したことです。日野教授は、「中立性の乏しい人事課が調査したこと」「告発者が特定されてしまったこと」「知事の“否定発言”と解任処分」が不適切だったと指摘。

 そして、元幹部職員は県の公益通報窓口に通報を行い、担当部署が手続きを開始したにもかかわらず、その結果が出る前に、県が内部調査結果によって元幹部職員を停職3か月の懲戒処分としたことです。日野教授は、「公益通報担当部署の調査を待つべきだった」と指摘しています。

まずは『公益通報者保護制度』を知ることから ©ytv© ytv

Q.まだ事実がどうか不明な段階で元幹部職員が処分を受けたことで、風通しの悪い・声を挙げにくい職場だという印象は拭えません。これをどうしていくかというのも、大きな課題ですよね?

(日野教授)

 「“声を挙げづらい”という制度にしてはいけないと思います。片山さんもおっしゃいましたが、『県の公益通報制度』では“県民の信頼を損なう恐れがあるもの”を通報対象としていて、“公益通報者保護法よりも幅広く受け付けます。だからこそ声を挙げてください”という制度にしているのですが、実際は調査もせずに処分したり、是正措置を待たずして処分したりというような、実務運用上の失態を指摘せざるを得ないと思います。そもそも、人事課の内部調査はあくまで人事案件であって、『公益通報』は是正をするかどうかの制度で、懲戒したり懲罰を与えたりという制度ではありませんので、そこをしっかり理解することから始める必要があると思います」

一人で悩まず、相談を ©ytv© ytv

 報道や情報に触れ、つらい気持ちになったら、『こころのオンライン避難所』ホームページにアクセスしてください。電話やLINEでも相談できます。一人で悩まず、まず誰かに相談してください。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年7月22日放送)

Q.今回の経緯を見ていると“声をあげにくい職場”に見えてしまいますが、いかがでしょうか?

(元鳥取県知事・片山善博氏)

「その通りだと思います。また、『公益通報制度』は消費者庁が所管していて、消費者保護の観点なので、例えば“地方公務員法を適用しない”などと少し狭まっているので、自治体向けには合わないところがあります。それで、県でいろんな独自の制度を作っていて、兵庫県も『県職員公益通報制度』という制度を設けています。これは、『公益通報者保護法』に準じたやり方として、『県職員が県政への信頼を失墜させるような行為・法令違反があった場合に通報してください』というものです。4月4日に元幹部職員はそこに通報していて、当然それは『県職員公益通報制度』になるわけで、そうなると地方公務員法違反や公職選挙法違反も、それに乗っかります。『公益通報者保護法』には乗らないかもしれないけど、県独自の職員保護制度に乗ることを藤原弁護士は知っているはずなのに、それを考慮していないので、私は不信感を持っています」

専門家が指摘する、斎藤知事が行った不適切な判断とは ©ytv© ytv

 また、兵庫県の対応は適切だったかについて、日野教授は「知事は2度にわたり不適切な判断か」と指摘します。

 まず、2024年3月27日、元幹部職員に対して人事課を中心に内部調査を進めていると発表した日に斎藤知事が強い言葉で叱責したことや、3月末に迎える予定だった元幹部職員の定年退職を取り消し、役職を解任したことです。日野教授は、「中立性の乏しい人事課が調査したこと」「告発者が特定されてしまったこと」「知事の“否定発言”と解任処分」が不適切だったと指摘。

 そして、元幹部職員は県の公益通報窓口に通報を行い、担当部署が手続きを開始したにもかかわらず、その結果が出る前に、県が内部調査結果によって元幹部職員を停職3か月の懲戒処分としたことです。日野教授は、「公益通報担当部署の調査を待つべきだった」と指摘しています。

まずは『公益通報者保護制度』を知ることから ©ytv© ytv

Q.まだ事実がどうか不明な段階で元幹部職員が処分を受けたことで、風通しの悪い・声を挙げにくい職場だという印象は拭えません。これをどうしていくかというのも、大きな課題ですよね?

(日野教授)

「“声を挙げづらい”という制度にしてはいけないと思います。片山さんもおっしゃいましたが、『県の公益通報制度』では“県民の信頼を損なう恐れがあるもの”を通報対象としていて、“公益通報者保護法よりも幅広く受け付けます。だからこそ声を挙げてください”という制度にしているのですが、実際は調査もせずに処分したり、是正措置を待たずして処分したりというような、実務運用上の失態を指摘せざるを得ないと思います。そもそも、人事課の内部調査はあくまで人事案件であって、『公益通報』は是正をするかどうかの制度で、懲戒したり懲罰を与えたりという制度ではありませんので、そこをしっかり理解することから始める必要があると思います」

一人で悩まず、相談を ©ytv© ytv

 報道や情報に触れ、つらい気持ちになったら、『こころのオンライン避難所』ホームページにアクセスしてください。電話やLINEでも相談できます。一人で悩まず、まず誰かに相談してください。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年7月22日放送)

  元稿:讀賣テレビ 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・兵庫県・県の元幹部職員が知事のパワハラ疑惑などを告発した問題】  2024年08月09日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【混迷】:「知事のパワハラ」で揺れる兵庫県 もう一つの見過ごせぬ大問題 ◇言の葉OFFICEかのん代表 川邊暁美

2024-11-20 06:46:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【混迷】:「知事のパワハラ」で揺れる兵庫県 もう一つの見過ごせぬ大問題 ◇言の葉OFFICEかのん代表 川邊暁美

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【混迷】:「知事のパワハラ」で揺れる兵庫県 もう一つの見過ごせぬ大問題 ◇言の葉OFFICEかのん代表 川邊暁美

 ◆公務中止に追い込まれる

 筆者の住んでいる兵庫県が今、大きく揺れている。事の発端は2024年3月中旬、西播磨県民局長の男性職員が斎藤元彦知事の「パワハラ」や「違法行為」を告発する文書を報道機関などに郵送し、知事は「事実無根」「公務員失格」と局長を解任したことだ。

 ◆「死を持って抗議する」

 斎藤知事は、20年続いた前知事の県政を継承する元副知事を選挙戦で破った。当時43歳。「県政刷新派」の若い知事が誕生してから8月1日で丸3年となる。当初は選挙戦のしこりも少なからず残っていたであろうし、県政を進めるために毅然(きぜん)とした態度が必要なこともあったと思われる。新しい県政への期待感もあり、批判的な報道を目にすることは全くなかった。

 元稿:時事通信社 JIJI.com  主要ニュース 政治・行政 【地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題】  2024年07月29日  08:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県知事によるパワハラ疑惑】:新聞ではわからない疑惑の核心!「おねだり疑惑」斎藤知事はどこで間違えたのか

2024-11-20 06:46:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県知事によるパワハラ疑惑】:新聞ではわからない疑惑の核心!「おねだり疑惑」斎藤知事はどこで間違えたのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県知事によるパワハラ疑惑】:新聞ではわからない疑惑の核心!「おねだり疑惑」斎藤知事はどこで間違えたのか 

  (左)奥山俊宏・上智大教授、(右)斎藤元彦・兵庫県知事((奧山教授は田川基成撮影、齊藤知事はYouTube「ひょうごチャンネル」より))

 ◆問題の発端~罵詈雑言を重ねる知事

 ◆告発文書の内容は

◆公益通報制度に対する誤認識

 ◆「書式に沿って窓口に通報しなければ公益通報にならない」というのは誤解

 ◆「真実相当性」がポイント

 ◆裏付けられた告発の内容

 ◆公益通報者の探索は禁止

 ◆情報の伝え手を二度と撃つな

 ◆渡瀬局長の最後のメッセージ

 元稿:Slow News 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治・兵庫県・斎藤知事によるパワハラ疑惑】  2024年07月18日  17:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【迷走する兵庫県】:内部告発で右往左往…齋藤元彦知事の「おねだり」「パワハラ」疑惑文書拡散で兵庫県政が“異例の大混乱”

2024-11-20 06:46:20 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【迷走する兵庫県】:内部告発で右往左往…齋藤元彦知事の「おねだり」「パワハラ」疑惑文書拡散で兵庫県政が“異例の大混乱”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【迷走する兵庫県】:内部告発で右往左往…齋藤元彦知事の「おねだり」「パワハラ」疑惑文書拡散で兵庫県政が“異例の大混乱”

兵庫県の齋藤知事兵庫県の齋藤知事

 一通の告発文が兵庫県政を大きく揺るがしている。

 3月中旬、「齋藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」と題する文書が兵庫県下の関係各所に送付された。そこには齋藤元彦知事(46)の「違法行為」や「贈答品の受取」、「パワハラ」など7つの項目に関する疑惑が記されていた。

 文書は匿名だったが、県は西播磨県民局長だったA氏(60)が書いたと断定し、A氏を解任。齋藤知事は「ありもしないことを並べ、本人も認めている」と記者会見で説明したが、A氏は「事実無根の文書を作成したとは認めていない。事実関係を早急に調査すべきだ」と知事の発言を否定した。

 その後、県人事課が主導で内部調査を実施。「文書には根拠がなく、誹謗中傷」として5月7日、A氏を停職3ヵ月の懲戒処分とした。だが、県議団の中から調査は県の人事当局主導で行われ、公平性、客観性がないという意見が続出。県議が職員に対して改めてアンケートを行うと、パワハラと思しき知事の行動が7件確認されたという。

 5月20日付の読売新聞が「県の内部調査に協力した弁護士は県の利害関係者だった」と報じたことでさらに風向きは変わり、再調査を否定していた齋藤知事は信頼回復のため第三者委員会を設置すると方針転換した。

 二転三転する知事の言動、県政の対応――。兵庫県政で何が起こっているのか。数々の証言や資料から、その実態を追う。

 「告発文の内容は基本的に正しいという見方です

 本誌にこう断言するのは兵庫県の元幹部職員B氏だ。B氏は知事の職員の扱い方、公金の使い方に常々疑問を感じてきたと述べた。A氏と交流が深いB氏は、告発文が出された経緯についてこう説明する。

 「これまでの県政と現県政の最も大きな違いは、知事のリーダーシップです。井戸敏三前知事を含む歴代の県政では、最終的な政策決定は知事自らが行っていました。しかし、齋藤知事は『部長以下で決めて、大事なことだけ報告してください』というスタンス。職員は混乱して風通しが悪くなり、上長の顔色を伺う雰囲気になっていった。

 そんな状況を見かねたA氏は『県庁生活には満足し、感謝もしている。でも、このままだと残される後輩たちがかわいそうだ』と立ち上がり、告発文を出したのです。決して県政を混乱させるためではない。県政を正しい方向に持っていき、職員が働きやすい本来の環境に戻ってほしい、というのが彼の願いです」

問題となっている告発文

                     問題となっている告発文

 A氏が告発したパワハラ疑惑を職員はどう捉えているのか。現職の県幹部職員C氏は犯人探しが行われており、職員が戦々恐々としているため身分は隠してくださいという条件で、次のように話した。

 「知事は感情的なところがあり、何の前触れもなく怒り出すというタイプの方です。例えば芸術楽団などの催し物に呼ばれた際、『公用車の停め位置が遠い。歩く距離が長い』と怒り出したことがあります。現場に控室がないと『なぜ用意してないんだ』と激怒する。

 行事はホテルで開催されることが多いため、控室を用意するとなると、税金で部屋を借りねばならないのですが、そんなことはお構いなし。常に髪型のチェックを怠らないので、控室に姿見は必須です。職員はトイレの位置も細かく把握しておく必要がある。職務に必要なことというよりも、知事のご機嫌取り的な側面が強いと感じます」

告発文の中の、阪神の優勝パレードに関する記述部分
告発文の中の、阪神の優勝パレードに関する記述部分

 また、告発文の中では知事の「贈答品のおねだり体質」についても問題提起された。C氏が続ける。

 「齋藤知事が就任されてから、民間の力を積極的に借りて民間の資金も活用していこう、という方針になりました。ただ、特定企業とのタイアップは職員の中で問題視する声も小さくない。実際、知事は業界や経済状況の視察という名目で県内を回っていますが、“ただ見ているだけ”ということが多く、視察先で贈答品を受け取ることがメインとなっていると感じてしまう。我々はあの視察を『遠足』と呼んでいます」

 県職員や県民の意見を受けて、再調査の申し立てを行ったのが丸尾牧県議(59)だ。丸尾氏は職員にアンケート調査も実施した。その回答には、第三者委員会設置の要望や知事のパワハラ疑惑の数々、贈答品の受け取り疑惑についても、具体的に記されていた。なぜ、再審査の申立てを行ったのか。丸尾県議が明かす。

 「知事の発言や県の調査について、最初から違和感があったんです。告発文の内容が事実なのか、事実でないのか、調査をしようとしても行政側は情報をシャットアウトしています。とにかく真実を追及したいというところからスタートしました。

 報復とみられる人事を含む県側の過度な反応や、職員の萎縮は今後の県政運営に大変な障害となる恐れがある、という危機感があった。そこでアンケートを実施したところ、7名から具体的な回答があった。『事実を明らかにしてほしい』という強い要望の声をいただいています」

 アンケートの回答や、丸尾氏が県に提出した申立書の中で特に目を引くのが、「パワハラにより職員が自殺した」という文字だった。昨年11月に行われた阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードの担当課長だったD氏が自ら命を絶った疑いがあるというのだ。

アンケートに寄せられた実際の回答文。「G課長」は本文中のD氏のことを指す
アンケートに寄せられた実際の回答文。「G課長」は本文中のD氏のことを指す

 パレードには公費を投じない方針だったため、5億円をクラウドファンディングと協賛により集め、実現に漕ぎつけている。しかし、県職員によればクラウドファンディング自体では1億円ほどしか集まらず、残金を集めるため協賛企業や各所と調整を行っていたのがD氏だったという。

 捜査関係者が打ち明ける。

 「今年4月20日、たしかに当該の総務課長さんが遺書を残して亡くなられています。この方は、うつ病も発症していた。ただ、遺書の中ではパワハラに関する直接的な言及はありませんでした 

パワハラ疑惑に関して、衝撃的な記述が並ぶ
パワハラ疑惑に関して、衝撃的な記述が並ぶ

 職員の自殺について委員会でも質問が飛んだが、県は実態を明らかにしていない。前出の県幹部職員C氏が言う。

「昨年の阪神タイガースの優勝パレードの際、実務を行っていたのがD課長でした。非常に人格者で、部下からの信頼も厚い方でした。Dさんがいろいろな課を回り『お金が集まらなくて苦しい状況だ』と話されていたのを見て胸が痛みました。総務課長までやられた方ですから、本庁に残るのが基本ですが、春の人事異動で県の外郭団体に異動となっており、そこにも違和感を覚えました」

 兵庫県は知事の一連のパワハラ疑惑や、職員が自ら命を絶った疑惑についてどう捉えているのか。FRIDAYデジタルの取材に県人事課はこう回答した。

 「(騒動に対する)第三者委員会の設置につきましては、お答え出来る立場にないので回答を控えさせて頂きます。また職員に対するご質問に関しては、個人情報に伴う事項のためお答え出来ません」

 取材後の5月21日、齋藤知事は疑惑を調査する第三者機関を設置すると表明した。県議会では、百条委員会の設置も検討中だという。最大会派である自民党の一部やひょうご県民連合所属議員たちは6月議会での百条委員会設置を目指していくと語気を強める。

 自民党の伊藤傑県議(58)は県民の皆様の疑念は日増しに高まっていると憤る。

 「県政をクリアにするため、真実を追及するのは議員の責務だと考えています。知事からパワハラを受けたという職員さんから相談があり、『職員は処分を恐れており、内部調査の際は言えるわけがなかった』と話されていた。つまり、その程度の調査だったというわけです。職員さんを守る意味でも、第三者委員会だけではなく、百条委員会も6月定例会で議決し、即設置を目指していきます」

 だが、数々の疑惑を解明するのは容易ではない。前出の丸尾県議が改めて誓う。

 「第三者委員会や百条委員会による客観的な調査は当然必要ですが、仕組みができれば実態解明が進むかというと、そうは思わない。百条委員会が開かれても、我々も独自で調査していかないと真相解明はできないでしょう。事実が1つでも明らかになるよう、今後も追及していくつもりです」

 1人の職員の勇気ある告発により、知事に疑惑の目が向けられるようになった兵庫県政。今後予定される第三者委員会の中で、その真実は明らかになるのだろうか。県民からも早期解明を求める声が、日増しに高まっている。

 次の記事はこちら #2 【申し立て後に自殺か】兵庫・斎藤知事のパワハラ告発の元県民局長が命を絶った「深刻な理由」

  元稿:講談社 主要出版物 FRIDAY DIGITAL 社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事の疑惑告発文書問題】  2024年05月27日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【揺れる県政】:蹂躙された内部告発、兵庫県庁で何が起きているのか?

2024-11-20 06:46:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【揺れる県政】:蹂躙された内部告発、兵庫県庁で何が起きているのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【揺れる県政】:蹂躙された内部告発、兵庫県庁で何が起きているのか? 

  元稿:記者VTuber ブンヤ新太✐宮原健太によるストーリー 主要ニュース 社会 【疑惑・地方行政・兵庫県・斎藤元彦知事や県幹部に「違法行為があった」とする告発文書を作成した元西播磨県民局長が死亡した問題】  2024年08月13日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県・百条委】:阪神オリ優勝パレード巡る疑惑 「元副知事から協賛金依頼」と信金幹部証言

2024-11-20 06:45:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県・百条委】:阪神オリ優勝パレード巡る疑惑 「元副知事から協賛金依頼」と信金幹部証言

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県・百条委】:阪神オリ優勝パレード巡る疑惑 「元副知事から協賛金依頼」と信金幹部証言 

 兵庫県の斎藤元彦前知事を巡る疑惑が文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委員会)が24日開かれ、プロ野球阪神・オリックス優勝パレード(昨年11月23日実施)の企業協賛金を地元信用金庫に出してもらう見返りに、補助金を増額して還流したとされる疑惑について非公開で証人尋問を行った。出頭した信金幹部は低調だったパレードの協賛金集めを当時の片山安孝副知事から依頼され、それに応じて協賛金を支出したと証言した。

 最終的に補助金の予算額は当初の1億円から4億円に増額されたが、この日の百条委に出頭した県の担当幹部は増額の根拠については聞いていないとしつつ「無理やりでも根拠を作るのが事務方の務めだ」と証言したという。

 関係者によると、信金幹部は証人尋問で、パレード直前の11月下旬、片山氏から協賛金の依頼を受けた際に「(片山氏が)2千万円だったらありがたい、とおっしゃった」と証言。自身の信金を含む県内11信金に対しそれぞれ300万~50万円の範囲で、協賛金の支出を割り振る話し合いをしたと認めた。11信金は最終的に片山氏の依頼通り計2千万円の協賛金を出した。

 一方で、協賛金の見返りに各信金に対する県の新型コロナウイルス関連事業の補助金を増額して協賛金分をキックバックしたとの疑惑について「(因果関係は)全くない」と否定した。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 政治 【地方自治・兵庫県・県議会百条委員会、兵庫県の斎藤元彦前知事を巡る疑惑が文書で告発された問題】  2024年10月24日  22:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県議会百条委】:プロ野球優勝パレード疑惑 片山氏、寄付額2千万円提示か 信金の理事長が証言

2024-11-20 06:45:20 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県議会百条委】:プロ野球優勝パレード疑惑 片山氏、寄付額2千万円提示か 信金の理事長が証言

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県議会百条委】:プロ野球優勝パレード疑惑 片山氏、寄付額2千万円提示か 信金の理事長が証言

 兵庫県の元西播磨県民局長による告発文書問題で、文書で指摘された疑惑を検証する県議会調査特別委員会(百条委員会)が24日、非公開で開かれた。

 兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 昨年のプロ野球阪神とオリックスの優勝パレードを巡り、県が金融機関向けの補助金を増額し、寄付金として還流させたとする疑惑について、尋問を受けた県内信用金庫の理事長が、当時副知事だった片山安孝氏から寄付を依頼され、「2千万円」という額を示されたと証言したことが、関係者への取材で分かった。寄付の見返りによる補助金増額との指摘は否定したという。、・・・残り427文字 (全文667文字)

 ■この記事は会員限定です。

 元稿:神戸新聞社 主要ニュース 社会 【地方自治・兵庫県・県議会百条委員会、兵庫県の斎藤元彦前知事を巡る疑惑が文書で告発された問題、連載「揺れる県政」】  2024年10月24日  21:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫・斎藤元彦知事】:補助金キックバック疑惑 13金融機関の寄付額一覧を入手!

2024-11-20 06:45:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫・斎藤元彦知事】:補助金キックバック疑惑 13金融機関の寄付額一覧を入手!

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫・斎藤元彦知事】:補助金キックバック疑惑 13金融機関の寄付額一覧を入手!

 兵庫県の斎藤元彦知事の不信任案を県議会が9月19日に全員一致で可決し、斎藤知事は自ら辞職、あるいは失職するか、県議会を解散するという選択を迫られている。

 ■【図】13金融機関の寄付額一覧表はこちら  

 ただ、忘れてならないのは、斎藤知事が職を失う、あるいは県議会を解散しても、内部告発で明るみに出た知事や県幹部の疑惑が、すべて解明されたわけではないということだ。

<button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">9月24日、報道陣の取材に応じ、「どういう選択をするか、ほぼ固まってきました」と話す斎藤知事</button>
 9月24日、報道陣の取材に応じ、「どういう選択をするか、ほぼ固まってきました」と話す斎藤知事(dot.)

 内部告発された疑惑の中には刑事事件に発展する可能性があるものがある。中でも、AERA dot.が9月10日配信の記事「【独自】兵庫・斎藤知事らの補助金キックバック疑惑で金融機関幹部が重要証言『補助金と寄付はセットだった』」で報じたように、事件性が高いと言われるのが、「阪神・オリックスの優勝パレード寄付金集めのため、金融機関に補助金をキックバックさせた」という疑惑だ。  

 2023年11月23日、プロ野球日本一になった阪神とリーグ制覇をしたオリックスの優勝パレードが大阪・御堂筋と神戸・三宮で行われた。大阪府と兵庫県が連携し、警備などにかかる費用は企業からの寄付やクラウドファンディングで集めることになった。だが、大企業が多い大阪では比較的順調に寄付が集まったのに対し、兵庫ではなかなか寄付が集まらなかった。  

 元県民局長の内部告発文書には、こう記されている。

 〈クラウドファンディングや企業から寄付を募ったが、結果は必要額を大きく下回った。そこで、信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。幹事社は但陽信用金庫。具体の司令塔は片山(安孝)副知事〉  

 ここで県補助金と書かれているのは、県の金融機関向けの「中小企業経営改善・成長力強化支援事業」による補助金のことだ。2023年12月の補正予算を作成する際、11月14日の財政課長査定の段階では補助金総額は1億円だったが、16日の産業労働部の事業計画では総額3億7500万円に増額され、最終的に21日に斎藤知事の判断で4億円が補正予算に組み込まれることになった。数日のうちに補助金が3億円も増額されていた。

【関連記事】

 元稿:AERA dot. 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治・兵庫県・斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で知事不信任決議が可決された事案】  2024年09月25日  07:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【報道特集】:「もう1回聞くけど作ってないんかい」兵庫県知事“パワハラ疑惑”の告発者を追いつめた、犯人捜しの詳細記録を独自入手

2024-11-20 06:45:00 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【報道特集】:「もう1回聞くけど作ってないんかい」兵庫県知事“パワハラ疑惑”の告発者を追いつめた、犯人捜しの詳細記録を独自入手

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【報道特集】:「もう1回聞くけど作ってないんかい」兵庫県知事“パワハラ疑惑”の告発者を追いつめた、犯人捜しの詳細記録を独自入手

 兵庫県の斎藤元彦知事をめぐる内部告発問題。私たちは犯人捜しの詳細を記録した文書を独自入手しました。告発者はどのように追い詰められ、亡くなってしまったのか。実態を検証します。

 ◆A氏の聞き取りを担当した片山副知事(当時)「名前が出てきた者は一斉に嫌疑掛けて調べなしゃあない」

 兵庫県の斎藤元彦知事を告発した元県民局長のA氏。どのように告発者と特定され、追い込まれていったのか。

 今回、報道特集は新たに、A氏への聞き取り調査などの詳細を記録した3つの内部文書を独自に入手した。

 1つ目は、片山安孝副知事(当時)がA氏を聴取した際の内容。

 2つ目は、同じく聴取対象となっていたB氏に、A氏が電話をした際のやりとり。

 3つ目は、A氏が「自分が告発者だ」と明かした県幹部への電話の記録だ。

 報道特集が2024年8月に入手したマニュアルによると、聞き取り対象は3人。A氏を担当していたのは当時の片山副知事だった。

 1つ目の文書には、その片山副知事によるA氏への聞き取りの全容が記されている。

 聴取は西播磨の県民局長室で行われ、45分間に及んでいた。

 片山副知事

 「どういうことや、説明してくれ」

 A氏
 「やってません」

 片山副知事
 「もう1回聞くけど作ってないんかい」

 A氏
 「知りません」

 A氏を執拗に問い詰める片山副知事。

 A氏は、告発文を作成・配布したのは自分ではないと否定していた。

 すると片山副知事は、A氏のメールに告発文に似た内容が書かれていたことを挙げ、こう迫っている。

 片山副知事

 「これとほとんど一致するような内容で、知事を告発するような文書が県庁に届いたんや。なんでそこでお前のとこにこんな物があるんや。全く一致する物が」

 A氏
 「でも、これってみんなあちこちで言ってる話ですやん」

 片山副知事
 「何を言うとんねやお前、ほんまに作った覚えはないと言い張るんか。ないこと、あることな、まあ、ないことの方が多いけどさ、推測的なこともあるかもしれへんけど、警察に持ち込もうかと思ってる。一切知らんて最後まで言うの?」

 A氏
 「たしかに、これは情報をね、集めてというのはしましたけど」

 A氏は、メールは、噂話などをまとめて書いただけで、告発文を作ったのは自分ではないと繰り返し否定した。

 その後、片山副知事は、聞き取りの対象となっているB氏にも影響が及ぶことを示唆し始める。

 片山副知事

 「名前が出てきた者は一斉に嫌疑掛けて調べなしゃあないからな。いろいろメールの中で名前出てきた者は、皆在職しとるいうことだけ忘れんとってくれよな。まあ、手始めにBあたり危ない思うとんやけどな」

 この発言について、百条委員会で人事権をちらつかせた脅しだと追及されると…

 片山 前副知事(9月6日)
 「そのときの一つ一つの発言について厳しいところがあったことは委員長ご指摘の通りだと思います。その点は反省しております」

 ◆A氏とB氏の電話のやりとり 県幹部らが質問を指示「告発文はAさんが撒いたんですか」

 次に報道特集が入手した2つ目の文書。この聴取の直後に交わされた、A氏とB氏の電話のやりとりだ。

 A氏がB氏に電話をかけたとき、B氏は、県幹部ら2人から聴取を受けている最中。

 幹部らに通話をスピーカー状態にするよう指示されていた。

 A氏
 「片山さんが来て、取り調べを受けて、調べていたことがあって、このあいだ、それを文章にまとめたみたいなことをしたんやけど、それがバレて」

 B氏
 「えっ、Aさんがやったんですか」

 A氏
 「そうそう。Bちゃんがつながっているんじゃないかと、いろいろ勘ぐっていたから、ちょっと気にしとって」

 A氏は、B氏が聞き取りを受けている最中であることを知らなかった。

 県幹部らはB氏にA氏への質問を指示する。

 ※ここより、部長がメモ等で指示した内容をB氏が聴取

 B氏「えっ、告発文はAさんが撒いたんですか」
 A氏「うん。ここだけの話」
 B氏「それって、警察に撒いたんですか?」
 A氏「警察と議会とマスコミ」

県幹部らは、さらに協力者がいるのではないかとB氏に質問させる。

 B氏「荒ちゃん(荒木 元副知事)も絡んでいるんですか」

 A氏「絡んでへん」
 B氏「ほかの県民局長も、なんもなく、Aさんだけで?」
 A氏「そう、僕単独でやってん。事実上な」

 県幹部らが協力者ではないかと疑っていたのは、荒木一聡元副知事。実際はどうなのか。話を聞くと…

 荒木一聡 元副知事
 「どういう意味で言われたのか、よく分からないけれど、事実無根だし、職員が辛い思いをしているんじゃないか。申し訳ないけど、早く職員が元気でやっていくことが、県庁が元気になることだと思う」

 ◆「お咎めがあるとしたら俺だけ」県幹部に自らが告発者だと認めたA氏
 そして、3つ目の文書。B氏との電話の約2時間後、A氏は県幹部に電話をかけ、自らが告発者だと認めたことが記されている。

 A氏「さっきはしらを切ったが、俺がやったからあんまり調べんといて」
 県幹部「A局長が一人でやったということですか」
 A氏「俺が一人でやってん。それがほんまやから。だからお咎めがあるとしたら俺だけやんな」
 県幹部「そのあたりをどう判断するかですが。また、おいおいお聞きするかもしれません」
 A氏「ごめんな、こんな時に迷惑かけて。そっとしといてくれたらよかったのに」

 斎藤知事の疑惑をA氏はどのような思いで告発したのだろうか。告発の1か月前、県のホームページに掲載されたA氏のメッセージがある。

県民局長メッセージ(2月)
 「気がつけば、権力者の周囲には二流、三流のイエスマンが主流を占めている状況に。(中略)そのような組織の腐敗・内部崩壊も外部にはなかなか伝わりにくく、不祥事、事件の発生といった出来事でようやく世間の知るところとなるのです」

 告発の4か月後、A氏は、亡くなった。自殺とみられている。

 ◆“補助金の見返りにパレードの寄付金を募った”とA氏は告発「司令塔は片山副知事」

 A氏の告発文には2023年11月に兵庫県と大阪府の合同で行われた阪神・オリックスの優勝記念パレードについても書かれている。運営費用には、公費を投入しない方針が打ち出され、すべて個人や企業からの寄付金でまかなわれたのだが…

 告発文
 「信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。具体の司令塔は片山副知事」「パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症」

 企業からの寄付金集めを担当していた課長は、その後亡くなっている。

 元職員が寄付金集めの当時の状況について話してくれた。

 元県庁職員
 「寄付が全然集まらない、大変だ、という話は言われていて、どないするんやろう?と思っていた」

 県はパレード後も寄付を求め続けたが、状況は突然変わったという。

 元県庁職員

 「『プラスにかたが付きそうや』と。ポンとお金が出るわけがない。なんかするんやろうなと感じた」

 当時、県は中小事業者を支援した件数に応じて、金融機関に対し支払う補助金の予算化を進めていた。A氏は、この補助金の見返りに金融機関からの寄付金を募ったと告発したのだ。

 この補助金の予算は当初、約1億円の方針だった。

 しかし、その後、片山副知事から4億円程度に予算を増額するよう口頭で指示されていたことが内部文書で判明している。パレードの約1週間前の出来事だ。

 パレードの寄付金の受付時期を記した内部文書がある。ここにも不可解な点があった。

 パレード前に寄付を申し込んでいた金融機関は2社のみだったにもかかわらず、パレード後になって11社も増えている。

 300万円の寄付をしたという信用金庫の幹部は…

 信用金庫の幹部
 「片山副知事が本店に来られて『資金が不足しているので、改めて協賛(寄付)をお願いできませんか?』と。メリットなんて考えていません。地域の金融機関として協力しました」

 私たちは、寄付をしていて、かつ補助金を受ける予定の13の金融機関へ質問状を送り、8社から回答を受けた。そのうち県から直接依頼されたケースは3社あったが、8社すべてが寄付金と補助金の関係性を否定した。

 一方で、ある信用金庫の関係者から、こんな証言も得た。

 信用金庫の関係者
 「副知事から『寄付金が足りてないのだが、赤字を出す訳にはいかない。寄付できないか?補助金はしっかり出しますんで』と言われたそうだ。そう言われたら数百万の寄付は断れない。キックバックというより、補助金で釣られた」

 片山前副知事に話を聞こうと自宅を訪ねた。庭先に出ていたが、記者の姿を見ると中に籠り、そのまま応答することはなかった。 

 元稿:TBS NEWS DIG powered by JNN 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・兵庫県・知事によるパワハラ疑惑】  2024年09月14日  21:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部④】:「足りん。4億にせえ」1億円だった支援予算を号泣副知事のひと声で増額、

2024-11-20 06:44:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部④】:「足りん。4億にせえ」1億円だった支援予算を号泣副知事のひと声で増額、斎藤知事は「補正予算はキリのいい数字のほうが打ち出しとしていい」と予算増の根拠ゼロ。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部④】:「足りん。4億にせえ」1億円だった支援予算を号泣副知事のひと声で増額、斎藤知事は「補正予算はキリのいい数字のほうが打ち出しとしていい」と予算増の根拠ゼロ。 

〈兵庫県知事側近の“牛タン倶楽部”は3人離脱〉自死した告発職員を「保護対象として扱う必要なし」「居酒屋などで聞いた噂話を信じて文書を作成」県の担当弁護士を直撃すると…〉から続く

 昨年11月、兵庫県はプロ野球、阪神・オリックスの優勝祝賀パレードの資金集めに追われていた。そんな中、パレードへの協賛金の寄付を県から求められていた複数の信用金庫に対する補助金予算が、1億円から4億円に突然引き上げられた。斎藤元彦知事と当時の片山安孝副知事による増額指示を記録した県職員のメモには、はやりのキャッチフレーズ“身を切る改革”とは真逆の、ゆるみきった公金支出の実態が記されていた。

 〈追及・兵庫県〉「足りん。4億にせえ」1億円だった支援予算を号泣副知事のひと声で増額、斎藤知事は「補正予算はキリのいい数字のほうが打ち出しとしていい」と予算増の根拠ゼロ。阪神・オリックス優勝祝賀パレードの裏でなにが…、

 ■〈画像多数〉辞職の際に泣きじゃくった“牛タン倶楽部”の片山副知事と、斎藤知事と片山副知事が予算の増額を指示したことを記録した兵庫県職員のメモ

 ◆「虚偽の文書作成を認めた」は兵庫県のでっちあげ

 3月12日、当時の西播磨県民局長Aさん(60)は、知事や側近グループの違法行為疑惑を記した告発文書をメディアや県議、県警関係者ら10人に郵送した。

 挙げられた7つの疑惑の中に、片山副知事(今年7月末に辞職)が司令塔となって信用金庫への県補助金を増額し、それを協賛金としてキックバックさせ、優勝祝賀パレード費用に充てたとするものがある。文書には「パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症し、現在、病気療養中」とも書かれていた。文書が出た後の4月、このパレードを担当した課長Bさん(53)は自死している。

 「告発文書には斎藤知事がパワハラやたかりを繰り返しているとの指摘もありました。実際にパワハラは、知事は『犯意』を認めないものの、県職員相手に繰り返されていたことが明らかに。知事側近の産業労働部長がコーヒーメーカーを企業から受領したことも発覚しました。これは収賄の疑いがあります。告発文書の内容は徐々に事実である部分もわかってきています」(フリージャーナリスト)

 Aさんは告発文書送付の時点から、公益通報者保護法で県が不利益を与えてはならない立場になったとの見方が強い。ところが、斎藤知事は3月20日にこの文書の内容を知人から聞いて把握すると、疑惑の指摘を受けた当人なのに「事実と異なる記載が多々ある」と翌日に片山副知事らに「調査、対応」を指示したと説明している。

 片山副知事がAさんから公用パソコンを取り上げ、中に告発文書のデータがあることを確認すると、3月27日には斎藤知事が記者会見で「嘘八百」「公務員失格」とAさんを非難。斎藤知事らはAさんが3月末で望んだ定年退職を許さず、5月7日に停職3か月の懲戒処分を科した。

 Aさんへの攻撃はこれにとどまらなかった。

 「処分後も、Aさんのパソコン内にあった私的なデータを県総務部長が県議らに見せて回りました。県議会では、斎藤知事を3年前の知事選で推した維新の岸口実県議や増山誠県議がデータをすべて公開せよと要求を続けたのです。その先の7月7日、Aさんは遺体で見つかりました。自死とみられています」(県関係者) 

 斎藤知事は8月7日の会見で、告発文書の存在を知ったときは公益通報者保護法のことは念頭になかったと認めた。一方で、片山副知事が3月25日に聴取を行ない、そこでAさんが「噂話を集めて当該文書を作成し、配布したということを認めた」との報告を受けたとし、これを大きな根拠にAさんは保護対象ではないとの自説を開陳した。

 だが斎藤知事は、3月25日に行なったとする聴取の2日後である3月27日の会見で、Aさんが文書作成を認めたことと、自身の「虚偽内容が多々含まれている」との主張を勝手に組み合わせて「ありもしないことを縷々(るる)並べたような内容を作ったっていうことを(Aさん)本人も認めてますから」と発言している。Aさんが「認めた」とする行為の対象をでっち上げたこの事実は、7月24日の記者会見で集英社オンラインが質して発覚した。(♯4

 ◆「これじゃ足りん。4億にせえ」と副知事

 こうした“前(マエ)”がある知事だけに、Aさんが何かを「認めた」と主張しても報道陣はもはや信用せず、8月7日の会見では根拠となるAさんの供述内容の開示を求める声が次々と上がったが、知事は応じていない。

 「Aさんは生前、疑惑には誤ったものが含まれている可能性があることは認めたうえで県当局に『きちんと精査して』と申し入れています。

 告発にあるパワハラやたかりには実体があり、Aさんが自分の告発文書を“噂話を集めた”と貶めるはずがない。そもそもAさんは少なくとも3月末まで県からの聴取を受けていないと言っていました。知事の発言は今後、信用性を問われることになるでしょう」(県関係者) 

 こうした状況で、優勝祝賀パレード疑惑との関連が指摘される、県の「中小企業経営改善・成長力強化支援事業」の予算増額の経緯を示した文書の存在が明らかになった。

 同事業は金融機関が無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)を受けた中小事業者を支援すれば、1件当たり最高10万円を金融機関に支給するというものだ。

 昨年秋、所管の産業労働部 地域経済課と財政課は補正予算の算定で、総計1000の事業者に金融機関が支援をすることを見込み、1件当たり10万円ずつ、計1億円を計上する計画を立てた。そこに片山副知事が「これじゃ足りん。4億にせえ」と増額を指示したことが関係者の証言でわかっている。(♯5

 この過程で斎藤知事も野放図な支出拡大を指示していたことが発覚した。内部文書「令和5年12月補正予算 口頭指示メモ」には次のように書かれている。

 〇課長査定時点における片山副知事からの指示

 令和5年度12月補正予算項目を片山副知事に報告に行った際、片山副知事から財政課へ、事業廃止に向けて事業をソフトランディングできるよう、依然として金融機関等のニーズが高いことをふまえ、臨時交付金の活用を前提に、前年度補正額の1/2の4億円程度で事業設計するよう口頭で指示。その後、指示内容を財政課から産業労働部へ口頭で伝達。

 〇知事査定における指示

 知事査定(R5.11.21)において、全体をまるく4億円で計上するよう知事から指示。

 ◆公金支出の増額がいとも簡単にできる理由

 これについて県関係者が解説する。

 「片山副知事が4億円への増額を指示したのは11月中旬のことです。事業を巡っては11月14日の知事説明に使われた文書にも『1億』と書かれてありました。

 しかし、この時点ですでに副知事の増額指示が出ており、あまりに急だったので増額の根拠を示せなかった担当者は知事に『ここには今1億円と書いてありますが、これから変わるかもしれません』と説明しています。

 その後、11月16日に産業労働部が財政課に出した事業説明書には、総計4000の事業者を金融機関が支援するとの見込みをもとに、1件につき7万5000円~10万円の支援を金融機関へ行なうとして予算額を『3億7500万円』と書いています。

 副知事の指示より少ないのは、4億円もの補助金をつけるほど、金融機関が事業者支援を行なうとの見通しが立てられなかったためでしょう。ところが11月21日にこの新方針の説明を受けた斎藤知事は『まるく』4億にしろと、さらに増額を指示しています。予算の根拠はありません」(県関係者)

 公金支出の増額がなぜこれほどいい加減に実現するのか。

 「ゼロゼロ融資に絡む事業の原資が国の臨時交付金だからです。県の財政には痛くもかゆくもないから財政課も通したのです」(同関係者)

 結局、パレードに寄付をした金融機関への補助金は増額されていた。これについて斎藤知事は8月7日の会見で「4億円で制度設計するようにと片山副知事が財政課に指示をした」「補正予算はキリのいい数字で予算をつけるほうが打ち出しとしてははっきりするので、キリのいい数字にすることはある」と認めた。

 記者から「補助金の増額と引き換えにパレードの寄付を要求しなかったか?」と質された知事は「私はそういったことはなかったという風に認識しています」とだけ答えた。

 4億円の補助金については、支出が今年度に繰り越され、金融機関側にはまだ渡ってはいない。だが、阪神・オリックスの優勝祝賀パレードにカネを出した企業に国費が入ることに違和感を持つのは他球団のファンだけではないだろう。

 告発文書が指摘した疑惑は「金融機関の幹部が補助金と引き換えに協賛金を支出したことを認めない限り、立証は難しい」と話す県関係者もいる。だが、この関係者は「パレード費用の調達に兵庫県が苦労し、自死したBさんが大阪府と調整していたことは確かだ」とも話した。

 パレード資金の調達の闇は、疑惑の核心に浮上しつつある。

 ※「集英社オンライン」では、今回の問題について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

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  ■取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

 元稿:集英社 オンライン 主要ニュース 政治・行政 【地方自治・兵庫県・阪神・オリックスの優勝祝賀パレードの資金集めに追われて、パレードへの協賛金の寄付を県から求められていた複数の信用金庫に対する補助金予算が、1億円から4億円に突然引き上げられた問題】  2024年08月10日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部③】:「兵庫県知事側近の“牛タン倶楽部”は3人離脱」■自死した告発職員を「保護対象として扱う必要なし」

2024-11-20 06:44:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部③】:「兵庫県知事側近の“牛タン倶楽部”は3人離脱」■自死した告発職員を「保護対象として扱う必要なし」「居酒屋などで聞いた噂話を信じて文書を作成」県の担当弁護士を直撃すると…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部③】:「兵庫県知事側近の“牛タン倶楽部”は3人離脱」■自死した告発職員を「保護対象として扱う必要なし」「居酒屋などで聞いた噂話を信じて文書を作成」県の担当弁護士を直撃すると…

 兵庫県が今年5月、斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元西播磨県民局長、Aさん(60)。兵庫県がAさんに懲戒処分を出した際、調査に加わった弁護士がAさんの告発内容を「居酒屋の噂話を信じて作成した文書」と断定し、公益通報者として保護する必要はないと県に伝えていたことがわかった。一方、知事側近の3人が職場を離脱し、県議会調査委員会には疑惑に絡む“通報”が殺到している。斎藤知事の証人尋問も決まり、包囲網が狭まっている。

 ◆Aさんは公益通報者としての保護を求めたが…

 県中枢は7月下旬から大混乱に陥っている。

 「片山安孝副知事は7月末に辞職しました。さらに県ナンバー4の小橋浩一理事が体調不良だとして降格を願い出て認められました。

 これに加え、片山氏退任後に最も力を持つとみられていた井ノ本知明総務部長も体調不良を理由に出勤しなくなりました。いずれも“4人組”、“牛タン倶楽部”と言われた知事側近グループです」(県関係者)

 8月2日午前には、Aさんの告発文書に書かれた7つの疑惑を調べる県議会調査委員会(百条委)が開かれた。そこで県職員を対象に7月31日に情報提供を求めるアンケートを開始したところわずか2日間で3500件超の回答が寄せられたことが報告された。

 「新たな疑惑の告発がある可能性もあり、調査範囲はさらに拡大するでしょう」と県議の一人は話す。百条委ではAさんへの県の懲戒が妥当だったのかも問われることが確実視されているが、そこで解明の足掛かりになる文書の存在が今回明らかになった。 

 その前に一連の騒動を振り返る。

 3月12日にAさんが作成した告発文書では、斎藤知事や4人組によるパワハラやたかり疑惑のほかに、昨秋のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードの費用を捻出するため県が信用金庫に補助金を増額し、それをキックバックで寄付させたなどとする深刻な疑惑も書かれていた。

斎藤元彦知事(右)と、片山安孝副知事(左)(写真/共同通信社)
 
斎藤元彦知事(右)と、片山安孝副知事(左)(写真/共同通信社)

 3月25日に片山副知事らがAさんからパソコンを取り上げ、中から告発文書のデータを発見。2日後の27日、斎藤知事が会見で文書は「嘘八百」だと言い放つ。

 知事のパワハラや、“牛タン倶楽部”の一員である原田剛治・産業労働部長が企業から商品の供与を受けた不正が徐々に明るみに出て、Aさんの行動が内部告発であることが今でははっきりしている。

 だが斎藤知事は3月27日の会見で「ありもしないことを縷々(るる)並べたような内容を作ったっていうことを(Aさん)本人も認めてますから」と発言。Aさんが嘘を書いたと認めたかのような印象操作を行なった上、Aさんは「不満」を抱えて文書を書いたのだと、動機をでっち上げてメディアに広報していた。(♯4

 これを聞いたAさんは公益通報者としての保護を求め、4月4日に県の通報窓口で手続きを取っている。

 しかし、県人事課は、Aさんらから聴き取りを行なった上で、5月2日の綱紀委員会の議論を受け、停職3ヶ月にするとの「決裁書・報告書」を作成。斎藤知事が承認し、処分は5月7日に記者会見で発表された。そしてAさんは7月7日に自死した。

 ◆告発を「居酒屋で聞いた噂話」と断じた弁護士を直撃 

 今回、兵庫県明石市の辻本達也市議が県に公文書公開請求を行い開示された「決裁書・報告書」を入手。その中に、県がAさんを公益通報者保護法上の保護対象として扱う必要がないと判断した根拠とみられる「弁護士意見」が書かれていた。

 そこには「誹謗中傷文書を作成・配布する行為」との小見出しがあり、告発を「誹謗中傷」と規定。さらに以下のように書かれている。

 「作成した文書を10人に配って、その中にマスコミ関係者がいたということは、報道してほしいという意図しか考えられない。マスコミは仕事柄知ってしまった以上書かざるを得ないから広がることを期待していたと評価されても仕方なく、流布したという認定は可能。

 居酒屋などで聞いた単なる噂話を信じて作成した文書は、その内容が真実であると信じるにつき相当な理由にはならず、告発者の利益を守る対象ではない」 

辻本達也・明石市議が兵庫県から開示を受けた、Aさん処分に至る決裁文書(撮影/集英社オンライン)
辻本達也・明石市議が兵庫県から開示を受けた、Aさん処分に至る決裁文書(撮影/集英社オンライン)

 公益通報者保護法はメディアへの情報提供も公益通報とみなし、通報者の詮索や、通報者に不利益を与えることを禁じている。Aさんは文書を発送したときから保護対象になるとの見方が強いが、弁護士意見は真っ向からこれを否定している。
 
 辻本市議もこの点に注目し、「法律の専門家が“居酒屋”という表現も使って告発内容を一刀両断しており、驚きました。県にもAさんを公益通報者とする観点が見当たらない」と話す。

 県人事課は、この弁護士が5月7日の処分発表の記者会見に「兵庫県特別弁護士」の肩書で同席した藤原正広氏だと認めた。そこで藤原氏に2度にわたって電話で尋ねた。

 ――文書に書かれたことを話した記憶はありますか?

 「何とも申し上げようがないですね」

 ―-決済文書に「弁護士意見」と書かれています。

 「『真実であると信じる相当な理由があるか』というところは当然問題になっていたところではあるんだと思います」

 ――告発文書には真実であると信じる相当な理由はないという判断をしたのですか?

 「多分そう…、正確にはどう言ったかというのは覚えていない。多分そういう方向での話にはなってたとは思いますが」

 ――「居酒屋で聞いた話」という言葉は、Aさんがそう言ったのですか?

 「事情聴取の発言内容は今のところオープンにはできないということなんで、コメントはできないです」

 ――Aさんは公益通報者保護法の保護対象ではないかという検討は、調査でなされましたか?

 「私としては見解は示している」

 ――その結果が記載内容ですか?

 「いや、それがどういう受け止め方をされたかは存じ上げない」

 ――県に示した見解というのは、Aさんを保護の対象とすべきとの考えですか?

 「内容についてはちょっと申し上げられない」

処分の決裁文書にある「弁護士意見」(撮影/集英社オンライン)
処分の決裁文書にある「弁護士意見」(撮影/集英社オンライン)

 弁護士意見の核心は、告発文書には「真実であると信じるにつき相当な理由がない」と断定し「告発者の利益を守る対象ではない」と言い切っていることだ。この文言について、県人事課担当者は、公益通報者保護法を検討した末の藤原弁護士の判断だと説明した。

 ――弁護士の発言の主旨を県が変えたことはないですか?

 「(「弁護士意見」の記載は)一言一句そのままではないですけど、こちらで先生(藤原弁護士)からうかがったお話をまとめて記載しているということです」

 ――「告発者の利益を守る対象ではない」という文言があります。これは公益通報者保護法を検討した結果、こういった意見が出たのですか?

 「はい。そうですね」

 ――公益通報者保護法の対象に(Aさんが)なるかもしれないという検討はしましたか?

 「そうですね」

 ――弁護士はこのような意見を出し、結果あのような処分になったと?

 「そうですね」

 ◆弁護士意見の開示は知事と側近を追い込みたい勢力の仕業か

 一方、弁護士意見にある「マスコミは仕事柄知ってしまった以上書かざるを得ない」との記述も荒唐無稽だとの指摘が出ている。雑誌記者は「メディアに情報を寄せても裏付けが取れなければ記事にはなりません。タレコミがすぐ記事になるというのは妄想ですね」とあきれる。

 告発を「居酒屋の噂話」と一方的に断定した上、メディアへの情報提供についての理解も足りない弁護士意見は、開示された文書の中で処分が妥当だと主張している唯一の部分だ。

 この記述によって処分に必要な客観的な意見を得たように装った県はAさんの処分を決行したが、公益通報者保護法が当時どう扱われていたのかが開示であらわになった。

 Aさんをなぜ当初から公益通報者として扱わなかったのか、は重大な焦点に浮上している。

 斎藤知事は7月24日の会見で、「(Aさんが4月4日に手続きを取った)公益通報の前に今回の文書が配布されました。内容が真実ではない。核心的なところに虚偽の内容が入っていた。人事課もそこは問題だということで、懲戒処分の対象になるということで調査を進めたということです」と主張し処分手続きを中断しなかったことを正当化。

 その根拠に「当時の弁護士さんも、後から公益通報の手続きをとってもそれ以前に配布したことが保護される対象にはならないと発言をされています」と述べ、藤原弁護士がこの主張の根拠を与えたことも隠さなかった。

 

しかし、7月30日の記者会見では一転し、県の対応は「時系列を整理した上で説明したい」と説明を拒むようになった。

県関係者は「対応がまずかったため余計なことを言うなと誰かからアドバイスを受け、知事は態度を変えた印象を受けます」と話す。

7月30日の記者会見で話す斎藤知事(兵庫県運用チャンネルより)
7月30日の記者会見で話す斎藤知事(兵庫県運用チャンネルより)
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 口を閉ざしはじめた斎藤知事には、多くの問題をはらむとみられる弁護士意見の開示は痛手になると考えられる。

 これが黒塗りにされず表に出たのは、当時の処分が不当であることを明らかにして、斎藤知事や4人組を窮地に追い込みたい県庁内勢力の思惑があるのではないか、との見方まで出ている。

 8月2日の百条委は、8月30日に斎藤知事に対して証人尋問を行うことも決めた。調べの対象になった知事と一斉に姿を消した側近たち。兵庫県庁の混迷は深まっている。

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 元稿:集英社 オンライン 主要ニュース 政治・行政 【地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元西播磨県民局長、Aさん(60)・阪神・オリックスの優勝祝賀パレードの資金集めに追われて、パレードへの協賛金の寄付を県から求められていた複数の信用金庫に対する補助金予算が、1億円から4億円に突然引き上げられた問題】  2024年08月02日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部②】:「知事絡みのポスターはいらないと幼稚園が拒否」「感謝状もいらん」四面楚歌の“ボッチ”知事に新たな火種。

2024-11-20 06:44:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部②】:「知事絡みのポスターはいらないと幼稚園が拒否」「感謝状もいらん」四面楚歌の“ボッチ”知事に新たな火種。■県研究機構の副知事“不可解人事”を告発文書が指摘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部②】:「知事絡みのポスターはいらないと幼稚園が拒否」「感謝状もいらん」四面楚歌の“ボッチ”知事に新たな火種。県研究機構の副知事“不可解人事”を告発文書が指摘

 兵庫県の斎藤元彦知事らの違法行為疑惑を指摘する告発文書で、県政の混乱が続いている問題。県の事業に協力した人から「斎藤知事名の感謝状は受け取りたくない」という声まで飛び出し、県政の停滞は隠せない。“牛タン倶楽部”と陰口を叩かれた知事側近グループも体調を崩したり知事と距離を置いたりと解体状態で、県政を「前に進めていく」と言い続けているのは知事一人という状況になってきた。

 ◆疑惑の知事は県民からも総スカン

 斎藤知事を巡っては、日常的にキレ散らかすパワハラや、視察先で目についた特産品や商品を“ごっつぁんです”とばかりに届けさせるたかり体質がクローズアップされてきた。

 4月から県の幹部職員2人が相次いで自死。その背景に違法な公金支出疑惑や、こうした問題を指摘した公益通報者の保護制度を無視した人事報復があった可能性があることも明らかになっている。

 あまりの深刻さに、3年前の知事選で推した自民党県連も辞職を求めているが、知事本人は「選挙で大きな付託を受けた。県政を前へ進めていくのが私の責任」と繰り返し、知事を続ける構えを崩していない。 

Aさんが3月に作成した告発文書。7月19日に兵庫県議会百条委で一部黒塗りで公開された(撮影/集英社オンライン)
Aさんが3月に作成した告発文書。7月19日に兵庫県議会百条委で一部黒塗りで公開された(撮影/集英社オンライン)
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 こうした中、斎藤氏がトップにいること自体が県政の障害となっているとの悲鳴が次々と上がっている。

  「“ため池マン”のポスターを幼稚園などで貼らせてもらえないんです」
 
 そんな声まで現役職員から届き始めたと県関係者は怒りの口調で話す。

 「ため池が約2万1500も県内にある兵庫県は、斎藤氏の知事就任前からため池保全条例を設け、子どもたちにも重要性を知ってもらえるようにと“ため池マン”というゆるキャラをつくり広報をしてきました。ところが今や、ため池マンまでが憎しみの対象になっています」(県関係者)

  斎藤氏は昨年4月、環境保全イベントに登場。斎藤氏はコスプレ好きで知られ、各地のイベントに登場してきたが、この時もため池マンに扮して現れ、自身のSNSに写真付きで「私も変身。」とポストしている。

23年4月に斎藤知事が投稿したXのポスト
23年4月に斎藤知事が投稿したXのポスト

 「ため池マンは斎藤知事だというイメージが付き、ポスターの他にも『イベントへの影響も大。チラシも配れません』という声が出ているのです」(同関係者)
 
 県の事業に長年協力した人に感謝状を贈ろうとしても「斎藤元彦知事名の感謝状はいらん」と拒否される事態も起きているという。

 「現場は困っています。これ、県政の停滞じゃないんですか。知事には早よ辞めてもらわんと」と、この関係者は憤慨する。

 ◆告発文書に記された不可解な人事

 一方、県庁でも異変が起きている。

 「牛タン倶楽部はほぼ解体状態です。片山安孝副知事は7月末に辞任すると発表し、ほかのメンバーの理事や総務部長、産業労働部長の中には正常に出勤をしていない人もいます。一人はふさぎ込んでいて周囲が心配するほど。

 片山副知事は辞任発表時に、斎藤知事にも辞職を5回勧めたが拒否されたと話しましたが、ほかの幹部の中にも知事に退陣を求めた人がいるとの情報があり、もう支えられないとの空気が出ています」(別の県関係者)

辞任発表時に号泣する片山副知事
辞任発表時に号泣する片山副知事

 さらに、これよりも深刻な事態も起きていると別の関係者は話す。自死した2人のうちの1人、元西播磨県民局長、Aさん(60)は3月に斎藤知事らの違法行為疑惑についての告発文書を書いた。このAさんに県当局が懲戒処分で報復する過程で、Aさんへの情報提供を疑われた複数の職員が調査を受けている(♯3)。

 「その対象になった人の中にも心身の健康を崩した人がおり、友人らが心配しています。今回の問題では亡くなった2人以外にも深刻な被害から立ち直れていない人もいるのです」(関係者)

 また、告発文書を書いたAさんは3月末に定年退職を予定していたが、メディアや警察、県関係者に告発文書を発送したのは3月12日のことだ。

 目前となった定年まで待たなかったAさんの心情は、文書に挙げた7つの疑惑で「五百旗頭真(いおきべ・まこと)先生ご逝去に至る経緯」との項目を最初に置いたことからうかがえる。

 神戸大名誉教授で外交史研究者の五百旗頭氏は、防衛大校長を務め歴代首相の知恵袋的存在だった碩学だ。兵庫県出身で、井戸敏三前知事との縁から、阪神・淡路大震災後、県のシンクタンク「ひょうご震災記念21世紀研究機構」の理事長に就き、災害からの「創造的復興」という考えを提唱してきた。

 その五百旗頭は今年3月6日に研究機構で執務中に「急性大動脈解離」で倒れ急逝している。

神戸大で行われた五百旗頭真氏を偲ぶ会
神戸大で行われた五百旗頭真氏を偲ぶ会

 研究機構の副理事長には政治学者の御厨(みくりや)貴・東京大名誉教授や防災研究の権威、河田惠昭・京都大名誉教授という重鎮が名を連ねていたが、斎藤県政は御厨、河田両氏を職から外すこと決め、五百旗頭氏が死去する6日前に片山副知事が五百旗頭氏に通告に行っている。

 A氏の告発文書ではこれを以下のように厳しく批判している。

 「来年1月は阪神淡路大震災から30年の区切りの時を迎えます。機構の役割・使命を果たす事実上最後の大きな契機であると言っても過言ではないと思います。

 御厨、河田の両先生はまさにこの分野における第1人者であり、井戸前知事が要請し、兵庫県政に関わってこられました。五百旗頭理事長もお二人には全幅の信頼を寄せておられているにも関わらず、このタイミングでの副理事長解任はハッキリ言って、五百旗頭先生と井戸前知事に対する嫌がらせ以外の何ものでもありません」

 そして、この人事の背景として「とにかく斎藤氏は井戸嫌い、年長者嫌い、文化芸術系嫌いで有名です」と記し、「斎藤知事、その命を受けた片山副知事が何の配慮もなく行った五百旗頭先生への仕打ちが日本学術界の至宝である先生の命を縮めたことは明白です」と結んでいる。

 ◆井戸前知事の体制の否定が狙いか

 文書は片山副知事の通告が五百旗頭氏死去の「前日」だったと誤って書いており、片山副知事は辞職を発表した7月12日の記者会見で、自身の面会は6日前だったことを強調。

 さらに「4人いらっしゃる副理事長を組織の効率化から2人にすることをご相談していますが、削減するお二人の副理事長さんが兼務する『人と防災未来センター長』や『戦略研究センター長』につきましては続けて就任していただく方向で作業するとしておりまして、そのことで理事長さんを圧迫したという認識はありません」と反論している。

 さらに斎藤知事もこう主張する。

  「当時、片山副知事の報告を随時受けながら、適切に人事の対応をしてきたものと考えています。もちろん、五百旗頭先生や名前の挙がっておられる2人の先生についても、大変尊敬をしております。機構の人事は任期に伴う適切な判断だったと考えています。

 今回の機構の人事について、五百旗頭先生の命を縮めたことは明白というふうにあるのは、科学的根拠もないまま、ある種の誹謗中傷にもなるものなので、大変私自身も残念だと思っています」

斎藤元彦知事(右)と、片山安孝副知事(左)(写真/共同通信社)
斎藤元彦知事(右)と、片山安孝副知事(左)(写真/共同通信社)

 無論、今回の人事と五百旗頭氏の急逝の因果関係を証明することは不可能で、A氏の指摘はこの件では「告発」とも呼べないものだ。

 だが、県OBは「井戸前知事が自身の人脈も使って作り上げた綺羅星のような専門家集団を、斎藤知事は井戸体制を否定したいという一念でつぶしにかかっているとしか思えない。この人事は五百旗頭さんの両腕をもいだも同然で、時期的にも信じられない仕打ちだ」と話す。

 A氏が告発文書を書いた3月12日は、五百旗頭氏の初七日に当たる日だ。Aさんが3月末の退職を待たずに告発したのは、五百旗頭氏の死を見て、こらえきれなくなったのだろうと親しい知人は推測している。

 7月27日、五百旗頭氏ゆかりの神戸大で研究機構が「偲ぶ会」を開き、300人超の知人や県関係者が集った。斎藤氏は知事でありながら「弔辞の依頼は検討もされなかった」(県関係者)といい、献花をしただけで会場を離れた。

 その直後に記者団から、五百旗頭氏の急逝が告発文書で指摘されたことへの受け止めを聞かれると「本日は五百籏頭先生を偲ばしていただく会ですので、文書についてのコメントは差し控えたいと思います」とかわしている。

故五百旗頭真氏を偲ぶ会に参列した後、記者団に話す斎藤知事
故五百旗頭真氏を偲ぶ会に参列した後、記者団に話す斎藤知事
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 その上で「知事の仕事をしっかりやらせていただくということが大事だと思っています。先生のお考えやご遺志を継いでですね、災害に強い地域社会づくりというものを目指していきたいと思います」と県政継続になお意欲を見せた。

 だが、それを可能にする人材もトップへの信頼も、どんどん細っている。

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 ■取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

 元稿:集英社 オンライン 主要ニュース 政治・行政 【地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元西播磨県民局長、Aさん(60)・阪神・オリックスの優勝祝賀パレードの資金集めに追われて、パレードへの協賛金の寄付を県から求められていた複数の信用金庫に対する補助金予算が、1億円から4億円に突然引き上げられた問題】  2024年07月30日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部①】:兵庫県庁、2人目の自死を公表 ■「弔慰金集めを“牛タン倶楽部”が妨害」

2024-11-20 06:44:20 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部①】:兵庫県庁、2人目の自死を公表 ■「弔慰金集めを“牛タン倶楽部”が妨害」■なぜ阪神・オリックス優勝パレード担当課長の死は徹底隠蔽されたのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【追及・斎藤兵庫県知事&牛タン倶楽部①】:兵庫県庁、2人目の自死を公表 ■なぜ阪神・オリックス優勝パレード担当課長の死は徹底隠蔽されたのか?

 大阪府と兵庫県が昨年11月に行った阪神・オリックスの優勝パレード。兵庫県でその実施準備の中核となった50代の県課長・Bさんが今年4月に自死した。県は7月23日、死去から約3ヶ月経ってようやくその事実を県職員たちに明らかにした。それまでBさんの死は隠蔽を徹底するよう同僚にも圧力がかけられ、それは兵庫県中枢の一連の疑惑の“本丸”といえる問題に直結するからだと関係者は話す。

 ◆A局長の告発文書の中身

 兵庫県の斎藤元彦知事の体制下では、知事と“牛タン倶楽部”と陰で呼ばれる側近グループの違法行為疑惑を7つ挙げた告発文書を3月にメディアなどに送った元西播磨県民局長Aさん(60)が7月7日に自死している。

 知事と牛タン倶楽部はこの告発文書の内容を「嘘八百」と断じ、公益通報者保護法で守られるべきAさんを不満分子扱いして懲戒処分するなど、徹底的に弾圧していた。(♯4

Aさんが3月に作成した告発文書。7月19日に兵庫県議会百条委で一部黒塗りで公開された(撮影/集英社オンライン)
Aさんが3月に作成した告発文書。7月19日に兵庫県議会百条委で一部黒塗りで公開された(撮影/集英社オンライン)
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 このAさんが告発文書の6番目に書いたのが「優勝パレードの陰で」と題した問題だ。

 「令和5年11月23日実施のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードは県費をかけないという方針の下で実施することとなり、必要経費についてクラウドファンディングや企業から寄附を募ったが、結果は必要額を大きく下回った。

 そこで、信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。幹事社は〇〇信用金庫。具体の司令塔は片山副知事、実行者は産業労働部地域経済課。その他、××バスなどからも便宜供与の見返りとしての寄附集めをした」(※伏字は原文では実名)

 事実なら県補助金の違法支出や公金横領になる重い内容だが、この資金集めを担当したのがBさんだった。告発文書は続ける。

7月24日、会見で質問に応じる斎藤知事(撮影/集英社オンライン)
7月24日、会見で質問に応じる斎藤知事(撮影/集英社オンライン)

 「パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症し、現在、病気療養中」

 文書が指摘する信用金庫への県補助金というのは、県の令和5年度12月補正予算で4億円が計上された「中小企業経営改善・成長力強化支援事業」だ。

 金融機関から無利子・無保証融資(ゼロゼロ融資)を受けた4300の中小事業者に7万5000円~10万円を支援する内容で、県は金融機関に補助金を出す形になる。

 ◆“号泣辞職”の元副知事が増額を指示か 

 この問題に注目してきた丸尾牧県議は「所管の地域産業経済課によれば、昨年10月ごろに、事業者への伴走支援を実施する金融機関への補助の継続を決めています」と話す。

 丸尾県議が情報公開請求で開示を受けた優勝パレードの「協賛企業一覧」には関西を代表する有力企業を筆頭に、112社の名が並ぶ。

 寄付金額は公表されていないが、金額の規模によって企業は4ランクに分けられ、上から3番目の「シルバー」には、告発文書で「幹事社」と指摘された信用金庫を含む兵庫県内の金融機関が名を連ねている。

 問題の支援事業で補助を受ける金融機関も調べた丸尾県議は「補助対象の20社の中で12社が優勝パレードで寄付をしている形です」と話す。

 疑惑のスキームの「司令塔」と名指しされた片山副知事は7月末に退任すると発表し、7月12日に記者会見を開いた。

 その場で「阪神・オリックスの優勝パレードについてですが、必要経費について、企業からの寄付を募ることとなり、信用金庫への依頼は私が行いましたが、県補助金をキックバックするようにと言及したことはありません。あくまでも依頼を行ったものです。信用金庫への補助金は前期比50%減少となっています」と主張した。

退任発表の際は号泣するようなしぐさをした片山副知事だが疑惑は消えない(写真/共同通信社)
退任発表の際は号泣するようなしぐさをした片山副知事だが疑惑は消えない(写真/共同通信社)

 最後の「50%」のくだりは、前年より補助金が減っているのだからパレードを念頭に多く支出したのではない証左だと強調する意図だろう。
 
 確かに前期の令和4年12月の補正予算では同じ名称の事業費額は8億円で、昨年度は半減している。

 だが、県関係者によると、状況は全く違う。

 「実は担当の地域経済課はこの事業の額を1億円で計上していました。県内の資金需要などを計算して積み上げた結果、令和5年度に必要だと算出したのがこの額です。ところが片山副知事が『これじゃ足りん。4億にせえ』と口をはさみ、その額にせざるを得なくなったのです」

 片山知事はなぜ4億という数字を挙げたのか。

 「まったく分かりませんが、去年8億だったからその半分くらいはとかなんとか、めちゃくちゃな理由でした。

 最初の1億は細かな積み上げを基に出した数字だったのに4億なんて根拠も何もない。結局、片山副知事から指示が出た4日後に斎藤知事への説明がありましたがその時も積算根拠を説明できなかった。

 『ここには今1億円と書いてありますが、これから変わるかもしれません』という程度の説明をして、それが通ってしまったんです。それが去年の11月14日の出来事です」(同関係者)

7月19日に兵庫県庁前で行われた抗議行動で掲げられたプラカード(撮影/集英社オンライン)
7月19日に兵庫県庁前で行われた抗議行動で掲げられたプラカード(撮影/集英社オンライン)

  こうして作られた資金が信用金庫に流れ込み、それを原資にパレードの寄付が実際に行われていたとなれば完全な犯罪スキームだ。そこに県の業務として携わったBさんが自死をしているわけである。

 当然、労災である「公務災害」の可能性を探る必要が出てくるが、それが行われればBさんがどのような仕事をしていたのかが明らかになる。そこで県当局は、Bさんが亡くなったこと自体を認めない行動に出る。

 ◆牛タン倶楽部が何度も却下

 「兵庫県庁には現職中に不幸にして亡くなった職員が出た場合、公務災害認定などによる遺族への補償金支払いなどと別に、同僚が弔慰金を集める伝統があります。まったくの自主的な動きで『遺児育英資金』と呼ばれています。

 当然、職場の中核の一人だったBさんの急逝は隠しても隠しきれず、皆が知るところになりました。しかし、彼のご遺族に遺児育英資金を送ろうという行動が起きなかったのです」

 そう語る県OBはこう続ける。
 
 「彼の同僚らはもちろん集めようと声を上げました。ところが“上”がこれをつぶしにかかりました。それも一度ではない。同僚たちは複数回、育英資金集めを始めてほしいと掛け合っています」

 この県OBは、弔慰金集めをつぶした幹部の名を挙げるのをためらった。

 「課長級の人間の弔慰金集めを止められるのはメインのラインの人間しかいない」と答えたのに対し、記者が“牛タン倶楽部”に属する幹部か、とさらにたずねると「そう理解していい」と答えるのだった。

 さらに別の県関係者は「Aさんが告発した7つの疑惑のうち、パレードに絡む問題は“本丸”、最もヤバい事案でしょう。中心となって携わったBさんの死亡の背景に関心が向くことをどうしても避けたいという考えが働いたのではないでしょうかね」と話す。

昨年11月にパレードが行われた際に斎藤知事が行ったポスト(本人Xより)
昨年11月にパレードが行われた際に斎藤知事が行ったポスト(本人Xより)

 しかし一連の疑惑が拡大し、県政中枢部への批判が日を追って強まるなか、結局、Bさんの死も隠しきれなくな る。

 7月17日、県議会総務常任委員会で竹内英明県議が「遺児育英資金が今もって行われていないのか。(Bさんの上司の)県民生活部長は『やらねばならない』という思いが強いのに、それを止めた人間がいるんだという話が私に届きました」と質問した。

 この時、牛タン倶楽部の一員の小橋浩一理事は「守るべきは今のご家族のプライバシー。いろいろなアクションがないようにするのが我々の務めですから」と答弁。

 遺児育英資金を集める動きについてだけでなく、Bさんが亡くなったかどうかすら公式に認めない従来の姿勢を維持した。

 「この映像が直後からSNSで出回り、県庁に抗議電話が殺到しました。さらに小橋理事が答弁で、かつての直属の部下が亡くなったことを半ば認めるような発言をしたこともあり、県は対応を変えざるを得なくなったようです。7月23日午後、県は職員だけが見られるイントラネットでBさんの死を明らかにしました」(県関係者)

 翌7月24日、記者会見でなぜ3ヶ月間もBさんの死を伏せたのかと問われた斎藤知事は「遺族の意向」だったと答えた。

 ではなぜ明らかにしたのか。県人事課は、7月23日の昼過ぎにBさんの遺族代理人を名乗る弁護士が地元メディアに、遺族への直接取材を控えるよう求める書面を送ったことを挙げ、「そうした文書を出すことになったので県職員へ(情報を)出してもらっても構わないと(遺族から)連絡を受けました」と説明している。

 「Bさんの遺族には牛タン倶楽部のラインの県中堅幹部が専任で対応をしており、同僚の弔問も管理されている状況です。しかし、公務が原因と疑われる死を認めた以上、ご遺族が公務災害認定の申請をしないことはあり得ないでしょう」と県関係者は話す。

 Bさんの父親は息子の死について「こんなことになって残念だけど、私は事情を知らないんです。息子は実家に帰ってきても仕事の話はしませんでしたし、県からも説明はないです」と淡々と話した。Bさんの死の背景に何があったのか、解明は実現するだろうか。

  ※「集英社オンライン」では、今回の問題について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。
 メールアドレス:shueisha.online.news@gmail.com
 
 X(Twitter):@shuon_news  

 ■取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

 元稿:集英社 オンライン 主要ニュース 政治・行政 【地方自治・兵庫県・阪神・オリックスの優勝祝賀パレードの資金集めに追われて、パレードへの協賛金の寄付を県から求められていた複数の信用金庫に対する補助金予算が、1億円から4億円に突然引き上げられた問題】  2024年07月26日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【泉房穂氏】:兵庫県知事側近の降格申し出に「斎藤知事と“4人組”の責任がこれから問われ始めるのだと思う」

2024-11-20 06:44:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【泉房穂氏】:兵庫県知事側近の降格申し出に「斎藤知事と“4人組”の責任がこれから問われ始めるのだと思う」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【泉房穂氏】:兵庫県知事側近の降格申し出に「斎藤知事と“4人組”の責任がこれから問われ始めるのだと思う」

 兵庫県明石市の前市長・泉房穂氏(60)が1日までに自身のSNSを更新。兵庫県が7月31日に、県の主要施策を担当し斎藤元彦知事の疑惑告発文書問題の対応もしていた小橋浩一理事を降格させ、総務部付の部長級とする人事を発表したことに言及した。<button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">泉房穂氏</button>

泉房穂氏(スポーツニッポン新聞社)

 ■ 【写真】各界大物との3ショット!  

 小橋氏は、体調不良を理由に本人が降格を申し出たという。一連の問題の責任を取り、7月31日に辞職した片山安孝副知事に続き、知事側近が中枢を離れることで県政停滞に拍車がかかることが懸念されている。  

 県によると小橋氏は総務部長などを歴任し、4月に部長職より上級の理事に就任。斎藤氏肝いりの若者支援施策の取りまとめなどを担当した。7月下旬から休んでおり、同24日に「現在の県政を取り巻く状況で職務を遂行することが心身共に厳しい」として降格を申し出た。人事は8月1日付。  3月に県西播磨県民局長だった男性が関係者に配布した告発文書には「知事選挙に際しての違法行為」として小橋氏の疑惑も記載されていた。  

 斎藤氏は、小橋氏について、記者団の取材に「体調回復に専念してもらいたい。理事職は当面空席になるが、県庁は組織として仕事をするので施策はしっかり進められると考えている」と強調。自らの進退については「日々の仕事に専念する思いに変わりはない」と述べた。  

 泉氏は「いわゆる“知事側近の4人組”のことは、明石市長時代から、もちろん存じ上げている。斎藤知事が県政運営を”4人組”に丸投げしてきたのも有名な話だ。特に片山副知事は、ある意味、やりたい放題状態だった。斎藤知事と“4人組”の責任がこれから問われ始めるのだと思う」と自身の見解をつづった。  

 この投稿の前には「いわゆる“知事側近の4人組”のうち、副知事が辞職で、理事が降格申し出。県政を“4人組”に任せきりにしてきたのは有名な話。残る部長2人はどうしておられるのだろう」とも記した。

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  元稿:スポーツニッポン新聞社 スポニチSpnichiAnnex 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事の疑惑告発文書問題】  2024年08月01日  08:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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