路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①・12.06】:自民と企業献金 温存を画策する無反省

2024-12-06 07:45:50 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【社説①・12.06】:自民と企業献金 温存を画策する無反省

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.06】:自民と企業献金 温存を画策する無反省

 自民党は年内成立を目指す政治資金規正法の再改正案に、企業・団体献金の禁止を盛り込まなかった。存廃の議論を第三者機関に委ねるとするが、企業・団体献金を温存するため結論を先送りする意図は明らかだ。衆院選で惨敗してもなお、裏金事件を全く反省していないのではないか。

 立憲民主党の野田佳彦代表は5日の衆院予算委員会で企業・団体献金の禁止を政治改革の「本丸」に位置付け、賛同するよう迫ったが、石破茂首相は「禁止よりも公開が自民党の一貫した立場だ」とはねつけた=写真。
 営利を目的とする企業・団体が政治献金の見返りを求めるのは当然だ。政策をゆがめる恐れがあるからこそ、政治資金は公費助成と個人献金に移行すべきだというのが30年前の「平成の政治改革」の結論ではなかったか。
 企業・団体献金の透明性が向上すれば、問題が解消されるというのは、論点のすり替えだ。
 首相は若手議員として議論に加わっていたのに、政党助成制度の導入に伴い、企業・団体献金を禁止することになった経緯について「そういう事実はない」と発言したことは極めて不誠実だ。
 1994年、政治改革を巡る細川護熙首相とのトップ会談で自民党総裁として合意した河野洋平元衆院議長は「公費助成が実現したら企業献金は廃止しなければ絶対におかしい」と語っている。
 当事者だった当時の総裁の証言を、後の総裁が完全否定するとは驚きだ。企業・団体献金の全面禁止を巡る議論は尽くされている。第三者機関の検討を待たず、積年の課題を実行に移すべきだ。
 自民党の再改正案は、使途公開が不要な政策活動費を廃止するとしつつ、一部は非公表にできるようにしている。不透明な資金を新たに生むことは容認できない。
 衆院政治改革特別委員会は与野党からの改正法案提出を受けて、来週にも審議に入る。
 政治資金を巡る腐敗に「ノー」を突きつけた衆院選での民意を重く受け止め、与野党は徹底的な議論と幅広い合意形成により、抜本的な改革を早期に実現すべきだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月06日  07:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・12.06】:SNSと子ども 有害情報から守らねば

2024-12-06 07:45:40 | 【ソーシャルネットワーク(SNS)の功罪・社会的影響・子供・有害情報追放・事件

【社説②・12.06】:SNSと子ども 有害情報から守らねば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.06】:SNSと子ども 有害情報から守らねば 

 オーストラリア議会が、16歳未満がSNSを利用できないように事業各社に対策を義務付ける法案を可決した。保護者の意向にかかわらず全面禁止する法律が国家レベルで成立するのは初めて。
 
 SNS規制は「言論の自由」に触れる恐れがある難題だが、有害な情報から子どもの心身を守るには野放図な利用を放置せず、対策を講じるべきは当然だ。
 新法は違反事業者に最大50億円相当の罰金を科す厳しい内容だ。
 背景には、子どもたちがSNSから離れられず、睡眠障害やうつ病を患ったり、投稿内容を信じて拒食や自傷行為に走ったりするなど、心身への悪影響がある。児童ポルノなどの犯罪の温床になっているとの指摘もある。
 未成年者のSNS利用制限は世界的な流れでもある。米南部フロリダ州は14歳未満のアカウント取得を禁じる法律を成立させるなど一部の州が未成年の利用制限を法制化した。フランスは15歳未満の利用に保護者の同意を義務付けるなど欧州各国も規制を強めている。日本政府も検討を開始した。
 事業者側は自主規制に取り組んでいると強調するが不十分だ。
 若者に人気のインスタグラムやティックトック、日本で人気のX(旧ツイッター)など、多くのSNSは13歳未満がアカウントを取得できないようにしているが、虚偽の生年月日で登録は可能だ。
 年齢をどう確認するかを含め、より有効な対策を講じるために知恵を絞らねばならない。
 SNSの悪影響を受けるのは子どもたちだけに限らない。
 SNS上で自分と似た意見や思想ばかりが行き交う「エコーチェンバー」や、関心のある情報が優先的に表示され、関心のない情報から隔離される「フィルターバブル」はよく知られた現象だ。
 多くの人々が異なる意見に耳を傾けず、寛容さを失う一因ともされ、各国で広がる政治的な分断や対立とも無関係ではない。
 虚偽情報の拡散力は、それを打ち消そうとするファクトチェックの数倍強いとの研究結果もある。虚偽情報は選挙にも影響し始め、民主主義を揺さぶっている。
 こうした状況を放置すれば、規制はやがて利用者全体に及びかねない。SNSの運営者も利用者も自らをより厳しく律し、「言論の自由」を守り続ける方法を考えなければならない。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月06日  07:41:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗・12.06】:人は何のために生きるか。田中角栄元首相が逮捕されたロッキー…

2024-12-06 07:45:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【筆洗・12.06】:人は何のために生きるか。田中角栄元首相が逮捕されたロッキー…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗・12.06】:人は何のために生きるか。田中角栄元首相が逮捕されたロッキー…

 人は何のために生きるか。田中角栄元首相が逮捕されたロッキード事件の捜査にあたった元検事堀田力さんも思春期に悩んだが、中学校での性教育で手掛かりを得たという

 ▼自分は、何億もの精子との競争に勝った1匹の精子と卵子の合体で生まれたという事実を知った。自分が蹴散らし、生まれてくることもなかった何億もの仲間。その存在を思い、頑張って、いい人生にしよう-

 ▼小説家、新聞記者などと夢は変わったが、公衆浴場設置に絡み私腹を肥やした大阪府議を検察が摘発した事件を知り、かっこいいとあこがれて検事になり、定年前に退官し福祉の道に進んだ堀田さん。90歳で亡くなった

 ▼ロッキード事...、残り 281/561 文字

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 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年12月06日  07:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.05】:アマゾン検査 値下げ強要看過できぬ

2024-12-06 07:43:50 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【社説①・12.05】:アマゾン検査 値下げ強要看過できぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.05】:アマゾン検査 値下げ強要看過できぬ 

 ネット通販大手のアマゾンジャパンが、公正取引委員会から立ち入り検査を受けた。商品を出品した業者に値下げを強要した独占禁止法違反の疑いが持たれている。
 
 アマゾンが優位な立場を利用して取引先に経営上の損害を与えたのなら許し難い。公取委は法令に基づいて厳正に対処すべきだ。
 アマゾンの通販サイトには小売業者や個人がさまざまな商品を出品し、販売している。
 問題となったのは「カートボックス」と呼ばれる優先枠。消費者がスマートフォンなどでサイトを検索すると「お薦め」が大きく表示される仕組みだ。この枠に入るかどうかは商品の売れ行きを大きく左右する。
 公取委は、アマゾンが表示の条件として業者に商品の値下げを要求した例があるとみて、独禁法が禁じる優越的地位の乱用に当たるか否か、調査を進めている。
 国内のネット通販市場は約25兆円規模に成長した。その巨大市場で占有率トップを占めるアマゾンの力は絶大だ。業者側はアマゾンに取引を断たれれば販路を失いかねず、不当な要求でも応じざるを得ないのが実態だろう。
 力関係に圧倒的な差がある中、アマゾンが取引先の利益を軽視した上に、市場支配のさらなる拡大を狙って不当な要求をしたのなら、見過ごすわけにはいかない。
 アマゾンは2016年と18年にも取引先への圧力を巡って独禁法違反の疑いで検査を受けており、今回で3回目。繰り返し検査を受けるようでは、法令順守の姿勢を欠くと指摘されて当然だ。
 安価な商品を迅速に購入できるネット通販はもはや暮らしに欠かせないが、出品業者の犠牲の上に成り立つような形で利便性を向上しても長続きはしまい。
 自由で公平なネット通販市場の構築には、官民が力を合わせて、消費者利益の確保と取引先の保護を両立しなければならない。
 世界規模で広がるネット通販の公正な商習慣の確立に向け、公取委には同様の問題が浮上している欧米各国の関係機関とも連携するよう求めたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月05日  07:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・12.05】:韓国「非常戒厳」 民主主義の破壊を憂う

2024-12-06 07:43:40 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説②・12.05】:韓国「非常戒厳」 民主主義の破壊を憂う

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.05】:韓国「非常戒厳」 民主主義の破壊を憂う

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が3日夜、市民らの権利を制限する「非常戒厳」を宣言。国会決議を受けて4日未明に解除した。

 尹氏は緊急談話で宣言の根拠に野党が政府高官らの弾劾訴追発議を繰り返し、来年度予算案に合意しないことなどを挙げ「内乱を画策する明らかな反国家的行為だ」と強調したが、妥当性を欠く。
 宣言を受け、武装した戒厳司令部の部隊が一時、国会に突入するなど、武力で言論を弾圧する危険な状況を招いた。民主主義を破壊する強権の行使を憂慮する。
 韓国憲法77条は「戦時・事変またはこれに準ずる国家非常事態」には「公共の安寧秩序を維持」するために戒厳を宣布できると規定しているが、野党による国会での政治行動を「国家非常事態」とするには無理がある。
 手続き面の不備も指摘される。憲法89条や戒厳法は、非常戒厳の宣布や戒厳司令官の任命には、閣議に当たる国務会議での審議が必要で、戒厳の理由や種類、施行日時や地域、戒厳司令官の公告も必要だとしている。
 しかし、韓国の朝鮮日報(電子版)は、宣布や司令官任命の際に国務会議が開かれたかどうかは確認されていないと指摘。大統領の談話には日時や地域、戒厳司令官の名前は明示されていない。
 尹氏が、非常戒厳を「自由憲政秩序」を守るためと言いながら、憲法や法律を順守していなかったとしたら権力の乱用だ。
 韓国国会は4日未明、非常戒厳を解除するよう求める決議案を、出席した与野党190人の全会一致で可決した。憲法の規定に従って尹氏は非常戒厳を撤回し、非暴力で異常な事態は収拾された。
 尹氏は強硬策により少数与党で停滞する国政の局面打開を図ったのだろうが、求心力は逆に大きく低下。非常戒厳宣言の違憲性を追及する野党は大統領弾劾訴追案を国会に提出した。
 韓国政治の流動化は必至で、回復基調にある日韓関係の変化や日米韓3カ国の足並みの乱れ、東アジア情勢の緊張につながる可能性も否定できない。
 非常戒厳宣言は、権力者が政治目的遂行のために強大な権力を行使し得る民主主義の脆弱(ぜいじゃく)性も示した。韓国にとどまらず民主主義国共通の教訓として胸に刻み、市民やメディアは常に、権力者の動向を監視しなければならない。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月05日  07:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗・12.05】:韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、民主化を求…

2024-12-06 07:43:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【筆洗・12.05】:韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、民主化を求…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗・12.05】:韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、民主化を求…

 韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、民主化を求めるデモ隊を軍が鎮圧した1980年の光州事件が題材。当局に封鎖された光州に向けソウルからドイツ人記者を乗せるタクシー運転手を名優ソン・ガンホさんが演じた

 ▼政治活動が制限される戒厳令の下、民主化指導者で後に大統領になる金大中氏の地盤・光州での弾圧は激しく、死者は多数に。映画でも丸腰の人々が次々と斃(たお)れた。デモはソウルでもあり「戒厳令を解除せよ」と声を張りあげる場面があった

 ▼6時間で解除されたとはいえ、87年の民主化宣言以来初の戒厳発令だそうだ。韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が一昨日夜、野党が多数派の国...、残り 288/576 文字

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 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年12月05日  07:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・11.30】:「互いを批判しがち、建設的な国会にならない」…新選挙制度改革協議へ

2024-12-06 07:40:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【政界地獄耳・11.30】:「互いを批判しがち、建設的な国会にならない」…新選挙制度改革協議へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.30】:「互いを批判しがち、建設的な国会にならない」…新選挙制度改革協議へ

 ★ついに新選挙制度改革の協議が始まるか。今年6月「政治改革の柱として衆議院選挙制度の抜本改革を実現する超党派議員連盟」が発足。各党の幹部級も含めた約90人が参加した。そこでは「(選挙区で)1人しか当選できないことで、(複数の候補者が)互いを批判しがちな選挙になり、建設的な国会にならない」との声が出た。今の選挙制度は当時の米国や英国の2大政党制を取り入れた方が政権交代しやすく、小選挙区比例代表並立制の方がカネがかからないとの考えから始まった。

 ★22日、同議員連盟は衆院議長・額賀福志郎、同副議長・玄葉光一郎を訪ね、今臨時国会中に衆院全会派で構成され、選挙制度の抜本的な検討を行う正式な協議機関を設置すべきと要求した。議連幹事長・福島伸享(有志の会)は「議連の全ての政党・会派の中では、現行の選挙制度に限界が来ていることは共通認識だ」とした。また28日には与野党の国対委員長・自民・坂本哲志、立憲・笠浩史が衆院議長と会い、同様の協議会の設置を求めた。22年に施行された衆院小選挙区を10増10減する改正公職選挙法では、付帯決議でさらなる選挙制度改革について「25年の国勢調査の結果が判明する時点をめどに具体的な結論を得るよう努力する」とあり、この要求は逆算すると今から始めないと間に合わないという現実もある。

 ★選挙制度改革は政治改革につながるという考えは各党の共通認識だが、同時に世界の2大政党制の崩壊が引き金にもなっている。米国では共和党が政策を出せば民主党がつぶす、その逆もしかり。トランプ政権以来米国は国民の分断が進み、2大政党はそのまま国家の二極化に変容する。また昨今のSNSを軸とする選挙手法にもメスを入れたいが憲法で保障するさまざまな自由に抵触しかねず、そして法制化は難しい。選挙制度の中で公正な選挙への誘導が必要との認識だろう。無論1票の格差は人口減や格差社会に直結する。政治家の人材不足や低レベル化の歯止めも必要だ。選挙制度は急務だ。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年11月30日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・11.29】:若手の登用も仕事をさせない立民 自民以上に前途多難

2024-12-06 07:40:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳・11.29】:若手の登用も仕事をさせない立民 自民以上に前途多難

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.29】:若手の登用も仕事をさせない立民 自民以上に前途多難 

 ★28日、第216臨時国会が召集された。会期は12月21日までの24日間。主たる目的は経済対策と能登災害の24年度補正予算案成立だ。先の衆院選で自民・公明両党が少数与党に転落後、最初の論戦の場となるが石破政権が野党にどう臨むか。また野党第1党の立憲民主党は、予算委員長を始め常任委員長を据えたことで反対野党だけではいられなくなる。与野党の国会運営が一つの焦点となる。

 ★立憲民主党は先の衆院選挙で公示前の98議席から50議席増の148議席となり大躍進を遂げた。解散直前に党代表選があり、野田佳彦が代表に選出。中道保守を掲げ、攻める野党を演出した。だが同党に選挙後勢いがない。まず選挙には勝ったがどんな政治をするのか、中道保守の中身が語られない。野田執行部の人事に戦う姿勢が感じられず弱い。幹事長・小川淳也、政調会長・重徳和彦だが何をしたいのかわからない。党内からは「小川の存在感がない」「自民党は森山裕、国民民主は榛葉賀津也と幹事長は迫力が必要。発言も話題にならない」。「重徳はテレビに出るたび胸に日米の国旗をあしらったバッジをつけている。これは何のメッセージなのか。党のスタンスなのか」といった声が上がる。結局、大勝したものの立憲とはどんな政党か、目標やビジョンが見えない。

 ★小川は党の人事を見ると幹事長の上に代表代行(党務総括)兼選対委員長・大串博志がいる。重徳の上には代表代行(政策統括)・長妻昭が君臨する。「幹事長と政調会長の上に統括がいたら何もできないし、発言も制限される。他党には発言の重みも変わってくる。これでは何のための若手の登用かわからない」と不安を口にする議員は多い。「これは選対本部長代行・小沢一郎としたものの、その上に総合選対本部を作ったやり方と同じ。仕事をさせない仕組みだ」(立憲ベテラン議員)。「政治音痴、選挙音痴、政局音痴の演説男・野田が権限を抱え込んだところで党勢は拡大しない。これで参院選に勝てるのか」(立憲関係者)。立憲は自民党以上に前途多難だ。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年11月29日  06:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.06】:宿泊税条例案 「何に使うか」議論尽くせ

2024-12-06 07:00:30 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【社説・12.06】:宿泊税条例案 「何に使うか」議論尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.06】:宿泊税条例案 「何に使うか」議論尽くせ 

 急増する訪日外国人観光客などへの対応を理由に、自治体独自の法定外目的税として「宿泊税」を導入する動きが全国で加速している。

 広島県はきょう開会する県議会定例会に関連の条例案を提出する。宿泊料金が6千円以上のホテルや旅館、民泊などの利用者に11200円を一律に課すのが軸で、事業者の罰則規定もある。

 ビジネス利用も対象で県民からも徴収する。修学旅行など学習指導要領が定める学校行事を免税としたのは、全国から集う平和学習に及ぼす影響も考慮したのだろう。

 中国地方では島根県松江市でも1200円を課税する条例案が市議会定例会に上程中だ。全国では2002年の東京都以来、計14自治体が課税を開始したか、導入を決定した。宮城県と仙台市でも10月に条例が成立したばかりだ。

 観光行政の一つの手法として今後も広がっていくとみていい。課税に当たって説明を尽くし、かつ本当に必要な使途に充てるなら宿泊税そのものに意義は見いだせよう。

 ただ新税を何に使うのか、事業者や住民が十分に納得できないまま条例化したところもあるようだ。よそもこうだという横並びの発想でなく、地域の実情に応じたきめ細かな議論が求められる。

 年に23億円余りの納税額を想定する広島県では、これまで免税の対象などが専ら焦点だった感もある。肝心の使途はどうなのだろう。

 県の説明資料によれば、県内全域での周遊促進や宿泊滞在時間の増加への取り組み、外国人観光客への対応、観光産業の持続的成長などに関する新規・拡充事業を主な使途として挙げる。相当な手間が迫られる事業者の負担軽減措置や、県内市町への交付金などにも活用するという。

 いまひとつイメージが湧かないものもある。周遊観光の促進もそうだ。現状は広島市の平和記念公園と廿日市市の宮島が集客の核だろう。動線をどうしていくのか、より具体的な策を例示した方が理解を得やすいはずだ。例えば18年に導入した京都市は宿泊税を財源に、主要観光地に直行する「観光特急バス」を今年6月から走らせている。

 県としての観光戦略の基本が今こそ問い直されよう。

 「観光公害」を考えるにしても、ごみ問題やトイレ不足に直面するのは市町の方だ。県からの宿泊税の配分方法が検討段階なのは気になる。

 宮城県と仙台市は条例を基に宿泊者から1300円を徴収した上で、市内では県に100円、市に200円を配分する仕組みを設けた。広島県の徴収額の最多は広島市とみられるが、足元の使途にはどれほど還元されるだろう。

 県は26年4月以降の導入を見込む。条例ができても事業者への周知など今後のプロセスは課題が山積する。県議会の審議では先行自治体の課題も踏まえ、徴収の在り方と使い道の両面について議論を尽くしてもらいたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月06日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録・12.06】:長い前置き

2024-12-06 07:00:20 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【天風録・12.06】:長い前置き

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.06】:長い前置き

 石破茂首相の話し方の特徴は前置きが長い。昔話だったり、背景の説明だったり。丁寧で親切とも言えるが、遠回りに感じられることも多い。きのう始まった衆院予算委員会の答弁を聞きながら感じた

 ▲野党が廃止を求める企業・団体献金について「悪ではない」と言ってのけた。その前置きの柱は1970年に出された八幡製鉄政治献金事件の最高裁判決。会社は国民と同じく、政治的行為の自由が憲法上保障される存在である、との判断を下した

 ▲自民党の読み解き方に、元最高裁長官の故岡原昌男さんが国会でかつて異議を唱えていた。当時あれほど企業献金が行き渡っていては違憲違法と言えなかった。あれは自民党を「助けた判決」だ―。きのう野党議員が取り上げた

 ▲助けられ、たがが緩んだのか。その後もロッキード事件やリクルート事件など汚職は後を絶たない。もらう側もあげる側も襟を正さぬなら廃止や規制をするしかない。だが、「平成の政治改革」でも手つかずのままだ

 ▲先の判決文は金権政治の懸念に「対処する方途はさしあたり立法政策にまつべきこと」と記す。見直しに取り組まぬ前置きはもう結構。令和の改革で覚悟を決めてもらいたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年12月06日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.06】:低年金の女性 就労と生活両面で支援を

2024-12-06 06:05:30 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説・12.06】:低年金の女性 就労と生活両面で支援を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.06】:低年金の女性 就労と生活両面で支援を 

 政府は公的年金の財政検証で、これから高齢になる女性の年金受給額が男性より少ない見通しを示した。

 女性の低年金問題が続くことを裏付けるデータだ。働く環境の改善や生活支援につながる政策に生かしたい。

 財政検証は5年に1度、年金財政の健全性を点検するために実施している。性別、世代別の年金受給額を公表したのは初めてだ。働き方や配偶者の有無による受給額の違いがイメージしやすい。

 過去30年の経済状況を投影した試算では、1974年度に生まれた50歳の女性が65歳で受給する年金は月平均9万8千円で、男性の平均額より4万3千円少ない。6割弱が10万円以下になる。

 94年度生まれの30歳の女性は、働く人が増加するため、65歳の受給額は月平均10万7千円に増える。それでも10万円以下が半数近くを占め、男性との格差はあまり縮まらないようだ。

 結婚や出産をきっかけに会社を退職するなど、女性の厚生年金加入期間が短いことが格差の要因である。正社員で勤めても、昇給で男性との格差があれば将来の年金に跳ね返る。

 パート労働など比較的年収が少ない女性や専業主婦は、低額の国民年金だけの受給になる人が多い。

 年金受給額を増やすには、厚生年金の加入期間を延ばす必要がある。そのために出産や育児期間を経ても働き続けられる職場づくりが欠かせない。介護休業制度も充実させるべきだ。

 企業努力と行政施策だけでなく、社会全体で取り組む機運を高めたい。

 もはや家事や育児、介護を女性だけが担う時代ではない。家族で分担する意識を共有したい。

 厚生年金の保険料負担が生じないように働く時間を抑える「年収106万円の壁」は見直しに向けて動き始めた。

 厚生労働省は、厚生年金の適用対象を拡大する方向で検討している。手取りの減少を抑える手だてと、保険料を折半する企業の負担軽減策が必要になる。

 国会でも「壁」を巡る論議が活発になってきた。働く意欲と老後の安心につながる制度設計を求めたい。会社員や公務員に扶養され、保険料負担を免除される「第3号被保険者」の制度見直しも論点にすべきだろう。

 低年金で困窮する高齢女性は未婚や離婚、死別などで1人暮らしの人に多い。その数は増え続ける。

 借家住まいであれば、家賃負担で日々の暮らしが厳しくなる状況は想像に難くない。生活費を賄うために働こうとしても、加齢とともに職種は限られる。

 国や自治体は低所得者向けの住宅政策を拡充すべきではないか。低年金の男性にも役立つ。高齢の困窮者を支援するNPOを財政面から後押しすることも有効だ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月06日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.06】:韓国政治の混乱/異様な「暴走」を非難する

2024-12-06 06:00:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説・12.06】:韓国政治の混乱/異様な「暴走」を非難する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.06】:韓国政治の混乱/異様な「暴走」を非難する 

 民主主義国として安定していた韓国の政治が大混乱に陥っている。発端は、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣言だ。軍の力を頼みに自らの権力を守ろうとした。民主主義のルールを無視する暴挙であり、強く非難する。

 世界に激震が走ったのは3日夜である。尹大統領が緊急談話を発表し、野党が国会を利用して行政や司法をまひさせていると批判。「自由憲政秩序を守るため」として、1987年の民主化以降初となる戒厳令を宣布した。

 これを受けて、戒厳司令部が政治活動の禁止やメディア統制を含む布告令を出し、武装兵が国会本館に突入する事態となった。市民や学生を弾圧した軍事政権時代の光景と重ね合わせ、衝撃を受けた国民は多いに違いない。

 非常戒厳は、国会の決議を受けて約6時間後に解除された。全閣僚は辞意を表明している。野党は明らかな憲法違反があったとして、大統領の弾劾訴追案を国会に提出した。早ければ7日にも採決される。尹氏の求心力低下は不可避だろう。

 尹氏は2022年に就任した。国会は今年4月の総選挙で勝利した野党が過半数を占め、政権運営は停滞していた。野党は官僚らの弾劾訴追案を相次ぎ提出し、大統領夫人の不正疑惑も国民の反発を買った。支持率が2割と低迷する中、窮地から脱するために無謀な策に打って出たとみられる。

 追い込まれていたとはいえ、大統領の緊急談話は異様と言わざるを得ない。野党の行動を「反国家行為」と決めつけ、「北朝鮮の共産勢力から大韓民国を守る」と主張した。根拠は不明である。 

 神戸大大学院の木村幹教授(朝鮮半島地域研究)は「大統領自らが北朝鮮による陰謀論めいた話を持ち出したことに驚いた。極端な意見を止める人が周りにいない。それほど彼は孤立している」とみる。

 韓国の混乱が長引けば、東アジアの安全保障や世界経済に及ぼす影響は無視できない。与野党はイデオロギー対立を超えて早期の収拾に努めてほしい。尹大統領は日韓関係改善の旗を振ってきただけに、日本にとって痛手となろう。日本政府は両国関係を後退させないよう、外交努力を重ねる必要がある。

 民主主義下でも権力の「暴走」は起こり得ることを、韓国の混乱は示した。同時に、逮捕の恐れがある中でも戒厳解除要求決議を可決した国会議員や、議事堂周辺に集結した市民の抗議は、法にのっとって暴挙を止めた。世界各地で揺らぐ民主主義への信頼を、韓国の人たちがつなぎとめた功績は小さくない。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月06日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.06】:死刑制度 存廃議論 今こそ深めたい

2024-12-06 04:03:50 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【社説①・12.06】:死刑制度 存廃議論 今こそ深めたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.06】:死刑制度 存廃議論 今こそ深めたい

 「日本の死刑制度について考える懇話会」が、死刑制度について「放置の許されない数多くの問題を伴っており、現状のまま存続させてはならない」とする報告書を国会に提出した。

 懇話会は死刑制度の廃止を訴える日本弁護士連合会の呼びかけで設置された。死刑存置派、廃止派を問わず幅広い参加を得て、共通の土俵で議論を交わす狙いがあった。学者や国会議員、警察庁長官や検事総長の経験者ら16人で構成される。
 報告書は、国会や内閣の下に死刑制度に関する検討を行う「公的な会議体」を早急に設置することも提言している。
 重大・凶悪事件の犯人に厳罰を求める被害者や遺族の感情は理解できる。だが死刑は人の命を奪う究極の刑罰だ。刑事司法も人が行う以上、冤罪(えんざい)や誤判の恐れはつきまとう。誤って執行されれば取り返しがつかない。
 58年前の事件で死刑囚とされ、先に再審無罪が確定した袴田巌さんのケースは、改めてその危険性を示している。
 今こそ死刑制度の存廃を巡る議論を本格的に始める時だろう。死刑制度はさまざまな問題点が指摘される。政府と国会はこの機に、存廃について国民的な議論を広く喚起すべきだ。

 ■執行停止も検討課題

 報告書は会議体で検討すべき課題を論点ごとに列挙した。
 凶悪犯罪に遭った被害者や遺族の処罰感情について、「それを理解せず死刑を論じても、国民各層に納得してもらえる議論にはならない」とした。
 その上で、これまでの死刑を巡る議論がともすれば犯人側に立つか被害者側に立つのかの問題として論じられがちだったことから、「二項対立の状況からの脱却」を求めた。
 死刑存置論の根底には「他人の生命を奪った以上、自らの命を奪われても仕方ない」との応報思想があると言われる。
 報告書は、その考え方は現代では支持されていないとして「刑罰は犯罪予防と社会秩序の維持に役立つことによって正当化される」と強調する。
 死刑がなければ凶悪犯罪が増えると考える国民も多いとされる。代替刑として、仮釈放の可能性のない終身刑やその要件が厳しい重無期刑の導入の是非も検討課題だと言及した。
 新たな視点を取り入れ、幅広く目配りした報告書と言える。
 報告書も主張しているように、結論が出るまでの間、政府と国会は、議論を行う前提として死刑執行を停止することを真剣に考えるべきだろう。

 ■誤判の恐れが拭えぬ

 1980年代に再審無罪となった免田、財田川、松山、島田の各事件も死刑執行の恐れはあった。死刑執行後に有罪かどうかが争われている事件もある。
 取り調べの全面可視化や弁護士の立ち会いは実現していない。容疑者や被告は、捜査当局に対して圧倒的に弱い立場に置かれたままだ。
 開始のハードルが高い再審は証拠開示の仕組みがないなど不備が指摘されているが、政府は見直しに動こうとしない。
 死刑の判断に関しては犯行動機などを総合考慮し、やむを得ない場合に死刑の選択が許されるとする「永山基準」がある。
 しかし裁判員裁判での死刑判決が控訴審で破棄、減刑されるなど判断が揺れることもある。
 死刑は、生命を絶つ点で他の刑罰と決定的に異なる。
 誤判は絶対にあってはならない。だがその恐れが拭えないのが現実だ。そうした中で、重大な選択が裁判官らの全員一致ではなく、多数決に委ねられてよいのかという指摘もある。多角的な検証が求められよう。

 ■情報公開が不可欠だ

 林芳正官房長官は「死刑制度の廃止は適当ではない」と述べた。背景には、内閣府の5年ごとの世論調査で死刑容認が毎回80%を超えていることがある。
 しかし調査の選択肢が「どんな場合でも死刑は廃止すべきだ」「場合によっては死刑もやむを得ない」と非対称になっており、「やむを得ない」を選びやすいとの批判は根強い。
 日本の死刑は絞首で行われる。その実態がほとんど明らかではない中で国民に是非の判断を聞くのは無理な話だろう。政府は情報公開を進めるべきだ。
 その上で、憲法が「絶対に禁ずる」とする「残虐な刑罰」に死刑が当たらないのかを改めて検証する必要もある。
 最高裁は残虐刑には当たらないと判示するが、残虐の考え方は時代で変わり得るだろう。
 世界は死刑廃止の潮流にある。7割超の国が法律上または事実上死刑を廃止し、経済協力開発機構(OECD)加盟国で残すのは米国、韓国、日本だけだ。韓国は執行停止状態で米国は過半の州が廃止か停止した。
 国連総会は日本や中国、北朝鮮などの存置国に執行停止を求める決議を再三採択している。
 基本的人権の尊重をうたう憲法を持つ民主主義国としての姿勢が国際的に問われている。
 
 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月06日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・12.05】:韓国の非常戒厳 民主主義否定する暴挙だ

2024-12-06 04:03:40 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説①・12.05】:韓国の非常戒厳 民主主義否定する暴挙だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.05】:韓国の非常戒厳 民主主義否定する暴挙だ

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が、野党が国政をまひさせているとして突然、非常戒厳を宣言した。
 
 戒厳司令部が政治活動の禁止と言論の統制を布告して軍が国会に突入したが、国会は戒厳解除を要求する決議を可決した。尹氏は憲法の規定に従い、宣言から約6時間後に解除を表明して軍を撤収させた。
 低支持率と少数与党のために政権運営が行き詰まる中で、尹氏は事態打開を狙って強硬手段に踏み切ったのだろう。
 だが非常戒厳は戦時やそれに準じる国家非常事態で宣言できると憲法で規定されている。今回は恣意(しい)的な発動と言うほかなく民主主義を否定する暴挙だ。
 野党は尹氏の弾劾訴追案を国会に提出した。与党からも責任を問う声が強く、大統領府の側近は一斉に辞意を表明した。尹氏の任期は2027年まであるが、辞任圧力が強まっている。
 与野党は混乱を最小限に抑え、対話を通じて収束を図ってもらいたい。
 韓国の戒厳令は、軍の弾圧で多くの市民が犠牲になった光州事件などが起きた1980年代初頭以来で、87年の民主化後は初めてである。
 民主化は長期の軍事独裁政権の後、市民の粘り強い闘いで勝ち取ったものだ。尹氏の強権発動はその歴史と成果を台無しにしたと言わざるを得ない。
 2年前に発足した尹政権は独善的とも言われる政治手法が批判され、支持率は低迷した。今年4月の総選挙で与党が惨敗したことで、与野党対立はさらに激しさを増していた。
 野党は政権や検察などへの弾劾訴追案を多数発議し、政府予算案の削減も迫って尹氏を追い詰めた。政争を優先せず冷静な対応が求められる。
 韓国では長年、保革が激しく対立し、国を二分してきた。理念の違いに加え、経済や地域などの格差が分断に拍車をかけている。与野党ともこうした問題に目を向ける必要があろう。
 尹政権は対北朝鮮で強硬姿勢を取り、南北関係は悪化している。北朝鮮が核・ミサイル開発を加速し、ロシアとの軍事協力を進める安全保障環境の中、韓国の安定化は欠かせない。
 尹氏は日韓関係の改善に尽力した。来年は国交正常化60年で、石破茂首相とは対話の頻度を高めることで一致していた。首相は来月の訪韓を調整していたが、影響は避けられまい。
 トランプ次期米大統領の就任を控え、国際情勢は不透明感が増している。こうした時こそ隣国同士の日韓が連携して対応することが重要である。
 
 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月05日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説②・12.05】:子どもとSNS 安全最優先で対策議論を

2024-12-06 04:03:30 | 【ソーシャルネットワーク(SNS)の功罪・社会的影響・子供・有害情報追放・事件

【社説②・12.05】:子どもとSNS 安全最優先で対策議論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.05】:子どもとSNS 安全最優先で対策議論を

 オーストラリア議会で、16歳未満の交流サイト(SNS)使用を禁止する法案が可決された。

 暴力を誘発する有害投稿の閲覧やSNSを介したいじめ被害などを防ぐことが狙いだ。同様の問題は日本を含む各国に共通し、規制に乗り出す動きも見られるが国家レベルで子どもの使用を禁じる例は世界初という。
 SNSが若者に与える悪影響は深刻化する。ただ大人と同様、有益情報の獲得や意見表明の手段としても定着している。
 最優先されるべきは子どもの安全や健やかな成長である。規制の是非やその内容を含め、どんな対策が必要か日本でも議論を深めていかねばならない。
 可決された法律はSNS事業者にアカウント作成時の年齢確認を義務づけた。違反すると最高約50億円の制裁金を科す。
 アルバニージー首相は「事業者は子どもの安全が最優先であると保証する社会的責任を負うことになった」と述べた。
 子どものSNS利用のリスクは有害情報の閲覧などに加え、依存性の問題が見逃せない。
 オーストラリアでは肥満を気にしていた子どもがSNSのダイエット関連の動画を閲覧し続け、拒食症になり自殺した。
 事業者は検索履歴から関心事を予測する「プロファイリング」の手法を使い、関連情報を配信して収益につなげている。その仕組みが悲劇を招いた。
 10代は脳が発達段階で、SNSの過度な利用が感情や行動に関わる部位に影響するとした米国の調査報告もある。子どもはSNSのリスクに脆弱(ぜいじゃく)だということを認識せねばなるまい。
 可決された法律は年齢確認をどう行うのかなど課題が多い。規制の抜け道もあるだろう。
 いじめや虐待の被害者がSNSで相談機関に訴える例は相次ぐ。子どもを救うケースがあることにも留意が必要だ。
 日本政府はネット利用を巡る子どもの保護を話し合う専門家の検討会を設置した。表現の自由を侵害しない前提で、子どもを守る措置としてどんな手法が適切か議論を深めてほしい。
 規制によらない、事業者の自発的な取り組みは強く求められる。利益を優先し子どもの安全対策が後手に回ることは許されない。有害情報の削除や閲覧防止措置を講じるだけでなく、子どもの検索履歴の分析を抑制することも必要ではないか。
 さらに学校や家庭では、SNSにリスクがあるという前提に立ったリテラシー教育が重要となる。子どもが自ら判断し、必要に応じて距離を置く意識を育てていかねばならない。
 
 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月05日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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