【天風録・12.22】:もう一つのオールスター戦
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.22】:もう一つのオールスター戦
「三矢(みつや)の訓(おしえ)」ゆかりのサンフレッチェ広島は、サッカースクールにも三つの哲学を掲げる。まずはルールを理解し、守る〈サッカーを学ぶ〉。次が〈サッカーで学ぶ〉。正々堂々と戦うフェアプレー精神は、〈で〉学ぶ1番手だろう
▲事実サンフレは、Jリーグのチームで最多回数のフェアプレー賞に輝いてきた。2012年からは11季も続けて受賞している。たとえ戦績が振るわぬ時期でも、誇らしかったのを思い出す。よき風土が育まれつつある
▲身をもって、その範を示してきた面々がきのうエディオンピースウイング広島に勢ぞろいした。サンフレ版OBオールスター戦。リーグ2連覇をはじめ、クラブの歴史を彩った元選手が元気な姿を見せてくれた
▲哲学の三つ目は〈あこがれを身近に〉。選手と観客との距離が縮んだ新たな本拠地スタジアムも、それを体感させる。「現役に戻りたくなった」。きのうは、そんな感想も聞こえた。サポーターにも声をからし、背を押した日々がよみがえったはず
▲フェアプレーを裏打ちするのはサッカー界でいうリスペクト、「人を大切にすること」にほかならない。それは、広島の地が願ってやまぬ世界平和の原点でもある。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年12月22日 07:00:00 これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。
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